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日本国内レース

  • 2020/11/02
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最終決戦に勝利した井尻と荒牧が、それぞれチャンピオンを獲得

10月25日、茨城県の筑波サーキットでロードスター・パーティレースⅢの東日本シリーズ第3戦と第4戦がダブルヘッダーで開催されました。最終決戦となる第4戦のND クラブマンは198号車の山口聡、NCシリーズは86号車の井尻薫、NDシリーズは63号車の荒牧和敬がそれぞれ優勝。東日本シリーズのチャンピオンにも井尻と荒牧が輝きました。

第4戦の予選については第3戦のレポートでもお伝えした通り、朝の公式予選のセカンドベストで決めるレギュレーションが採用されました。大きな事件が起きたのがNCシリーズです。昨年の初参戦以来、すべてのレースで予選・決勝とも圧倒していた86号車の井尻薫が、まさかの敗北。69号車の相澤康介が1分9秒371でポールを獲得します。井尻も最終アタックで逆転を狙いますが、1分9秒677で届きません。
以下は7号車の佐久間行雄と5号車の入江直が2列目、104号車の内海由多加と87号車・村松佑基が3列目からのスタートになりました。
またND クラブマンの第4戦はのちに第3戦のウイナーとなる29号車の岩田洋二が1分11秒525でクラストップ。以下は93号車の細井明宏、198号車の山口聡、66号車の関裕と続き、NCシリーズを間に1台挟んで101号車・緒方克明と37号車の倉持彰彦の順。以上の6名は同じ顔ぶれですが、関と倉持以外は異なるクラス順位からのスタートになりました。
セカンドベストで争っても上位陣の順位が変わらなかったのがNDシリーズです。ポールシッターは1号車の石谷豪志で、タイムは1分9秒880。以下、78号車・出来利弘、63号車・荒牧和敬、77号車・野島俊哉、20号車・吉田隆ノ介、16号車・上田純司に続いて、7番手の197号車・根本智文までが同じメンバーが同じ順番で並びました。

第3戦決勝の後、コース上の各レースがディレイしての進行となりました。第4戦・NDクラブマン/NCシリーズの決勝レースは、予定より22分遅れて15時27分にスタートが切られました。NCシリーズの62号車・Toshiは第3戦の途中で不具合を感じたため、大事をとって欠場しました。また今回は最初から、どちらか1戦のみのエントリーを選択した方もいることをお伝えしておきます。
連戦連勝の井尻に一矢報いようと狙っていたポールシッターの相澤でしたが、2番グリッドの井尻がロケットスタートを披露。1コーナーまでで完全に勝負ありで、相澤は井尻を追いかける展開になりました。3位はグリッド通りの佐久間ですが、4位には6番グリッドだった村松が浮上。さらに5番グリッドの内海、4番グリッドの入江が1周目のトップ6です。井尻にいつもほどの勢いはありませんが、6周目には2秒、9周目には3秒、13周目には4秒と徐々にリードを拡大。それを追う相澤のペースも決して悪くはなく、逆に佐久間を先頭とする3位争いの集団が4台から6台に増えて激戦区に。8周目には入江が内海をかわして5位に浮上しますが、そこに藤貫と田口が追いついてきます。その後は藤貫が痛恨のガス欠(完走扱い)となった以外の順位変動はなく、井尻が第2戦からの3連勝を達成して、2年連続の東日本NCシリーズチャンピオンを獲得。相澤が自己ベストリザルト更新の2位で佐久間とともに表彰台に上がりました。
以下、最後まで佐久間の背後を脅かした村松、入江と内海までが入賞となりました。
NDクラブマンの第4戦決勝でもグッドファイトが演じられました。グリッドではクラストップだった岩田が出遅れてしまい、1周目から山口と細井が集団から抜け出すような展開になります。さらに岩田がクラス3位で、関が同じく4位で追走し、その後方に倉持と緒方、クラス7番手のグリッドだった57号車の鈴木良雄が5位を争う集団を3台で形成します。互いに初優勝を賭けた山口と細井のトップ争いは中盤からずっと1秒以内で見応え十分でしたが、オープニングラップで先を行くことに成功した山口が粘り切ってのトップチェッカーでした。
3位以下も順位は変わらず、岩田が2戦連続の表彰台を獲得。以下、関と倉持、緒方までが入賞という、第3戦と同じ6名がすべて順位を変えての入賞となりました。
井尻は「今日はなんとかなりましたが、確実に差は縮まっていると痛感しています。でも一緒に走る皆さんがいて、楽しいクルマで楽しくレースさせてもらっていることに感謝します」とコメントしました。また参戦2年目の山口は「細井さんの方が速かったと思いますが、前に出られたので恐縮しながらの長〜い15周でした。お世話になっているユニバーサルツインの稲垣さんに、少し恩返しができました」と嬉しそうです。

2020年の東日本シリーズの大トリは、NDシリーズの第4戦決勝レースです。2番グリッドの出来は出走しませんでした。シグナルが消灯したのは21分遅れの16時1分。ここで見事なスタートダッシュを決めたのは、荒牧と吉田の2台でした。ポールポジションの石谷はオープニングラップで3位にドロップしてしまいます。3番グリッドだった荒牧が先行しますが、勢いがあったのは5番グリッドから再びジャンプアップした吉田の方。奥の第2ヘアピンでは一瞬ノーズがイン側に入りかけますが、ここは荒牧も扉を完全に閉じることなく応戦し、かろうじて先頭を守ります。1周目はわずか0.231秒差で通過しますが、ここからの荒牧の走りには鬼気迫るものがありました。2周目には1.257秒、4周目には1.954秒、6周目には2.545秒と、2位の吉田に対するリードを広げていきます。
一方で、石谷は優勝を逃すと全国チャンピオンはもちろん、東日本のタイトルにも届きません。2周目の1コーナーでアウトから吉田に並びかけるなど、少し強引なレース運びが裏目に出てこの周に4位、4周目にはシフトミスも犯して6位まで後退します。ただ、7周目にはファステストとなる1分10秒137を叩き出して5位に浮上。さらに先行する3選手もバトルの末に抜き去って、最後は2位まで挽回して交流戦王者の意地を見せます。
こうして2位以下の上位陣が抜きつ抜かれつのバトルを繰り広げたことが、先頭を走る荒牧には有利に働きました。7周目から12周目は3秒台、さらに13周目からは4秒台にリードを広げて、最後は5.683秒というアドバンテージを築いて今シーズンの3勝目を達成。惜しくも全国制覇は逃しましたが、東日本NDシリーズのチャンピオンを獲得しました。
前述したように2位は石谷で、3位には最終ラップでひとつ順位を上げた野島が表彰台の一角に滑り込みます。以下、4位に吉田、5位に上田、6位の159号車・イシカワまでが入賞となりました。
荒牧は「チャンピオンというタイトルよりも、パーティレースに参戦した2年間の最後に優勝できたことが嬉しいです。多くのことを学ばせてもらいました」と感謝の言葉で締めくくりました。


2020年のロードスター・パーティレースⅢも残すところは1戦のみ。11月22日に岡山国際サーキットで、西日本シリーズの最終となる第4戦が行われます。また本日の結果、マツダカップが授与されるND全国シリーズの2020年チャンピオンの座には、北日本NDシリーズを制した48号車のニノ高橋が就くことに決定しました。

Text & Photos by B-Sports

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