JDC Rd.8タカタ　PN1太田智喜、ホームで有終の美を飾る

2023/10/11

JDC Rd.8タカタ　PN1太田智喜、ホームで有終の美を飾る

2023年の全日本ダートトライアル選手権最終戦となる第8戦「ダートトライアル in タカタ」が10月7日(土)〜8日(日)に、広島県安芸高田市のテクニックステージタカタで開催されました。3台のデミオ15MBが出場したPN1クラスでは、このコースをホームコースとする太田智喜が公開練習、決勝両ヒートでトップタイムをマークする完璧な走りで優勝。今シーズンの有終の美を飾りました。

全日本ダートトライアル最終戦の舞台は、全国のダートトライアルコースのなかでも屈指のハイスピード＆テクニカルコースとして知られるテクニックステージタカタが舞台となります。昨年の改修工事でストレート区間が延長されたコースは、砂利がしっかりと踏み固められた硬質路面が大きな特徴で、ハイスピードドリフトも可能な豪快な走りが魅力のひとつとなります。

今シーズンの全日本ダートトライアル選手権は、前戦の第7戦で全10クラス中4クラスのシリーズチャンピオンが確定していますが、残る6クラスはこの最終戦が決戦の場となります。エントリー台数は、全クラス合わせて今季最多となる160台。終日曇り空となり、時折小雨が降るコンディションとなった決勝日ですが、小雨は路面を濡らすまでには至らず、各ヒートごとに行われる散水も今回は行われなかったため、第1ヒートからドライコンディションでの戦いとなりました。

3台のデミオ15MBが出場したPN1クラスは、前日の公開練習でトップタイムをマークした太田智喜が、決勝第1ヒートでも好調をキープし、トップで折り返します。ところが、第2ヒートに入ると路面の砂利が掃けたことにより、前半ゼッケンのドライバーから次々と太田が第1ヒートでマークしたトップタイムを更新。勝負は振り出しに戻ります。屈指のハイスピードコースに太田と同じデミオ15MBを駆る本道治成や天野佳則が苦戦を強いられるなか、太田はそれまでのベストタイムを0.178秒更新。残念ながら第7戦の結果により、今シーズンのタイトル争いには最終戦まで加わることができませんでしたが、それでも太田のホームコースでもあるテクニックステージタカタで3年連続優勝を飾ることとなりました。

PN1クラス優勝/太田智喜コメント

「来シーズンに向けて、最終戦のタカタでは絶対勝ちたいと思っていました。第2ヒートはフロントに硬質用、リヤに浮き砂利用のタイヤを装着しましたが、路面コンディションにもマッチしていたと思います」

ホームコースでは負けられない

2016年のSA-1クラスシリーズフル参戦を経て、PN1クラスに出場するようになった2017年からは、コロナ禍の影響によりシリーズ3戦のみの開催となった2020年以外は、シリーズ5戦に限定出場というスタイルを貫いている太田智喜。「サラリーマンドライバーなもんですから、やはり予算と時間の関係でシリーズ5戦の出場が、僕のなかでは最も集中して戦いやすい」という太田ですが、その限定出場のなかで2021年はPN1クラスのシリーズチャンピオンを獲得。2022年は惜しくもシリーズ2位となりましたが、もちろん今シーズンも5戦限定出場のなかでシリーズチャンピオンを奪還する戦いに挑みました。ところが、今シーズンは第7戦で2位に入賞したものの、最終戦を待たずしてチャンピオン争いからは脱落するという結果に終わりました。

今シーズンは優勝1回、2位2回、3位1回とライバル勢と比べても遜色のない好成績を残してきた太田ですが、「開幕戦の6位が、最後まで影響してしまったシーズンでしたね」と振り返ります。開幕戦のコスモスは、2022年優勝、2021年2位という結果を残し、「けっして相性の悪いコースではない」という太田ですが、今シーズンは「結果的には、開幕までの練習不足が影響したと思います」とコメント。

「昨年、新しいクラブを立ち上げて、練習会などで後輩や若手の育成に時間を費やし、なかなか自分の時間を取ることができませんでした。やはり、しっかりと準備しなければ、全日本は甘くないということを、あらためて感じました」と、今シーズンの反省を述べます。それでも、太田が面倒をみる若手ドライバーが、この第8戦で4位に入賞するなど、成果も表れています。

「来年も今年と同じスタンスで全日本に参戦する予定ですが、オフシーズンにしっかりと準備を進め、タイトル奪還を狙います。若手も伸びてきているので、一緒に成長していきたいですね」と、来シーズンの抱負を語りました。太田チルドレンとともに、来シーズンの活躍に期待がかかります。

Text&Photo by CINQ LLC