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日本国内レース

  • 2022/11/02
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異次元の走りで箕輪が今季2勝目も、王座は上田に

10月30日、ロードスター・パーティレースⅢの東日本シリーズ最終となる第4戦が茨城県の筑波サーキットで行われました。NDシリーズは若武者、箕輪卓也が予選からライバルをリード。とくに決勝後半の走りは圧巻でした。一方で2位を争う3台の熱いバトルも見応えは十分。その先頭を守り抜いた上田純司がチャンピオンに輝きました。


NDシリーズの今季最終戦には22台という多くのエントリーが集まリ、19号車の坂本秀平が今回デビューを飾りました。公式予選は9時45分から15分間の予定でしたが、少し遅れてアタックが開始。10時の時点でのコンディションは、気温16.5℃/湿度53%/路面温度19.4℃でした。

ところが、なんと開始2分40秒ほどで、第3戦で優勝した27号車の田中祐也が最終コーナーでコースアウト。スポンジバリアに突っ込んで止まってしまったために赤旗中断となりました。幸い田中にダメージは見られず、マシンも自走でピットまで戻って来られる状態でしたので、6分ほどで再び予選アタックが始まりました。

中断前は91号車の沢崎祐一の1分10秒655と、71号車の登坂 紀の1分10秒829だけが10秒台でしたが、再開後は35号車の箕輪卓也が1分09秒825をアタック1周目にいきなり記録。結局、ライバル全員が1分10秒を切ることはできませんでした。

箕輪に続いたのが第3戦のポールシッター、105号車の菅原達也でベストは1分10秒202。3番グリッドは再開後もアタックを続けて、1分10秒401まで削った沢崎が獲得。ランキングトップで最終戦を迎えた16号車の上田純司はアタックのタイミングで失敗してしまい、1分10秒531で4番手に甘んじることになりました。

以下、今日が2戦目の160号車・古川恭兵が1分10秒725、キャリア12戦目の132号車・新井博史が1分10秒726という1000分の1秒差で3列目に並びました。登坂も沢崎同様に再開後にタイムを削りましたが、1分10秒784で7番手まで。逆にデビュー戦の坂本は1分10秒980で予選8位を獲得。これは大健闘でしょう。


NDシリーズの決勝は、NCシリーズ決勝中の赤旗の影響で約30分遅れて13時56分にスタート。14時の時点では気温18.6℃/湿度40%/路面温度24.9℃と、路面温度が少し下がったコンディションとなりました。予選でクラッシュした田中も嘆願書提出により、最後尾グリッドでのスタートが認められました。

ポールポジションの箕輪は無難にスタートを決めましたが、2番グリッドの菅原はホイールスピンさせてしまい加速が今ひとつ。そして絶妙のクラッチミートでダッシュしたのが、4番グリッドの上田でした。3番グリッドの沢崎の前にスルッと出たばかりか、菅原まで抜き去って、オープニングラップで2位までジャンプアップに成功。

誰よりも有利なポイントリーダーで最終戦を迎えた上田ですが、自力でのチャンピオン獲得にはこの最終戦を3位以内でフィニッシュする必要がありました。もし4位以下となった場合、箕輪か登坂が優勝すると逆転劇が成立してしまいます。予選で失敗して迎えたピンチを、まずはスタートで取り返した格好です。

先頭を行く箕輪のリードは2周目までは1秒以内でしたが、3周目に1分10秒279というこの決勝レースのファステストラップを叩き出してからは、完全に独り旅状態になりました。1周ごとに1秒前後の貯金を積み上げ、8周目以降はこのメンバーで唯一、1分10秒台半ばのラップを刻み続けたのは、もはや“異次元の走り”と言っても過言ではないでしょう。

逆に場内の注目は上田、菅原、沢崎の3名による2位争いのバトルに集まりました。序盤はまず、菅原が上田をあと一歩というところまで何度も追い詰めました。そして中盤からは沢崎の勢いが増して、ファイナルラップには菅原と同タイムの横並びでコントロールラインを通過。それでも結局、順位の変動は起きませんでした。

さらに後方の5位を争う、デビュー2戦目の古川とベテラン登坂のバトルもヒートアップ。チャンピオンの可能性を残して臨んだ登坂が序盤から何度も仕掛けた結果、12周目についに逆転。そしてデビュー戦だった坂本は先輩たちと抜きつ抜かれつを演じ、惜しくも入賞こそなりませんでしたが7位でフィニッシュしました。

箕輪は結局、12秒差を付けてのトップチェッカーで、東日本でも最多の2勝目。そして粘りの走りで2位を守った上田が、念願のチャンピオンを獲得しました。3位には第3戦に続いて菅原が入賞しましたが、予選より順位を落としてしまった悔しさは否めないところでしょう。以下、4位には沢崎、5位に登坂というベテランのふたりが続き、古川が車両規定違反で失格となったため、6位に今年から参戦の98号車・星野 丈がキャリア初入賞となりました。


箕輪は「スタートも落ち着いてこなせたし、クルマのバランスが良かったという印象です。後半でもタイムが落ちなかったのは嬉しいのですが、これを再現できるようにデータを精査したいと思います」とコメントしました。

チャンピオンを獲得した上田は「予選は失敗でしたが、気を取り直してスタートに臨んだら、上手く行きましたね。バトル中は絶対に無理しないというか、失敗しないことを優先しました。20周年を迎えた筑波でタイトルを決められて、本当に嬉しいです」と喜びを語りました。

なお、NCシリーズクラスは、決勝が赤旗中断となる波乱の展開も、セーフティカー先導による再開で無事にコンプリート。リスタート時に一気にリードを広げた86号車の井尻 薫が連勝記録を更新する17勝目を挙げて、4年連続のチャンピオンも獲得しました。

また、NDクラブマンクラスで主役を演じたのは、現役最年長のパーティレーサー。70歳1か月となる66号車の関 裕が、なんとポールtoウインで2009年7月以来、13年ぶりの優勝を果たしました。


今シーズンのロードスター・パーティレースⅢもいよいよ終盤戦を迎えて、この週末からは4週連続の開催となります。次の戦いは11月5日の土曜日に岡山国際サーキットにて、ジャパンツアーシリーズの第5戦が西日本シリーズの最終戦とのダブルタイトルで行われます。



Text by T.Ishida, Photos by B Sports

MAZDA MOTORSPORTS ロードスター・パーティレースⅢ

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