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日本国内レース

  • 2022/11/16
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3度目の逆転は許さず、菊池が嬉しい初優勝を達成

11月13日、ロードスター・パーティレースⅢの北日本シリーズを締めくくる第4戦が宮城県のスポーツランドSUGOで開催されました。チャンピオンを争うNDシリーズクラスでは、34号車の菊池 仁と35号車の箕輪卓也がこれで3戦連続となる一騎打ちのバトルを展開しました。過去2戦は箕輪が終盤に逆転劇を見せましたが、今年最後の戦いは菊池が最後まで支配。念願の初優勝を菊池が果たしましたが、チャンピオンは箕輪の手に輝きました。


2022年のロードスター・パーティレースⅢも、いよいよシーズン終盤を迎えることになりました。この北日本NDシリーズは4名がチャンピオン争いのゲームに生き残っていて、その4名全員を含む10台がエントリーしました。しかし、ランキング3位で逆転の可能性を残していた32号車の横田 剛が急遽欠場。残念ながら、前日の練習でエンジンに不具合が出たとのことでした。

さて、秋も深まったSUGOではコースサイドの木々の紅葉も進み、公式予選は8時30分からの15分間。ピットでの計測では気温12℃、湿度78%、路面温度15.8℃というコンディションで、11台のアタックが始まりました。ところが、10月の第3戦で3位に入賞した91号車の沢崎祐一が最初の周回の最終コーナーでスピンアウト。リアバンパーをスポンジバリアにヒットさせて少し脱出に手間取ったあと、ピットに戻ってガレージイン。

その後、最初にタイムを出したのが、現在3連勝中の35号車・箕輪卓也。ランキングは2位だが、今日の結果次第では逆転も可能なポジションにいます。(2位以内なら無条件で確定)。その箕輪はアタック1周目の1分47秒161から、次の周に1分46秒933まで削り込んで、一度ピットに戻りました。続いて東日本チャンピオンで、北日本でもランキング4位の16号車・上田純司が最初の1分47秒637から、2周目に1分47秒016とタイムを縮めて続きます。

予選開始から5分ほど過ぎてから、ポイントリーダーの34号車・菊池 仁がアタックを開始。いきなり1分47秒035を記録し、さらに1分46秒704と、この時点では逆転してトップに立ちました。しかしながらピットで内圧を調整して、最後にもう一度アタックに出た箕輪が記録したのが1分46秒412。これでポールポジションを確定させました。結局、1分46秒台はこの2名のみ。チャンピオンを争う両雄の一騎打ちの様相が予選から漂いました。

以下、上田に続いて1分47秒451で4番手となったのが27号車の大越海斗。さらに47号車の岩崎 魁が1分47秒586、171号車の野村 充が1分48秒114で3列目のグリッドを獲得。ただし大越のマシンには走行後にオイル漏れが発覚して、残念ながら決勝はリタイア。したがって4番グリッドからは岩崎以下が順に繰り上がってきて、6番グリッドには31 号車の和光博紀が滑り込みました。またタイムを出せなかった沢崎も幸い損傷は軽微で、嘆願書を提出した結果、決勝では最後尾グリッドからの出走が認められました。


予選後のSUGOの上空からは青空が消え、雲の量が増えるが雨の気配はありません。コンディションは気温18℃、湿度66%、路面温度22.0℃に変わりました。1周のフォーメーションラップののち、12時29分に10灯のレッドシグナルがブラックアウトして戦いが始まりましたが、またしても波乱が起きました。ポールポジションの箕輪はクラッチミートに失敗。2番グリッドの菊池が先頭で1コーナーに進入していきます。まさに1カ月前の第3戦で見たシーンの再現でした。

後方でも順位の変動がありました、最後方からスタートした沢崎もシリーズクラスの6号車・SATOSHIとクラブマンクラスの12号車の矢島貴子を1コーナーまでにパッシング。3コーナーでは23号車の荒川 豊(クラブマンクラス)も沢崎の勢いを見てインを開けて先に行かせました。つまり沢崎はわずか1周で、早くも7番手に浮上したのです。

最前列の2台が入れ替わった以外、オープニングで上位陣に順位の変動はありませんでした。序盤は菊池を先頭に箕輪→上田→岩崎→野村→和光という上位6台の間隔が、すべて1秒以内というダンゴ状態。ところが4周目に入ると上田を岩崎がロックオン。SPコーナーでの攻防を制して前に出ることに成功しました。ただ、このバトルの影響でトップを争う2台と、和光の直後に追いついた沢崎までの5台というふたつのグループに分かれることになりました。

もちろん、抜かれた上田も応戦します。5周目終了時点を0.112秒差の横並びに近い状態で通過し、続く1コーナーでイン側に飛び込むと、岩崎が少しコースから膨らんで入れ替わります。さらに岩崎が上田に前を塞がれた4コーナーでは、後続の野村にその隙を突かれて順位をドロップしてしまいました。この結果、上田が集団を抜け出して単独の3位を走り、野村→岩崎→沢崎の3台がファイナルラップまで三つ巴の接近戦を演じるという展開に変わりました。

4周目以降、先頭の2台はまさに第3戦と同様に延々とドッグファイト。ただし今日のギャップは0.2秒から0.3秒台で、サイドbyサイドまでにはなりませんでした。6周目に菊池は1分47秒810という決勝のファステストラップを刻みます。本来はスリップを使えて有利なのは箕輪の方ですが、同じ周の自己ベストは1分47秒902。9ラップを走り終えても0.334秒という僅差でしたが、菊池が最後までこのレースを支配して終わりました。ただし北日本シリーズは、今季すでに2勝を挙げている21歳の箕輪が逆転でチャンピオンに輝きました。

以下は上田が3位でポディウムに登壇。4位を争う3台のバトルはその後も続き、8周目の1コーナーで岩崎が先頭に立って、そのままチェッカーを受けました。さらにファイナルラップのSPコーナーでは沢崎が野村をかわして5位に浮上。さすがに前戦で3位に入賞した実力を発揮して、最終的には5つ順位を上げることに成功しました。


シリーズクラスで初優勝した菊池は「スタートもよかったし、序盤少しタイヤを温存する作戦も上手くいきました。毎度のことながら、箕輪さんとのバトルは疲れます。でも嬉しいです」と笑顔で振り返りました。さらにチャンピオンを獲得した箕輪は「直近の筑波と岡山では自分が優勝し、チャンピオンが2位だったのが、皮肉なことにその立場になりました。でも今日の菊池さんには完敗です」と、年長のライバルの勝利を祝福しました。

なお、今回はエントリー2台というNDクラブマンクラスでしたが、戦いは最後までヒートアップ。予選ではライバルの後塵を拝した23号車の荒川 豊が、決勝では狙っていたスタートダッシュで逆転。そのまま逃げ切って今季3勝目を達成しました。


2022年のパーティレースの戦いも、いよいよファイナルが間近に迫ってきました。翌週の日曜日、11月20日に栃木県のモビリティリゾートもてぎで、ジャパンツアーシリーズの最終となる第6戦が行われます。



Text by T.Ishida, Photos by B Sports

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