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  • 2021/07/25
  • OTHER(日本)

マツダ人馬一体アカデミー号の寺川が初のIPS総合優勝

7月24〜25日、三重県の鈴鹿サーキットで2021インタープロトシリーズ第2ラウンドが、快晴のもとで開催され、土曜日の第3戦では3位入賞に終わった55号車「マツダ人馬一体ドライビングアカデミー」の寺川和紘は、25日の第4戦ではトップチェッカー。自身初のIPSジェントルマンレース総合優勝を飾りました。

前戦富士ラウンドでは、余裕をもってトップを走っていながら、最終ラップの第1コーナーで痛恨のスピン。掴みかけていた優勝を逃していただけに、今回にかける寺川の意気込みは並々ならぬものがあったようです。それでも金曜日に行われたプラクティスでは、「これまでのデータをもとにチームには事前にセットアップを絞り込んでもらっていましたが、その持ち込み仕様がとてもオーバーステアで困りました。大幅にセッティングを変えてもらい、土曜日の予選と決勝に臨みましたが、今度はドアンダーでクルマが曲がってくれません。特にデグナーふたつめや、ヘアピンでは曲がってくれないクルマに閉口しました。レースは4時過ぎスタートで、後半にはタイヤの摩耗が進んでハンドリング特性が良い方向になるかも、という淡い期待は完全に裏切られ、アンダーは解消されないどころかより曲がらない状態でした。なので、トップ2台について行こうとしましたが、徐々に離されてしまいました」と語っています。

あけて日曜日の第4戦決勝レースは、午前10時35分スタートです。午前中にもかかわらず照りつける太陽はギラギラで、すでに気温は30度を超えていたようです。3番グリッドからレースをスタートした寺川は、19号車今橋彩佳、37号車大蔵峰樹に続いて3位で序盤を周回。2台から離れないよう間隔を保ちながら、淡々とラップを刻んでチャンスの到来を待ちます。しかし、この2台もなかなか隙を見せず、このままフィニッシュかと思われた7周目のシケイン。2台が絡んで、スピン。この好機を見逃さなかった寺川が、一躍トップ奪取に成功します。後ろから44号車山口達雄が追ってきますが、それをも寄せ付けず寺川はトップチェッカーを受けることとなりました。寺川は、「昨日のレース後、またセッティングを少し変えていただいたのですが、走り出してみるとまだUS(アンダーステア)傾向は残っていました。それでも昨日よりは乗りやすく、上位2台に喰らいついていけば、きっとチャンスがあると信じて周回しました。途中一度ヘアピンでアウトに膨らみ過ぎて二輪脱輪してしまいましたが、ポジションを守ることもできていました。しかし、この時は縁石を跨いでグラベルを浴びていたので、それが原因かはわかりませんが、油温が上がり、むしろそればかり気にしていました。130Rコーナーは得意だし余裕があり、その先のシケインで上位2台がやり合えば、立ち上がり加速が鈍ると見て、そのあたりにチャンスがあると思って構えていました。大蔵さんが勝負に出るのが見えたので、様子を見ていると案の定2台は絡んで回ってしまいました。前回のレース内容が不甲斐ないものだったので、初のジェントルマンレース優勝は大変嬉しいです」と語っています。

マツダの開発ドライバーである寺川は、「この活動を開発業務の一環として実施しているので、改めてクルマ作りの難しさを感じました。レースウィークエンドの最初はオーバーが強く、対策すると真逆の強アンダーになるとは想像できませんでしたから。日常の開発業務でもあたりまえだと思っていたことの裏に様々なことが隠れていないか、つまり既成概念に囚われ過ぎていないか、一歩下がって考えてみるとまた見えてくるものが異なるのではないかということ。それらを今回は痛感しました」と語っています。

Text and Photos by MZRacing

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