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日本国内レース

  • 2024/04/17
  • ROADSTERCUP

RSC開幕戦に全4世代41台が集結。最後に笑ったのは長岡哲也

ロードスターのレースは全国各地で行われていますが、スケールの大きさという点ではここ富士スピードウェイのロードスターカップ(RSC)が断然ではないでしょうか。初代NAから現行の4代目NDまでの全世代が出場可能。また3代目NC以降は、ほぼノーマルに近いチャレンジクラスと、ショップチューナーが腕を振るうことのできるオープンクラスがあり、合計で6つのクラスを設定。世代や排気量、改造範囲に細やかに対応していることも特徴になります。


2024年も年間4戦でのシリーズを予定しています。なお昨年より指定タイヤの変更があり、1.6と1.8クラスがダンロップのDIREZZA ZⅢ(195/50R15)に、1.5と2.0のオープンクラスがブリヂストンのPOTENZA RE-71RS(195/50R16,205/50R16)になっています。1.5と2.0のチャレンジクラスはパーティレースの規定に準じているために、POTENZAアドレナリンRE004の195/50R16となっています。


さすがに桜も満開が過ぎた4月14日の日曜日に今シーズンは開幕。上空は少し雲が多いものの、雨の気配はありません。エントリーは5クラス合計で38台。3代目NCのパーティレース車両が相当する2.0チャレンジクラスが成立せず、5クラスでのバトルとなりました。このうち1.6と2.0オープンの2クラスは2台のみのエントリーで少し寂しいのですが、1.8クラスは7台、1.5オープンクラスは10台。

そしてパーティレースと同じ現行ND車両で出られる1.5チャレンジクラスは、20台という大盛況でした。特に今回、寺田陽次郎さんが率いる「チーム TERRAMOS」が5台という規模で参戦。その中には世界的バイオリニストである古澤巌さんや、ミニカーの世界で今話題のスパークジャパンの代表取締役、矢島貴子さんもいらっしゃいます。


9時10分から20分間の公式予選が開始。総合トップを争うのは、やはり改造範囲の広い1.5と2.0のオープンクラスです。特に今回は1.5オープンの3台が好調でした。前年王者の23号車・山本謙悟が4周目に2分06秒030を記録して、自身が持つコースレコード(2分06秒348)を更新。10号車の国分 務も2分06秒638、20号車の佐藤文昭も2分06秒652という僅差で続きます。総合4番手は2.0オープンの77号車・長岡哲也でタイムは2分06秒912。こちらもコースレコード更新となりました。

1.8クラスの予選トップは8号車の関野大志でタイムは2分08秒417。2023年チャンピオンの91号車・神谷 誠は2分08秒941でクラス2番手ですが、間に1.5オープンクラスの1台が入ってしまったのは想定外だったかもしれません。参加2台の1.6クラスは明暗が分かれて、初参戦の34号車・永野裕介が2分09秒471で総合12位だったのですが、ベテランの27号車・野木強は2分11秒417と振るわずに総合では19位。そして1.5チャレンジクラスのトップは29号車の鷲尾拓未で、タイムは2分13秒243。50号車の田中悠太が2分13秒640という僅差で、この2台は総合では21位と22位となりました。

なお2.0オープンクラスのもう1台、96号車の遠藤幸和は装備品(ヘルメット)に規定違反が発覚。予選を走ることは許されませんでしたが、決勝は最後尾からのスタートが認められて、このクラスが成立する望みがつながりました。


予定よりわずかに遅れて、13時15分58秒に決勝8ラップのスタートが切られました。スタートで勢いがよかったのが4番グリッドだった長岡で、すぐに2位まで浮上。オープニングラップから早くもポールの山本をロックオンして、2周目には先頭に出ます。コーナーではNDの山本が速いのですが、ストレートの加速は2ℓを積む長岡のNCが勝ります。3周目には再び山本が先頭で戻って来ますが、4周目以降は長岡のトップが盤石となり、終盤には2秒以上の差がつきました。

そうこうするうちに、山本の背後には予選は3番手だった佐藤が迫ってきます。つまり山本は長岡を追いかけるよりも、佐藤に隙を見せないことが優先になりました。最後は0.132秒という僅差になりましたが、ここはチャンピオンの意地で逆転は許しません。さらに1.5オープンでは3位争いもヒートアップ。国分の背後には7号車の茂木文明が超接近。ベテランの茂木が0.404秒差まで追い詰めますが、国分もなんとか表彰台の最後の一角は守ることに成功します。1.5オープンは出走10台のため、クラス5位でゴールした79号車の杉浦 良までが入賞となりました。

1.8クラスの上位2台は、決勝で大きく明暗が分かれました。トップの関野はオープニングラップで1.5オープンの2台を抜いて総合5位までジャンプアップ。その後はクラス違いの速いマシンには進路を譲るものの、6周目までは背後に1.5オープンのマシンを従える展開になりました。逆に予選2番手だった神谷は1周目に3台に抜かれてしまい、その中には同じクラスの55号車・澤田 薫もいたのです。ようやく3周目に澤田を抜き返し、さらに1.5オープンの2台も手こずりながらパッシング。7周目には関野を視界にとらえましたが、時すでに遅し。それでも0.949秒差にまで詰め寄ったのは、前年王者の底力でしょう。なお、5周目に澤田をかわした11号車の松浦 健は嬉しい初表彰台。出走7台なので、入賞も松浦までとなりました。

たった2台の1.6クラスでしたが、こちらは最初から最後までガチンコの名勝負。グリッドでは間に6台のクラス違いがいたのにもかかわらず、1周目に先に帰ってきたのは野木の方でした。ただし、デビュー戦の永野もあきらめませんでした。4周目には再びクラストップに復帰し、ファイナルラップでも一度は先行。ところが、アドバンヘアピンで永野はあわやスピンというほどテールをスライドさせてしまい、ダンロップコーナーへの加速で野木にインを明け渡して勝負あり。それでもコントロールラインでは0.098秒差まで挽回していたのはアッパレでしょう。

1.5チャレンジクラスのバトルも見応えがありました。ポールシッターの鷲尾はパーティレースに昨年デビューして、富士のクラブマンで優勝。筑波の東日本最終戦ではNDシリーズも制している期待の若手です。一方で田中は昨年もこの富士チャンにフル参戦し、ランキング3位となったキャリアを持っています。特に激アツだったのはオープニングラップで、Aコーナーまでは鷲尾と田中を含むスリーワイド状態。その後は一時、1.8クラスのマシンが間に挟まりますが、4周目には再びこのトップ2がマッチアップ。最後も0.447秒差まで田中が追い詰めますが、逆転はなりませんでした。3位には254号車の小野佳寿美が入賞。小野は1週間前のSUGOでもパーティレースとマツ耐の両方に参戦という、タフガイです。以下、4位には同じくマツ耐に出ていた41号車の八田新一、5位に153号車の成井カツヤ、6位に80号車の臼井達哉で、ここまでが入賞となりました。


長岡は「昨年は後半2戦しか出られず、シリーズも不成立になって残念でした。でも今年は遠藤さんがフル参戦と聞いたので、勇気百倍です。山本さんたちとはクラスが違うし、速いところが違うので難しいのですが、バトルできることが楽しいです。NCの仲間を増やして、もっと盛り上げていきたいです」とコメント。その山本は「今年はショックを変更したのですが、セッティングが決まらず、苦しんでいます。今日は予選でニュータイヤを投入してポールが取れて、そのおかげで勝てました。自分のクラスは今日のトップ4の皆さんが、同じレベルだと痛感しています。なんとか足まわりを煮詰めて、次戦以降に臨みたいです」と神妙に語りました。2勝目を挙げた関野は「ノーマルから仲間と作り上げたマシンも含めて3年目ですが、やっと仕上がってきた感じです。今日は展開にも恵まれましたが、最後は神谷さんがどんどん近づいてきて、ちょっと冷や汗をかきました」と振り返りました。大逆転の野木は「金曜に車高を調整してからおかしくなって、予選で6グリッド負けた時点で今日はダメだと思っていました。決勝でいきなり前に出られてからは、楽しくバトルさせてもらいました。永野さんに感謝します」と若きライバルにエールを送りました。逃げ切った鷲尾は「1周目のAコーナーまで3ワイドだったのを凌げたのが大きかったです。実は富士はあまり走り込めていなくて、予選で勝てたのはスリップのおかげでだと改めて痛感しました。もっと練習して次に臨みたいです」と勝ってカブトの緒を締めていました。


今シーズンのRSC第2戦は富士チャンピオンレースとは別の日程となり、スーパー耐久シリーズの第2戦・富士24時間の決勝が開始される5月25日(土曜日)にサポートレースとして開催予定です。大観衆の前でのバトルに注目が集まることでしょう。


富士チャンピオンレース

https://www.fsw.tv/freeinfo/005516.html



Text by T.Ishida
Photos by T.Ishida/A.Fuchigami

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