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日本国内レース

  • 2024/07/25
  • JGC

JGC Rd.7 PN2はSHUNがランキングトップに浮上

2024年JAF全日本ジムカーナ選手権第7戦「Super Gymkhana in IOX-AROSA」が、7月21日(日)に富山県南砺市郊外のイオックスアローザスポーツランドで開催されました。PN2クラスでは、SHUNが第1ヒートのタイムで逃げ切り、今季3勝目を獲得。ポイントランキングでも、トップに躍り出ました。また、大多和健人がこのラウンドを制すると今シーズンのチャンピオンが確定するPN3クラスは、ユウが今季2勝目を挙げ大多和のタイトル確定を阻止。PE2クラスでは、今回2位に入賞した河本晃一が、ポイントランキングトップに立ちました。


6月下旬に北海道で行われた第5戦&第6戦の2連戦から約1カ月のインターバルを経て、第7戦が富山県南砺市郊外のイオックスアローザスポーツランドで開催されました。スキーリゾートの駐車場を利用したコースは、3月にモビリティリゾートもてぎを舞台に2連戦で開催された第1戦&第2戦以来となるフルパイロンコース。今シーズンは各ラウンドで設定が少なかったパイロンターンですが、今回は180度ターンや270度ターンなどのターンセクションを計6カ所に設定するほか、ゴール前には2カ所のゾーン内でターンを行うダブルフリーターンが設定されました。全日本でダブルフリーターンが設定されるのは、2018年の第4戦名阪ラウンド以来となります。このゴール前に設定されたダブルフリーターンが鬼門となり、パイロンタッチのペナルティを受ける選手が続出したほか、最短距離でのターンを狙うあまり、車体がゾーンをはみ出てしまいミスコースの判定を受ける選手も少なくありませんでした。


公開練習がおこなわれた土曜日には突然のゲリラ豪雨が襲う時間帯もありましたが、決勝が行われた日曜日は終日晴れ、ドライコンディション。最高気温36度、路面温度も50度に迫る炎天下のなかで、決勝ヒートが行われました。エントリー台数は総勢140台。そのうち、33台のマツダ車が出場しています。

1500㏄未満で後輪駆動車を対象とするPN2クラスは、ロードスターのワンメイク状態。今回も17台のロードスターが出場しています。第1ヒートは、SHUNが1分18秒143、地元の島倉正利が0.112秒差の2番手、古田公保が島倉から0.092秒差の3番手と、0.1秒を争う勝負が展開されます。シリーズランキングトップの小林規敏は、トップタイムでフィニッシュするもののパイロンタッチの判定を受け、幻のベストタイムに。第2ヒートは、島倉がダブルフリーターンを曲がり切れず、バックギヤに手がかかり大幅にタイムダウン。SHUNと古田もダブルフリーターンでミスコース判定を受け、どちらもタイムを残すことができませんでしたが、第1ヒートのタイムで逃げ切ったSHUNが第1戦&第2戦の2連戦以来となる今季3勝目を獲得。小林が7位で終わったため、シリーズランキングも3番手から一気にトップに躍り出ました。2位に入賞した島倉は、全日本初表彰台を獲得。3位の古田も今シーズン初の表彰台を獲得しました。


今季4勝を挙げている大多和健人がこのラウンドを制すれば、今シーズンのチャンピオン獲得が確定するPN3クラス。チャンピオン確定を阻止し、逆転チャンピオンの可能性があるのはユウと川北忠のふたりで、大多和を含めいずれもロードスターRFを武器にシーズンを戦っています。

第1ヒートは、ユウがダブルフリーターンを一筆書きのようにコンパクトで素早いターンを披露し、クラス唯一となる1分15秒台のタイムでトップに立ちます。一方、大多和は1分20秒台のタイムで11番手、川北は1分16秒台のタイムを刻んできますが、パイロンタッチのペナルティを受け、クラス14番手に沈みます。

第2ヒートは、ユウがダブルフリーターンでさらに短く素早いターンに挑みますが、パイロンに阻まれバックギヤに手がかかり、タイムダウン。それでも第1ヒートのタイムで逃げ切り、今季2勝目を獲得するとともに大多和のタイトル確定を阻止し、逆転チャンピオン獲得の可能性を残しました。2位には、第2ヒートでリカバリーした川北が入賞、3位にも同じく第2ヒートでタイムアップを果たした大多和が入賞し、4位の野島孝宏を含めロードスターRFが表彰台上位を独占しました。


そのほか、2輪駆動のAT車両で編成されるPE2クラスには、4台のロードスターRFが出場。そのなか、第1ヒートで2番手タイムをマークした河本晃一が、そのまま2位に入賞。河本が2位の選手に1P差でシリーズランキングトップに立つこととなりました。また,3位には第2ヒートでタイムを縮めてきた有田光徳が入賞しています。


PN2クラス優勝/SHUNコメント

「第1ヒートの前半は少しセットアップが合っていなく、少し置きに行ったような走りでしたが、タイムを残すことができて良かったと思います。第2ヒートはミスコースに終わりましたが、自分で納得ができるターンができたと思います。ここまで来たら、チャンピオン獲得を意識して、残り3戦も攻めていきたいと思います」


PN2クラス2位/島倉正利コメント

「上出来な結果です(笑)。路面温度的に第1ヒート勝負だと思っていたので、その第1ヒートでダブルフリーターンを決めることが、表彰台獲得に繋がったと思います」


PN2クラス3位/古田公保コメント

「第1ヒート勝負と思っていて、ダブルフリーターンのひとつめでクルマの動きが戻ってしまい、ふたつ目のターンが大回りになりロスしてしまいました。悔しいですね。フリーターンでしっかりクルマを回せるよう、しっかり修行してきます」


PN3クラス優勝/ユウコメント

「第1ヒートのフリーターンを完璧に決めることができず、第2ヒートでタイムアップを狙っていたのですが、ダブルフリーターンを決めることができず、ちょっと悔しいです。タイトル決定をとりあえず阻止できましたが、残り3戦も厳しい戦いが続くので、最後までしっかりと走りたいと思います」


PN3クラス2位/川北忠コメント

「第1ヒートで決めなければいけないところでミス(パイロンタッチ)してしまったのが敗因ですね。ターンだけではなく、全体的に自分のイメージで走りきれない部分があって、リズムが悪いなか、ダブルフリーターンに入ってしまいました。次に向けて、頑張ります」


PN3クラス3位/大多和健人コメント

「シリーズを考えると、最低でも表彰台という目標があったので、自分としてはまずまずの結果だと思います。あまり無理をせず、しっかりタイムを残すことを心掛けて走りました。残り3戦のどこかで優勝して、しっかりタイトルを決めたいですね」


PE2クラス2位/河本晃一コメント

「コンパクトボディのロードスターRFの最小旋回半径の少なさをうまく使いたかったんですけど、フリーターンのゾーンの設定が絶妙で、クルマの特性を使いこなすことができなかったのが悔しいですね」


PE2クラス3位/有田光徳コメント

「イオックスアローザは路面に砂が多いので、そういった点ではゼッケン1の高屋(隆一)選手はちょっと気の毒でしたね。第2ヒートはタイヤ的には厳しいんですけど、路面的には砂が掃けるのでタイムアップできると思っていました。その条件のなかで、精一杯走ることができたと思います」



初チャンピオンを目指して

第7戦を終えて、シリーズランキングトップに立ったSHUN。19歳からジムカーナを始め、21歳から全日本に出場するSHUNは、今年で全日本参戦10年目のシーズンを迎えています。

2018年の第10戦鈴鹿ラウンドで全日本初優勝を飾り、2020年からロードスターに乗り換え、今年はロードスター5年目のシーズンとなります。

2021年は第6戦みかわで2位に入賞し、シリーズランキング6位に入賞するなどの活躍を見せましたが、2022年はランキング11位、昨年はランキング9位と低迷したシーズンを送ります。ところが今シーズンは、開幕2連勝に加え、第6戦スナガワで3位に入賞、そしてこの第7戦で今季3回目の優勝を遂げ、激戦が続くPN2クラスのなかで、シリーズランキングトップの座を取り戻す活躍を見せています。

「昨年まで、コースに合わせようとほとんど毎回違うセッティングを試して走っていて、セッティングが良かった時はまずまずのタイムが出るのですが、いろいろチャレンジしてきたなかで、その時は自分で合っていたと思うセッティングも、あとで振り返ると練習で良かったはずが本番では全然違っていたということが多かったですね」とSHUN。今シーズンの快進撃については、「コースに合わせたというよりも、自分の走りに合ったセッティングを突き詰めてきたのが、良い結果に結び付いていると思います」と自己分析します。

開幕戦と第2戦の2連戦で連勝したことを、「フロックと言われたくなかった」というSHUNは、第3戦TAMADAでポイント圏外の19位に沈みますが、第4戦名阪で5位、第5戦スナガワで4位、2連戦の第6戦スナガワでは表彰台獲得の3位と、確実にポジションを上げてきました。

「2連勝したあとにTAMADAで19位という結果になってしまったのですが、この時はウエット路面に対しドライセッティングのままで勝負したので、心が折れることはありませんでした」とSHUN。いろいろなセッティングを試し続けていた過去には、敗因が見つからず悩んだ時もあったといいますが、今シーズンは「勝った試合も負けた試合も、なぜそうなったのかという自己分析ができていて、今シーズンはイチかバチかというギャンブル的な勝負は一回もやっていません」と、確実に走り切ることを心掛けている攻め方が、今シーズンの好成績に結び付いているといいます。

混戦が続くPN2クラスのなかで、この第7戦を「第6戦までの戦いを一度リセットして、第7戦から第10戦まで新しいシーズンが始まるという思いで、残り4戦を戦っていきたいと思います」と、決勝前に語っていたSHUN。自身にとって“今シーズン2回目の開幕戦”を制したSHUNは、残り2戦も「確実に最後まで走り切ること」を目標に、自身初となるチャンピオン獲得に向けて挑戦を続けていきます。


今シーズン3回目の2連戦となる全日本ジムカーナ選手権第8戦&第9戦は、8月17日〜18日にかけて宮城県柴田郡村田町のスポーツランドSUGO国際西コースで開催されます。



Text&Photo by CINQ LLC

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