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日本国内レース

  • 2023/11/10
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3年目の27歳、原山怜がポールtoウインで初優勝

11月4日、ロードスター・パーティレースⅢのジャパンツアーシリーズ第7戦が、西日本シリーズ第4戦とのダブルタイトルで岡山国際サーキットにて行われました。激戦のNDシリーズクラスは97号車の原山怜が初優勝をポールtoウインの独走劇で達成。今季は第3戦までチャンピオンの本多の次にチェッカーを受けていた無念を、ついに晴らすことに成功しました。ランキングも逆転し、価値ある2位を獲得しています。


2023年のシーズンもいよいよ最終章で、今回はどちらのシリーズも最終戦です。チャンピオンはジャパンが35号車の箕輪卓也(今回欠場)、西日本が88号車の本多永一に決まっていますが、シリーズ2位以下の最終順位をめぐる争いや、本多の連勝&最多勝記録更新の成否にも注目です。エントリーは39台で、NDシリーズクラスは24台。また今回も賞典外で、マツダ車両開発本部所属の梅津大輔が参加。彼の乗る00号車は「ロードスター商品改良試作車」というネーミングの通り、新しい技術を装備した走る実験室で、実際のレーシング走行で性能を検証することを目的とし、JAFからの承認も得ています。ただ今回は、10月に発表された改良型が搭載する「DSC-TRACK」と「アシンメトリックLSD」のみを搭載しての出走です。もちろんDSCはONにして、予選・決勝ともに走行するとのこと。そしてシリーズクラスでは193号車の三宅陽大(はると)が今回初出場。今年からマツダが開始しました“バーチャルからリアルへの道”プロジェクトのメンバーに選出され、すでにマツ耐にはデビューしているeSPORTとの二刀流です。

この日のサーキットは朝方から濃い霧が発生しましたが、パーティレースの公式予選は予定通り、9時25分からの15分間で行われました。計測した気温は13℃、湿度は98%、路面温度20.4℃。開始早々、モニター最上段の座には3連勝中の岡山マイスター、本多が躍り出ます。アタック1周目の1分58秒277から、2周目には58秒216まで短縮。ここで一度ピットに戻りました。

その後、しばらくトップの座は変わりませんが、2番手は目まぐるしく変動しました。まずは本多に続いての2位を2回獲得してランキング3位で臨んでいる原山が1分58秒574で暫定2位に浮上。続いて2020年チャンピオンの110号車・末金孝夫が1分58秒506をアタック2周目に記録。さらに原山がアタック3周目に1分58秒012まで削り込んでついにトップに立ちました。ちなみに序盤は少し濡れているところもあった路面の回復を待つため、ピットでウエイティングしていた車両も数台いました。

予選も残すところ約5分。どうやら58秒台の前半でポールが決まるのかと思われたところで、待機組のひとり、33号車の惠木勇哉が1分57秒923をアタック1周目に叩き出します。ライバルたちも続々と1分58秒台のベストタイムを更新しますが、3番手の本多のタイム(1分58秒216)がひとつ大きな壁となりました。そしてチェッカーフラッグが振られ、各車が最後のアタックを終了した時点で、前述の原山が1分57秒483でベストを更新。自身初めてのポールポジションを逆転で獲得しました。

以下は惠木、本多と続きますが、最後の最後に原山の前を走っていました初参戦の三宅が1分58秒492まで短縮。グリッド3列目には末金と、ランキング2位で臨んでいる56号車の小林太一という順で並ぶことになりました。


パーティレースの決勝はほぼオンタイム進行で、13時23分にローリングスタートが切られました。天候は曇りで、コンディションは気温22℃/湿度59%/路面温度27.2℃。残念ながら予選の最後にアクシデントでマシンを損傷させてしまった174号車の佐野哲也がリタイア届けを出したため、36台(賞典外の1台を含む)での決勝レースになりました。

原山と惠木という最前列の2台がスタートから先行し、3番手の本多以下を1.588秒も引き離してオープニングラップを戻ってきました。その後方にはデビュー戦の三宅がピタリと背後に迫り、3列目同士は小林が直前の末金をかわしてポジションアップ。さらに予選8位の146号車・岸智裕もひとつ前のグリッドだった58号車・桂涼のパッシングに成功しました。

2周目以降、上位陣は少し落ち着いた展開になりました。原山と惠木のギャップは最大でも1.513秒と接近はしているものの、逆転の匂いがするまでには至りません。逆に本多と三宅の3位争いは最後まで白熱。ルーキーの三宅が厳しく追い詰めますが、チャンピオンの本多も隙を見せません。順位が動いたのは末金を先頭にした6位争いのバトルで、輝いたのは予選では10位に沈んだ61号車の米川直宏。4周目に桂、7周目には岸と末金を一気にパス。決勝中のファステストラップも獲得する見事な追い上げで、最後の入賞枠を勝ち取りました。整理しますとシリーズクラスは原山が参戦3年目の初優勝をポールtoウインで達成。惠木と本多が表彰台に上がりました。さらにデビュー戦で大健闘の三宅と小林、米川までが入賞です。

原山は広島県在住の27歳で、以前はカートで全日本に出場したキャリアがありますが、4輪のレースはこのロードスターで始めて3年目。「レースを始めて、本当に良かったと思える日になりました。来年はぜひ、このシリーズでチャンピオンを目指したいです」と語りました。


この最終戦の結果、西日本シリーズの2位は原山が獲得。以下、3位に小林が後退し、4位は米川。5位には19号車の田中健太、6位には84号車の吉田和成が続きました。同じくジャパンツアーシリーズの2位は、この日は9位に終わった171号車の野村充が獲得。自己最高の2位でフィニッシュした惠木が一気に18ポイントの上乗せでランキング3位に浮上しました。以下は順に63号車の吉田恭将、16号車の上田純司、81号車の瀧口智弘までがシリーズ表彰対象となりました。


なお、出走13台のNDクラブマンクラスを制したのは60号車の黒田行治。8月20日の西日本第3戦で、参戦5年目にしてキャリア初優勝を果たした努力の人が、今回は「最後まで自分は2位だと思っていた」という自身にとってはサプライズの連勝劇を果たしました。


2023年のパーティレースもいよいよ残すのは1戦限り。11月25日の土曜日に、宮城県のスポーツランドSUGOで北日本シリーズの最終戦が予定されています。



Text by T.Ishida, Photos by B Sports

MAZDA MOTORSPORTS ロードスター・パーティレースⅢ

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