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  • 2019/09/28
  • OTHER(日本)

富士チャン第4戦のN1レースで、村上博幸のNDがデビューウイン!

2019年の富士チャンピオンレースシリーズ(富士チャン)の第4戦が9月21〜22日に開催され、21日にロードスターカップ(RSC)、22日にロードスターN1とWOMENS’GTなどが行われました。注目はS耐での活躍で知られる村上博幸がN1レースにNDで初参戦したこと。期待に応えて、90kgの重量差を跳ね返す快走でポールtoウインを果たしました。

まずは28台のエントリーで賑わった21日のRSCから。9月1日の前回は2クラスがキャンセルとなりましたが、今回は6クラスすべてが揃い、年間シリーズも全クラスで成立する望みを残しました。8時30分からドライで20分間行われた公式予選では、1.8クラスの35号車に乗る山田健介が2分8秒704でポールポジションを獲得。同クラスの91号車・神谷誠が8秒867、55号車・澤田薫が8秒974という僅差で続きます。総合4位は2.0オープンクラスの77号車・長岡哲也で、同8位までが1.8と2.0オープンクラスのマシンでした。
総合9位は1.6クラスで6連勝中の76号車・辻本均。1.5オープンクラスのトップ、7号車の茂木文明がこれに続いて同10位。2.0チャレンジクラスのトップは8号車の菊池聡で総合では16位。1.5チャレンジクラスは20号車の五賀貴男がトップですが、総合では20位でした。ご存じのように1.5と2.0のチャレンジクラスは、パーティレースと共通の車両規定です。

8周で争われる決勝は5分遅れの11時40分にスタート。フロントローの2台は順位をキープしますが、3番グリッドの澤田を4番グリッドの長岡がかわして1コーナーに進入。同じ2.0オープンクラスの1号車・高橋裕史は5番グリッドから長岡を追うはずでしたが、クラス違いの澤田が壁となってしまいます。前年王者の高橋ですが前日に発熱してタイヤ組み換えなどの準備ができず、終盤は同じクラスの19号車・山口幸治にも肉薄され、長岡の逃げ切りを許しました。初優勝の長岡は、ランキングでも首位に立って最終戦を迎えます。長岡は「じつは今日でレース7戦目。ゼッケンが77なので、密かに期待していました」とコメントしました。
トップ争いは山田と神谷、さらに2周目に長岡を抜き返した澤田の三つ巴状態になります。序盤はトップを守った山田ですが、35号車は今回限りのレンタルマシン。5周目にシフトミスを犯して神谷に抜かれ、さらに6周目の1コーナーでブレーキをロックさせて澤田にもかわされます。2位に滑り込んだ澤田が現時点でポイントトップです。神谷は大雨だった2016年の第1戦以来の2勝目。「前に勝った時は別のクラスだった山田くんが前にいたので、総合トップは気持ちよかったです」と嬉しそうです。
総合10位からスタートした1.5オープンクラスの茂木は、1周目に同じクラスの79号車・杉浦良に背後につかれます。とはいえ、最後は5.25秒という十分なマージンを築いての今季2勝目。最終戦が2台以上のエントリーで成立した時点でチャンピオンが決まります。茂木は「杉浦さんも(クラス3位の)杉山さんも手強くなっていて、なんとか逃げ切れました」とホッとした様子です。波乱だったのは2.0チャレンジクラスで、勝ったのは予選2番手の50号車・藤澤卓也。クラス首位だった実力者の菊池が前を塞がれる不運もあり、3番手だった18号車・神尊晴幹とバトルしているうちに抜け出すことに成功。藤澤は「スタートでアウト側だったのがラッキーでした」と初優勝を振り返ります。

2クラスではポイントリーダーの連勝が止まりました。1.5チャレンジクラスは103号車・松尾康博が2戦連続で優勝していましたが、予選はクラス3番手。予選クラストップの五賀が絶好調だった一方、予選クラス2位の5号車・山崎善健と松尾、同じく4位の32号車・原嶋昭弘の3台が2位をめぐって激しくバトル。7周目に山崎がリタイアするまで続いたために、五賀が昨年の第3戦に続く2勝目を余裕の逃げ切りで飾ります。五賀は「今日は優勝狙いじゃなかったのが幸いしたかも」とコメントしました。一方、1.6クラスでは7連勝を目指していた辻本が順調にリードを広げていた6周目、ヘアピンで痛恨のスピンをして3位に陥落。一時は離されていた予選2番手の34号車・竹田幸一郎が、参戦3年目で嬉しい初優勝を飾りました。竹田は「自力じゃまだ勝てないですけど、嬉しいですね」と笑顔です。

22日のロードスターN1は、NDが初挑戦。従来からのNA6CE8台と、合計9台での争いです。8時10分からの公式予選ではNDの村上が最初のアタックで2分8秒408を記録し、さらに8秒264まで刻みます。2番手は村上のスーパー耐久のチームメイト、10号車・雨宮恵司で2分8秒923。そして2014年から4年連続チャンピオンの2号車・大野俊哉と前年王者の1号車・芝田敦史が2分9秒台前半で続きます。ちなみにNA6CEは最低重量の850kgで戦っていますが、ND5RCは最低重量800kgと規定されているにもかかわらず、進化した衝突安全に対応しているため軽量化が難しく現状は940kg。この90kgの重量差がドラマを生む可能性がありました。
11周の決勝は少し遅れて13時7分にオールレッドのシグナルが消えます。グリッドに静止してのスタートは7年ぶりという村上は出遅れて雨宮の先行を許し、オープニングラップは2位。その後はお互いにスリップストリームを譲り合って、5周目終了まで毎周順位を入れ替えます。6周目からは大野がスパートをかけて、2位争いが激化。ついに9周目の1コーナーで大野が雨宮をとらえて2位に浮上します。さらに大野は10周目終了時点で0.7秒差まで村上を追い詰めますが、混走のNA1600の先頭車両が村上よりわずかに前で11周のトップチェッカーを受けたため、ここでレースは終了。結果的には村上がポールtoフィニッシュで富士のデビュー戦を飾りました。村上は「前半は雨宮さん、後半は大野さんと苦しくも楽しいバトルでした。ふたりと同時に戦ったら、負けたかもしれませんね」と激闘を振り返りました。

また22日はFIAとJAFが推進する「WOMEN IN MOTORSPORT」プロジェクトに基づく女性だけのレース「WOMENS’GT」が行われました。2017年に「L1」シリーズとして初開催され、今年で3回目です。
今回は3クラスに15台がエントリーし、マツダ車はGT-L2クラスに7台のNDロードスター、GT-FFクラスに2台のデミオが出場しました。GT-L2クラスの上位はパーティレースにも参戦している経験者が独占。優勝は予選トップから一人旅の117号車・小松寛子で、以下、2位に7号車の辻田慈、3位に17号車の加藤沙也香が入賞しました。またGT-FFクラスでは3位に89号車の中村涼子が入賞しています。

次の富士チャン第5戦は10月19〜20日の開催で、マツダ車関連ではRSCの最終・第4戦が20日に予定されているほか、人馬一体アカデミーの55号車が参戦するインタープロトシリーズの第3ラウンド(第5戦と第6戦)が2デーで開催されます。

●富士チャンピオンレース
http://www.fsw.tv/freeinfo/005515.html

Photos and Text by T.Ishida +1

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