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  • 2025/11/01
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JT第7戦 ウエットの筑波でドラマが続出も、筑波を得意とする佐々木光が今季初優勝

茨城県の筑波サーキットで10月26日、ロードスター・パーティレースⅢジャパンツアーシリーズの第7戦が東日本シリーズの第4戦とダブルタイトルで開催されました。36台のエントリーを集めて予選が分割されたNDシリーズを制したのは35号車の佐々木光。昨年の筑波ラウンドで終盤に2連勝した得意のコースで、ポールtoウインの圧勝劇を披露しました。


今回は「2025 TSUKUBA CHALLENGE CLUBMAN RACE」の中で開催され、パーティレース以外にもVITAやスーパーFJなど多種多様なマシンが集まり、パドックは賑わいを見せています。早朝から参加受付や公式車検が行われ、8時台には各クラスのドライバーズブリーフィングも実施されました。今回も協賛していただいているマツダから、ブランド体験推進本部の小早川隆浩さんが来場され、「あいにくのコンディションですが、最後まで無事に走り切り、また表彰式でお会いしましょう」と挨拶されました。今大会には74号車の鈴木理知也、86号車の栗原誠法、154号車の立原誠也、160号車の金谷一誠、207号車の山田茂人、235号車の高砂岳美の6名が初参戦(全員がクラブマンクラス)。恒例にしたがってブリーフィング会場で挨拶し、先輩たちから温かい拍手で歓迎されました。


コースは朝から雨が降り続き、9時の時点で気象条件は気温14.3℃/湿度MAX/路面温度15.9℃と、肌寒い中で予選が始まりました。ここからはNDシリーズクラスを中心にレポートをお届けします。9時25分には予選1組目がコースイン。計測3周目に35号車の佐々木光が1分16秒284と、いきなり16秒台に入れてトップに躍り出ます。その後、各ドライバーが16秒台にタイムを上げていきますが、届きません。計測5周目に105号車の三宅陽大が1分16秒278を記録して逆転しましたが、直後に佐々木が1分15秒936で再びトップに浮上。セッション後半になると徐々に雨量が増えていきましたが、それでもタイムは更新されていき、1分15秒672とさらに削ってきた佐々木が1組目のトップとなり、2番手に1分16秒010で三宅、3番手は1分16秒294を記録した157号車の橋本隼。4番手以下には41号車の的場雅仁、280号車の伊藤大空、117号車の石谷豪志の順で続きました。

続けて9時50分からは、予選2組目がコースインしました。1組目の終盤から雨が強くなったため、各マシンともタイムが伸び悩みます。それでも計測5周目に、168号車の森本進一が1分16秒922と16秒台をマークしました。その後は徐々に雨量が減ってきたため、終盤にかけて各ドライバーがタイムを更新していき、計測7周目には147号車の石塚崇宣が1分16秒720をマークしてトップタイムを塗り替えます。その後は計測8周目に158号車の大田優希が1分17秒144を記録し、計測9周目には156号車の山田遼が1分16秒965で自己ベストを更新。2組目の結果は石塚がトップ、2番手以下には森本、山田、大田、195号車の中島優太、18号車の平井マサキという順で続きました。

予選総合結果として、1組目で総合トップタイムをマークした佐々木がポールポジションを獲得。2番グリッドには2組目でトップだった石塚、さらに3番グリッドは1組目2番手の三宅という順に交互に割り振られます。つまり予選各組で10位以内の20名が、NDシリーズの決勝を走ることが許されるのです。ここで驚いたことに東日本シリーズのランキング上位者の中から、28号車の鷲尾拓未と71号車の登坂紀の2名が予選で各組の11位以下となり、ボーナスレースに回ることが判明。この時点で鷲尾と登坂の逆転チャンピオンの可能性はなくなりました。


予選の後は他のカテゴリーとともにNDクラブマンとNDシリーズのボーナスレースの決勝を間に挟んで、NDシリーズの決勝レースは13時58分から行われました。ジャパンツアーシリーズということでローリングスタートが採用され、周回数も18ラップ(東日本シリーズは15ラップ)となっています。直前には傘が要らないほど雨は弱まり、各ドライバーは内圧の設定に頭を悩ませました。

スタートが切られると、ポールポジションの佐々木は見事なダッシュで先頭をキープ。一方、3番手スタートの三宅が2番手の石塚と1コーナーでサイドbyサイドに。しかし、第1ヘアピンに向かってイン側を死守した石塚がポジションをキープ。今度は4番手の森本が最終コーナーで三宅に仕掛けるも順位は変わらず。この隙に5番グリッドだった橋本が接近し、第2ヘアピンで森本をかわして4番手に浮上します。実は東日本シリーズのランキング上位者で唯一、逆転王座の可能性を残していたのが森本。ただし、それには3位以内がマストでした。

戦いは続きますが、4周目から石塚/三宅/橋本の3台による2位争いが激しくなったことで、佐々木は後続とのギャップをさらに拡大。早くも独走状態になりました。三宅のハードプッシュをなんとか凌いできた石塚でしたが、7周目の第1ヘアピンからダンロップコーナーにかけて3番手にポジションダウン。レースの折り返しを迎えるころになると雨脚が強くなり始め、石塚と橋本の3番手争いがヒートアップ。橋本が11周目のバックストレートからプレッシャーを掛け、12周目の第2ヘアピンで3番手に浮上します。

ここから終盤になると雨量が増えたために、レースは少し落ち着いた展開となりました。整理すると、ポールポジションから逃げ切った佐々木がジャパンツアーシリーズでの初優勝を達成。2位には三宅、3位にはランキングトップの橋本が入ってポディウムに登壇。以下、4位には終盤にひとつ順位を上げた山田、5位には石塚、6位には森本が続いて、ここまでが入賞です。佐々木は「自分の周りが新型だらけだったので、とにかく前半勝負で自分のペースをつかみたいと思っていました。後ろがバトルしてくれてギャップができたので、レース後半はミスしないように注意しました」と振り返りました。


東日本シリーズは今大会が最終戦となり、第4戦は欠場しましたが16号車の上田純司が48ポイントでシリーズチャンピオンを獲得。シリーズ2位にはボーナスレースで2位に入った鷲尾、同じく3位は山田で、以下は4位に橋本、5位に登坂、6位に森本と続きました。また山田は東日本シリーズのルーキー・オブ・ザ・イヤーにも輝いています。

なお、NDクラブマンクラスは181号車の横田大樹が予選でクラス唯一の1分17秒台を記録。決勝もそのままポールtoウインで制しました。またNDシリーズのボーナスレースでは随所で見応えのあるバトルを展開。ただレースとしては、128号車の普勝崚が2位以下の接近戦にも助けられて、独走でトップチェッカーを受けました。


ロードスター・パーティレースⅢジャパンツアーシリーズの最終戦となる第8戦は西日本シリーズ第4戦とのダブルタイトルで、11月22日(土)に岡山国際サーキットで予定されています。また9月28日のオートポリスで予定されていた第6戦は霧の影響で開催が中止となりました。そのため、第6戦も岡山ラウンドに振り替えとなり、11月22日の同日にダブルヘッダーで開催されます。

Text by Y.Shimoyama/T.Ishida
Photos by B-Sports

MAZDA MOTORSPORTS ロードスター・パーティレースⅢ

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