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日本国内レース

  • 2023/06/09
  • S-Tai

富士24時間レース、TEAM NOPROがST-5クラス2連覇

5月26日〜28日、富士スピードウェイで、「ENEOS スーパー耐久シリーズ2023第2戦NAPAC富士SUPER TEC 24時間レース」が行われ、ST-5クラスでは17号車のTEAM NOPROデミオディーゼル(西澤嗣哲/大谷飛雄/小西岬/野上敏彦/山本浩朗/上松淳一)が2年連続でクラス優勝、72号車の日本自動車大学校ロードスター(南澤拓実/岡原達也/金井亮忠/野島俊哉/石井達也/山野哲也)が2位、65号車OVER DRIVEロードスター(外園秋一郎/太田達也/伊藤裕仁/丹羽英司/黒沼聖那/河村恭平)が3位入賞となりました。また、ST-4クラスでは、66号車OVER DRIVEのロードスターRF(貫戸幸星/猪股京介/大野尊久/霜野誠友/稲垣知博/大崎達也)が参戦2レース目にして2位表彰台に上がりました。

決勝の行われる土曜日、サーキットには朝からBBQやキャンプを楽しむ観客のテントが立ち並びます。今年で6回目を迎える富士24時間レースですが、ヘリコプター遊覧飛行やラジコン大会、足湯、サウナ、映画鑑賞などといった、レース観戦以外にも楽しめるコンテンツが充実。イベントエリアでは、「共挑」(キョウチョウ)のスローガンのもと参加している国内自動車メーカー5社のベース車両展示や、カーボンニュートラルに理解を深めるパネルや体験、子供向けクイズスタンプラリーなどが実施されています。マツダの展示エリアでは、ユーグレナのバイオ燃料の紹介やその燃料で走る、「CX-60 Biofuel」車と、発電用ロータリーエンジンを搭載した「MX-30 e-SKYACTIV R-EV」(欧州仕様・参考出品)が展示され、MAZDA SPIRIT RACINGのオフィシャルショップも展開されていました。

ST-5クラスのポールポジションを獲得したのは、50号車のLOVE DRIVEロードスター(大井貴之/勝木祟文/藤井順子/國沢光宏/染谷太/伊橋勲)で、2年連続で24時間レースのポールポジションスタートです。15時にレースがスタートすると、2番手スタートの17号車デミオディーゼルが迫り、2台はしばらく争いましたが、50号車はペナルティで順位を落としています。その後、ST-5クラスは17号車がトップとなり、各車が走行を重ねて 行くと、やがて日没を迎え名物の花火が上がる時間となります。ここまでは、大きなアクシデントなどはなく、緊張感の漂う中、各クラス着々と走行を重ねていましたが、ついにコース上でアクシデントが発生。これに伴う散らばったデブリやコース清掃のため、FCY(フルコースイエロー)となり、その後SC(セーフティカー)が導入されます。速度制限がかかるFCYやSCは、耐久レースにおいては、燃費や戦略などに大きく影響を与えることもあるポイントのひとつです。さらに夜明け前の午前3時半頃には、ST-4クラスで大きなアクシデントがあり、ガードレール修理のため、レースは約1.5時間の中断が宣言されました。富士24時間では、特別規則として、レース中に10分間のメンテナンスタイムを設けることが義務となっています。この赤旗中断が宣言される直前にピットガレージに入ったトップの17号車は、まさにこれからメンテナンスタイムの消化するタイミングでした。午前5時にレースはSCランで再開となり、これは、17号車にとって後半戦に向けての大きなアドバンテージとなります。

マツダ車は全車が無事に2日目を迎えました。レース終盤、17号車は、3速ギアを失うトラブルを抱えながらもトップを守り続けました。一方で2位、3位争いが激しくなり、特に72号車と65号車は残り40分にかけて接戦を繰り広げます。そんな中、2台は同時にピットイン。72号車が僅かな差でリードを守ります。その後、15時となり、トップの17号車は後続に2周の差をつけてフィニッシュ。最後は、37号車のDEデミオとランデブーでフィニッシュラインを通過しました。2年連続、チームとしては3回目の24時間レース優勝に、メカニックとチームスタッフは歓声が飛び交います。Bドライバーの大谷飛雄は、「24時間を連覇できることはなかなかないですし、今年から加入した小西さんもよく頑張ってくれました。チーム一丸となって獲得した勝利だと思います」とコメント。2位でチェッカーを受けたのは72号車のロードスター。開幕戦のアクシデントでマシンが全損しており、その後、ニューシャシーから新規製作したためにギリギリの中臨んだレースでした。学生たちが互いの健闘を讃える姿が見られました。3位は65号車ロードスター、4位は50号車ロードスター。マツダのチャレンジプログラムで選ばれたドライバーが挑む、120号車の倶楽部 MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER (杉野治彦/樋口紀行/ /織田祥平/箕輪卓也/上田純司/菊池崚斗)は6位、TEAM NOPROの37号車DEデミオ(加藤芳皓/野上達也/小倉徹/ 井上雅貴)は8位完走。開幕戦優勝を果たした注目の88号車村上モータース(村上博幸/雨宮恵司/有岡綾平/吉田綜一郎/岡本大地)でしたが、レース序盤でエンジンブロー。メカニックたちが懸命に、リペアエリアでのエンジン交換作業を行い復帰。その後トランスミッショントラブルをも克服し11位完走を果たしています。

ST-4クラスの66号車ロードスターRFは、序盤に電気系トラブルのためピットで修理が続きましたが、コース復帰して周回を重ねていきます。開幕戦の鈴鹿大会では、トラブルによりリタイアを喫した66号車でしたが、さまざまなアップデートや対策を施して、第2戦を迎えました。決勝レースでは、軽量車体による好燃費でピット回数を最小限とし、2位入賞を果たしています。富士24時間レースにおける、ST-4クラスでのマツダ車の入賞は今回が初めてです。

バイオディーゼル燃料を使用して、ST-Qクラスに参加している55号車MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept(寺川和紘/関豊/井尻薫/前田育男/阪口良平/堤優威)は、MAZDA3で初めて挑む24時間レースです。トランスミッションは、テストを重ねて、信頼性の高いものとなりました。順調に走行し、ナイトセッションを迎えますが、23時半頃、右フロントタイヤのハブボルトが損傷し、コース横の芝生にマシンを停めます。マシンはトラックに積載されて、リペアエリアに運ばれました。その後、ピットに戻ったマシンの修復と調整は3時間半以上におよびましたが、赤旗中断を挟んでコースに復帰。なんとか24時間のレースを完走し、120号車とランデブーでのチェッカーを受けました。レース後は、全車がピットロードを逆走して車両保管へと向かいます。最終スティントを担当した前田も、チームメンバーや共に24時間走り切ったマツダ車チームの前を通過した際には、ハイタッチを交わしていきました。MAZDA SPIRIT RACINGとして挑んだ2回目の挑戦にして、初の24時間レース完走を果たし、チームメンバーや開発に携わったエンジニア達は感激の様子でした。

   スーパー耐久シリーズ次戦は、7月8日〜9日に宮城県のスポーツランドSUGOにて3時間レースとして行われます。(MAZDA SPIRIT RACING としては、ST-Q 55号車はお休みの回となり、ST-5 120号車のみの参加となります。)

2023 S耐Rd.2富士24時間レース記録動画 6/8公開 (YouTube 7’36”)

Text & Photos by MZRacing

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