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  • 2022/05/12
  • OTHER(日本)

全日本ジムカーナ選手権第3戦 ユウがJG6クラス開幕3連勝

GWの最終週となる5月7日〜8日に、広島県のスポーツランドTAMADAでJAF全日本ジムカーナ選手権第3戦が開催され、JG6クラスではこれまで開幕2連勝を挙げているユウが、第2ヒートのタイムで逆転優勝。開幕からの連勝記録を3に伸ばしました。また、JG8クラスではこのコースをホームコースとする小林規敏が、両ヒートを制する圧巻の走りで第2戦に続き今季2勝目を獲得しました。


全日本選手権の開催は、2019年以来3年ぶりとなるスポーツランドTAMADA。コースや路面の改修、ギャラリーエリアの改修と拡張といったハード面だけではなく、イベント広場にはケータリングブースやイベントブースを展開。大会前にはジムカーナ競技車両が広島市内をパレードして大会をPRするなど、参加する選手や会場を訪れた観客に「モータースポーツを楽しんでほしい」というスタッフのホスピタリティに溢れた思いが、選手にも観客にも評判が高い1戦です。また、今回は大会名に「MAZDA SPRIT RACING CUP」が冠せられ、イベントブースには、今年の4月に開催されたオートモビルカウンシルに出展されたMAZDA SPIRIT RACING ROADSTERのコンセプトカーを展示。このMAZDA SPIRIT RACINGは、モータースポーツをより身近に気軽に楽しめること、またジャンルを問わず道具をあやつりスピードに挑戦する方や応援する仲間と繋がり、ともにスピードスポーツを盛り上げていくことを目指しています。決勝日には3000人近い観客が訪れ、コンセプトどおりの身近でスピードに挑戦するモータースポーツを、選手とともに盛り上げてくれました。


好天に恵まれた第3戦には、併設された箱Dクラスを合わせて121台がエントリー。そのうちマツダ車は34台出場しました。

決勝コースは、高速コーナーと低速コーナーを絶妙に組み合わせた設定で、常に横Gがかかった状態でコーナーにアプローチしなければならない難コース。パイロンも絶妙な位置に設置され、横Gに耐えきれずに姿勢を乱して脱輪やスピンしてしまう選手や、好タイムを残しつつもパイロンタッチに泣く選手が続出する1戦となりました。

ロードスターワンメイク状態となっているJG8クラスは、第1ヒートで第2戦優勝の小林規敏がベストタイムをマーク。「大きなミスもなく、タイヤと路面の感触もカッチリ感があって良かった」と、TAMADAをホームコースとする小林規敏。開幕戦3位の箕輪雄介が小林規敏に0.57秒差に迫りますが2番手、第2戦2位の小林キュウテンが、箕輪に0.07秒差の3番手につけます。路面温度が50度近くまで上がった第2ヒートは、各車とも軒並みタイムダウン。第1ヒートのタイムで逃げ切った小林規敏が、第2戦に続き今季2勝目を獲得しました。


ユウが開幕2連勝を獲得しているJG6クラスは、そのユウが第1ヒートの前半区間でハーフスピン。パイロンタッチのペナルティも加算され、クラス12番手と大きく出遅れます。第1ヒートのトップタイムは野島孝宏が奪いますが、本人は「あのタイムでは勝てない。第2ヒートもしっかりタイムアップを狙わないと、勝つことはできない」と警戒します。その野島、路面温度が上がった第2ヒートは走りの精度を上げつつも、約0.6秒タイムダウン。クラス最終走者のユウを待ちます。「他の選手の第2ヒートのタイムを見ていると、逆転はかなり厳しい状況だった」というユウですが、中間地点で野島の第1ヒートのタイムを上まわるタイムでクリア。後半区間もしっかりと攻めきり、逆転不可能といわれた第2ヒートのコンディションのなかで、しっかりと逆転優勝を決め、開幕からの連勝記録を3に伸ばしました。


JG8クラス優勝/小林規敏コメント

「今まで地元開催の時には決勝ではなかなか良い結果を残すことができていなかったのですが、今回はしっかりと走り込み、地元で負けたくないなという気合いを入れて挑んだので、良い結果が出て本当に良かったです」


JG6クラス優勝/ユウ コメント

「第1ヒートで失敗してしまって、ここまで追い込まれたのは久々です。第2ヒートは渾身のアタックがうまく決まって、なんとか逆転することができました。こういう展開ってなかなかないので、自分でもかなりシビれました」


理想を求め、チャレンジを続ける

今年で37歳になるユウは、15年前の2007年にジムカーナを始め、全日本には2012年から参戦。これまでに3回のチャンピオンを獲得してきているドライバーです。ジムカーナを始める前には子供の頃から自転車競技に出場し、2002年にクロスカントリー男子ジュニアの国内チャンピオンを獲得、また高校生の頃にはスキーの県代表として国体に出場するという経緯を持つトップアスリートです。

2020年に現在乗っているロードスターRFに乗り換えましたが、コロナ禍の影響もありこの年の全日本参戦を自粛。2021年シーズンから投入し、5戦に出場して4勝を挙げるという強さでこの年のシリーズチャンピオンを獲得しました。

「ロードスターRFは、足まわりなどセッティングの幅が広いところが魅力。いろいろと変えられる部分が多いので、自分自身にとっても勉強になります」と語るユウ。ロードスターRFに乗り換えてからは昨年4勝、今シーズンは開幕3連勝と、JG6クラスで圧倒的な強さを誇っていますが、「優勝はあくまでも結果であって、自分が思ったとおりの動きをしてくれるような理想とするクルマに仕上げることが一番の目標で、クルマとの対話を楽しむのがジムカーナの大きな魅力」と言います。ユウにとっての理想のクルマは「アンダーステアが出たりオーバーステアが出たりするとドライバーが修正しなければいけないのですが、その修正がいらないクルマ」といい、そのためのセッティングや走らせ方を追求しているということです。「アンダーステアやオーバーステアが出るということは、前後どちらかのタイヤが限界を超えて、どちらかが余っている状態。4輪をしっかり使い切れば、アンダーやオーバーは出なくなります」とユウ。子供の頃から携わってきた自転車競技やスキー競技で磨かれてきた感性が、ジムカーナにも活かされています。「自転車やスキーの競技をやってきて良かったことは、本番でドキドキしても、それが自分のパフォーマンスに影響しないこと」とも語るユウ。今回も、絶体絶命の状態だった第2ヒートを冷静に判断し、見事な逆転勝利を飾りました。正確な分析力と、強いハートがユウの大きな武器となり、今シーズンの開幕3連勝の原動力となっています。


JAF全日本ジムカーナ選手権第4戦「All Japan Gymkhana in 名阪 まほろば決戦!」は、6月4日(土)〜5日(日)に奈良県の名阪スポーツランド・Cコースを舞台に開催されます。



Text & Photo by CINQ LLC

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