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日本国内レース

  • 2025/09/09
  • OTHER(日本)

MAGIC TOYO MAZDA CX-60、XCRラリー北海道で殊勲の2位

9月6日(土)・7日(日)、北海道十勝・帯広管内で開催されたXCRスプリントカップ北海道第4戦「ラリー北海道」に出場した117号車「MAGIC TY MAZDA CX-60」(寺川和紘/石川美代子)は、2日間で合計12本約102.6kmのスペシャルステージを走破し、XC2クラス12台中2位で表彰台に上がりました。


本年のラリー北海道には、XCRシリーズ合計22台のほかメインカテゴリーの全日本ラリー選手権出場車を合わせて合計90台のラリーカーがエントリーしました。CX-60が属するXC2クラスには、車重が2tを超えるクロスカントリー車または、排気量が2.0Lを超えるSUV車両が参加。それ以下のクロスカントリー車、SUV車両はXC3クラスとなり、今回は9台が出場しています。いずれも昨年同ラリーより参加台数が増加しており、注目度の高さを示しています。中でもXC2クラスは激戦区となっており、115号車ジオランダーハイラックスがこのラリーを3連覇しており、最強のマシンです。他にハイラックスは4台がエントリーしています。また、三菱勢も2台のトライトンを始め、計5台が出走するなど勢力を拡大しています。その中で、ラージSUVのCX-60は異色であり、今季はこの1戦のみの参加ですが、昨年同ラリーではTCP MAGICチームから出場したCX-5が2位に入っており、今回もダークホース的存在となっていました。


今回新たに投入されたCX-60は、SKYACTIV-D 3.3型直列6気筒エンジンを搭載したAWD車です。標準車のキャビン内にロールケージを組み、下回り保護のためのアンダーガードを取り付けた以外は、バケットシート、6点式シートベルトなどの安全装備、ヘビーデューティなサスペンションユニット、TOYO TIRES製オープンカントリーR/Tタイヤに交換しただけの「ほほ標準仕様」となっています。変速機は8速ATでハンドブレーキはなく、電動パーキングブレーキングとなっています。車重は約2tであり、昨年のCX-5から200kgほど増量となっていますが、エンジン縦置きFRベースAWDのダイナミック性能とディーゼルターボ+電駆サポートによる低速からの加速が武器となっています。クルーは、昨年に引き続き、マツダ社員ドライバーの寺川和紘と同エンジニアの石川美代子がクルーを務めます。5日(木)に行われたレッキ(コース下見試走)前に寺川は、「事前テストが十分ではなく、何が起きるか見当がつきません。正直不安でいっぱいです」と語っていましたが、レッキ後に聞くと、「クルマはとってもパワフルだし、FRベースのクルマなのでハンドリングは快適です。DSC(電子制御スタビリティコントロール)が介入しない範囲で操ることができそうです」、とポジティブなコメントに変わっていました。


初日は、サービスパークのある帯広市北愛国広場から約100km離れた足寄地区のパウセカムイ、リクベツ、ヤムワッカの3箇所をループする合計89kmで競われました。パウセカムイは視界が開けた高速ステージであり、多くのギャラリーが待ち受けるリクベツを経て、最長23kmのヤムワッカに続きますが、ここは道幅が狭く、深いわだちが出来やすいので大柄なSUV車両であるCX-60には不向きなコースとなっています。一方サスペンションストロークが長いクロカン車向きだと言えます。そんな中、117号車CX-60はSS1パウセカムイでいきなり2番手タイムを記録すると、SS2リクベツでは豪快なジャンプを見せました。しかし、SS3ではミスがあった模様で、ステージベストの115号車ハイラックス(番場)から35秒遅れでフィニッシュしています。ところが、2ループ目のSS4とSS5でトップタイムをマークし、15号車ハイラックス(番場)に続く2番手のポジションを確かなものにしています。その後のSS6を無事通過すると、残る2本で再び連続ステージベストを記録して初日の競技区間を終了しました。寺川は、「SS3は確かに僕のミスです。コースコンディションもよくなかったですね。しかし、SS4とSS7(ともにパウセカムイ)は、実にスムーズで楽しかったです。CX-60の特性にぴったりのコースだと思います」、と語っています。


二日目は旧野球場のグラウンドを走るイケダ0.5kmとオトフケ6.12kmのセットを2回走るアイテナリーとなっています。イケダはグランド内のショートコースとは言え、ラインを間違えると泥濘に足を取られ、大きくタイムロスします。また、林道ステージのオトフケには、ツイスティなワインディングロードが続きます。この日1本目のSS9イケダで117号車CX-60は番場の115号車ハイラックスに2秒差をつけてトップフィニッシュ。続くSS10オトフケを2番手タイムで通過すると、SS11イケダも2位で終え、最終ステージのSS12オトフケに向かいました。そこで駆動系にフェイルセーフが働きペースダウンを強いられましたが無事ゴール。XC2クラス2位でサービスパークに戻って行きました。


寺川は、「二日間の走行を終えて、楽しく走れたというのが率直な感想です。もっとこのクルマを速くする方法はあると思うので、強いハイラックスと張り合えるパフォーマンスを身につけてまた戻って来たいですね」、と語ると、首位を死守し同ラリー4連覇を果たした115号車ハイラックスの番場彬は、「寺川さんが迫ってくるのを感じて僕も必死でした。コースは得手不得手があリますが、お互いに良い走りができてバトルを楽しめました」、と語っていたのが印象的でした。合計102km強のSS区間を終えて、二者の差は36秒。12ステージのうち117号車CX-60が5カ所でステージウィナーとなり、115号車も同じ5カ所でステージベストタイムを記録するなど、互角の戦いだったと言えるでしょう。



Text and Photos by MZRacing

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