全日本ダートトライアル第6戦　JD3クラス坂田一也のチャンピオンが確定

2022/09/07

全日本ダートトライアル第6戦　JD3クラス坂田一也のチャンピオンが確定

JAF全日本ダートトライアル選手権第6戦が、9月3日（土）〜4日（日）に福井県南越町のオートパーク今庄で開催され、JD3クラスではシリーズランキング2位につけるアクセラの坂田一也が今季4勝目を獲得。シリーズポイントでライバル選手を抜き、逆転チャンピオンを獲得しました。また、JD9クラスには昨年のチャンピオン太田智喜が3戦ぶりに出場し、デミオ15MBで4位に入賞。同じくデミオ15MBの本道治成が6位入賞を果たしました。

青森県五戸町郊外のサーキットパーク切谷内で開催された第5戦から約3カ月のインターバルを挟み、9月3日（土）〜4日（日）、福井県南越町郊外のオートパーク今庄で第6戦「スーパートライアルin今庄」が開催されました。今シーズンは7月から8月にかけて、水害レベルの大雨が開催地周辺を襲い、オートパーク今庄もコース全体が水没してしまうほどの被害を受けましたが、関係者の懸命な努力により良好な路面コンディションを確保した状態で開催を迎えました。
シリーズも残すところあと2戦。JD11クラスは第5戦切谷内で早々と今シーズンのチャンピオンが確定しましたが、残る9クラスはタイトルの行方が決まらないまま。パドックにはフルグリッドとなる150台が集結し、そのうち全クラス合わせて5台のマツダ車が出場しました。

この日の最高気温は33度と、9月に入っても猛暑日が続く状況のなか、主催者は周辺地域に砂埃が舞うことを防止するために、各ヒート前に行う2回の散水に加え、各ヒートとも2クラスが走行するごとに4回、2ヒート合わせて合計10回の散水を敢行。それでも照りつける太陽は容赦なく、各クラスの後半ゼッケンは砂埃が舞うドライコンディションのなかで戦われることとなりました。
昨年のチャンピオン太田智喜が3戦ぶりに出場したJD9クラスは、オートパーク今庄をホームコースとするデミオ15MBの本道治成が第1ヒートのベストタイムをマーク。前日の公開練習でトップタイムをマークしたデミオ15MBの太田が0.978秒差の3番手と好ポジションにつけます。
第2ヒートに入り、路面コンディションが超硬質路面へと変化してくるなか、第1ヒートトップの本道は「いつもの今庄とはまったく違う路面になり、翻弄されました」と、タイムアップは果たすものの6位にポジションダウン。第1ヒート3番手の太田もポジションをひとつ下げ、4位で第6戦を終えました。また、同じくデミオ15MBを駆る天野佳則は、表彰台まであと一歩の7位でこの大会を終えています。
第5戦切谷内ラウンドで今季3勝目を挙げ、シリーズポイントでは1点差で2番手ながらも、有効ポイント上ではチャンピオン獲得に逆転王手をかけることとなったJD3クラスの坂田一也は、第2ヒートでランキングトップのライバルを抜き逆転優勝。シリーズでのクラス成立が不成立となった2020年を除き、2019年から3シーズン連続となるシリーズチャンピオンを確定させました。また、JD1クラスではMAZDA 2ベースの改造車を駆る河内渉が、4位入賞を果たしています。

JD9クラス4位/太田智喜コメント
「高速コーナーの進入で車速をキープしながらコーナーに入り、丁寧なライントレースを狙って走りましたが、ミスも誘発してしまい、思うような結果を残すことができませんでした。最終戦は、さらに運転の精度を上げられるように頑張ります」
JD3クラス優勝/坂田一也コメント
※2022年JD3クラスシリーズチャンピオン確定
「オートパーク今庄はあまり自信がないコースなのですが、今回はうまくまとめて走ることができたと思います。これでチャンピオンを決めることができましたが、最終戦のタカタも全力で楽しんで走りたいと思います」

ダートラがより身近に感じるように活動
昨年、デミオ15MBを駆り自身初となる全日本チャンピオンを獲得した太田智喜。ディフェンディングチャンピオンとなり、2年連続のタイトル獲得を狙った今シーズンは、時間や予算の都合もあり、有効戦数ぎりぎりの5戦でシーズンを戦い、連覇することを目標に参戦してきました。太田は、開幕戦のコスモスで優勝、第2戦恋の浦で3位と順調な滑り出しをみせるものの、第3戦丸和では7位となり、連覇に暗雲が立ちこめます。
「今シーズン、ライバルの皆さんが速くなったことを感じたので、僕自身もさらなる速さを求めて、新たなセッティングに挑んだのが第3戦でした。ところが、結果は表彰台にも届かない7位。このままではいけないと思い、昨年のセッティングで挑んだ開幕戦の状態に戻し、この第6戦に挑んだということです」と、これまでの経緯を説明する太田。決勝前日の公開練習ではトップタイム、決勝第1ヒートも3番手と、好ポジションをキープ。勝負所となった第2ヒートは、「自分自身のミスがタイムに響きました。まだまだ要修行ですね」と4位という結果に終わりました。
「今シーズンはこの第6戦を迎える前に連覇の可能性は消えましたが、最終戦も優勝を目指して精一杯頑張ります」と太田。今シーズンは、自身のダートトライアル参戦のほかに、地元で「ダートトライアルをもっと多くの人に知ってもらうために製作しました」という1300㏄の旧モデルのデミオでダートトライアル車を製作。地元の大学自動車部の学生やダートトライアルに興味があるドライバーなど、幅広い層に車両のレンタルを行っています。
「このデミオは1300ccでAT仕様、LSDは未装着でブレーキも足まわりもノーマルのままですが、ロールバーやシートベルト、アンダーガードといった安全装備はしっかりと装着しているので、誰もが楽しめる仕様だと思います。全日本が野球でいうと全国から代表が集まる甲子園や社会人野球だとすれば、僕が作った1300ccのデミオは、草野球感覚でダートトライアルを楽しむことができるクルマ。このクルマでもっとダートトライアルを身近に感じてもらえるとうれしいですね」と太田。この活動は、自身の全日本参戦と並行して続けていきたいと、今後の目標を語ってくれました。

JAF全日本ダートトライアル第7戦「ダートトライアル in タカタ」は、10月1日(土)〜2日(日)にかけて、広島県のテクニックステージタカタで開催されます。

Text & Photo by CINQ LLC