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日本国内レース

  • 2025/11/27
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JT第6&8戦 1コーナーのドラマで笑ったのは山田 遼 圧巻の2連勝でチャンピオンに!

岡山国際サーキットで11月22日、ロードスター・パーティレースⅢジャパンツアーシリーズの第8戦と西日本シリーズの第4戦がダブルタイトルで行われると同時に、9月28日のオートポリスが天候不良のため順延されていたジャパンツアーの第6戦も開催されました。日本一の座を争う戦いでは156号車の山田 遼が2戦ともに、2番グリッドからオープニングラップの1コーナーで先頭を奪取しての逃げ切りに成功。これでシーズン通算5勝という圧倒的な強さでチャンピオンに輝きました。


盛りだくさんのワンデー&ダブルヘッダー開催ということで、当日は早朝から参加受付や公式車検が行われ、7時から全クラス合同でドライバーズブリーフィングが実施されました。

今回もマツダからブランド体験推進本部の井上直樹さんが来場。「多くの皆さまに参加いただき、ありがとうございます。またアンケートの回答を頂戴した方にはノベルティのステッカーも用意しましたので、ご協力をよろしくお願いします」と挨拶されました。また今回は選手としてプライベート参加している同本部の廣田賢興さんからは、担当している“スーパー耐久への道”の選考過程についての説明がありました。対象となる選手に対しては、本日の最終戦終了後、1カ月以内に連絡があり、面接を経て年内には決定するとのことでした。


そして今大会にも(写真右から順に)97号車の栗山健汰、186号車の田上蒼竜、291号車の池田拓弥、146号車の高原悠樹、195号車の市原拓真という5名が初参加。恒例により、ひとりずつ挨拶と意気込みを語ると、先輩たちからの温かい拍手で歓迎を受けました。


予選は台数が多いためにシリーズとクラブマンを分割して行いました(決勝は2戦ともに混走)。そしてジャパンツアー第8戦(西日本シリーズ第4戦)とジャパンツアーの第6戦の両方にエントリーしている場合、ベストタイムで前者のグリッドを決めるとともに、セカンドベストで後者のグリッド順をそれぞれクラス別に決定します。この日のサーキットは朝から冷え込んでいて、予選開始時の気温は7.5℃、湿度は66%、路面温度7.3℃となっていました。


シリーズクラスの公式予選は8時25分からの15分間。マシンのウォームアップとともにセカンドベストまで揃えるためでしょう……ピットで待機するシーンは見られず、全車が続々とコースインします。タイムが本格的に動き出したのは計測2周目からで、まずはジャパンツアーの第7戦・筑波ラウンドを制した35号車の佐々木 光が1分57秒071で暫定トップに立ちますが、すかさずジャパンツアーで3勝を挙げている山田が1分56秒814で逆転。これに西日本でランキング2位の180号車の吉田郷史も1分56秒916で続きます。どうやら上位陣は1分56秒台でのバトルになりました。

ここから主役の座を奪ったのは佐々木。3周目に1分56秒607、4周目に1分56秒478と確実にタイムを削って、これで2戦ともにポールポジションを確定。山田も1分56秒649がベストで1分56秒712がセカンドベストと揃えましたが、わずかに及びません。続いて3番グリッドを獲得したのは西日本のランキング3位で臨んだ288号車の山根 涼。以下、第8戦の決勝は4番手の117号車・石谷豪志、吉田、128号車の普勝崚までが入賞圏内で決勝をスタートします。

また第6戦の決勝もフロントローの2台は変わらず、3番グリッドが石谷となり、以下は56号車の小林太一、157号車の橋本 隼、16号車の上田純司の順となります。ちなみに山根と吉田は西日本シリーズに専念ということで、第6戦にはエントリーしていません。

続いて、クラブマンクラスの公式予選が8時50分からの15分間で行われました。ここで輝いたのが、すでにクラブマン卒業宣言をしていて、第6戦のみにエントリーしている41号車の的場雅仁。初めての岡山だそうですが、1分58秒610は総合でも13位となる好タイムです。一方で、第8戦のポールシッターは11号車の若井隆大で、ベストは1分58秒651。若井は逆に第8戦のみのエントリーです。クラブマンで58秒台はこのふたりだけでした。そして第8戦の2番グリッドはルーキーの市原が獲得。以下、冒頭で挨拶した95号車の廣田、216号車の高田 将、92号車の山本 慧、210号車の坂本洋一の順にスタートします。また第6戦の2番手以下は市原、124号車の松田友明、51号車の松沢俊也、前述の坂本、52号車の本田久人の順となっています。



JT第8戦&西第4戦決勝

ジャパンツアーシリーズ第8戦と西日本シリーズ第4戦の決勝レースは、11時45分にローリングスタートでバトルが始まりました。ところが、先頭で1コーナーに進入したポールシッターの佐々木のブレーキがロックしてコースアウト。グラベルで動けなくなったことで、セーフティカーが導入されます。つまり1周目の通過順位がしばらく維持されることになりました。先頭は2番グリッドだった山田。以下は山根、石谷、吉田、普勝まではグリッド順通りで、6番手には9番グリッドだった157号車の橋本隼がジャンプアップしています。

ちなみに第7戦終了時点のジャパンツアーのランキングは橋本がポイントリーダー。以下は三宅と山田が続き、4位の石谷と5位の147号車・石塚崇宣までが逆転チャンピオンの可能性を残していました。また西日本シリーズは今回欠場の88号車・本多永一が60ポイントで首位に立っていて、ランキング2位の吉田はここで優勝すると61ポイントに到達。大逆転の可能性を残しての戦いでした。

オフィシャルの迅速な対応で佐々木がコースに復帰してピットに向かうと、セーフティカーがランプを消して4周目からバトルが再開しました。その際、先頭の山田が加速したタイミングに山根がついていけず、コントロールライン通過時点で0.927秒というリードを許してしまいます。また4周目のヘアピンで吉田が石谷のアウト側から並びかけ、次のリボルバーでインからパッシング。さらに山根を追い詰めていきます。前述のように吉田が西日本でチャンピオンになるには、このレースで勝つことがマストでした。6周目のヘアピンでは2周前と同じシナリオで抜き去り、2位まで浮上します。

ただ、こうして2番手以下がバトルしてくれたことで、山田は2秒以上の十分なリードを築くことに成功。ダブルヘッダーの次の戦いを見据えて、タイヤも労りながらの走行に入りました。ちなみに山田はランキング3位で臨んでいますが、他の選手よりも参戦回数が少ない上に3勝をマークしているので、ここで優勝すると限りなくチャンピオンに近づきます。一方でジャパンツアーのランキング4位の石谷は諦めるわけにはいきません。9周目には山根を抜いて3位まで挽回し、吉田の背後に迫ります。

レース終盤はトップ4台に順位変動は起こらず、山田が今季4回目のトップチェッカーを受けました。続いて吉田と石谷までが表彰台に登壇。以下は4位に山根、5位にはオープニングで頑張った橋本、6位にはファイナルラップに仕掛けた後の混乱を潜り抜けた105号車の三宅陽大が入賞を果たしました。

ちなみにこれで2025年の西日本シリーズは終了し、今回は欠場した本多永一が7度目の王座獲得となりました。以下、ランキング2位は吉田で、3位には山根。さらに4位に前年王者の56号車・小林太一、5位に37号車の菅田政宏、6位の99号車の藤井善豪までが入賞です。

なおクラブマンクラスでは、ポールだった若井が嬉しい初優勝を達成。一方で2番目にゴールした市原が最低重量違反となり失格。代わっての2位は廣田となり、以下も3位に174号車の佐野哲也、4位に274号車の石坂俊介、5位に52号車の本田久人、6位に210号車の坂本洋一が繰り上がっての入賞となりました。



JT第6戦決勝

ジャパンツアーシリーズ第6戦の決勝レースは、14時43分にローリングスタートで戦闘開始です。コンディションは気温14.2℃、湿度は47%、路面温度24.5℃。午前の決勝と同じように、シリーズ17台とクラブマン12台のグリッドを分割して始まりました。ポールシッターの佐々木光は無難にスタートしましたが、やはりブレーキに不安を抱えていたようで1コーナーから先の加速が今ひとつ。2番グリッドの山田と3番グリッドからスタートした石谷の2台の先行を許してしまいます。さらに予選5番手だった橋本が4位に、同じく6番手だった上田が5位に浮上します。

ここからしばらく上位4台の接近戦が続きます。まずは石谷が激しくプッシュしますが、山田が隙を見せません。ここで息を吹き返してきたのが佐々木で石谷の背後に急接近。さらに序盤は少し離れた4番手だった橋本も追い付いてきて、3台による2位争いがヒートアップ。ついに9周目、佐々木と橋本が石谷を抜き去って順位が動きました。2位以下がバトルしたことで、またしても先頭の山田は楽になりました。7周目は1.077秒だったギャップが8周目には2.219秒と一気に拡大。午前に続いての2連勝でシーズンを締めくくると同時に、ジャパンツアーシリーズのチャンピオンを獲得しました。

以下、2位にはブレーキの不安から解放された佐々木が入りましたが、ポディウム最後の座に滑り込んだのは石谷。ファイナルラップのアトウッドで仕掛けて逆転に成功しました。以下は4位に橋本、5位に上田、そして6位には菅田が入賞です。ちなみに中盤からは、上田を先頭に菅田、さらに128号車の普勝崚、105号車の三宅陽大の4台がまさにダンゴ状態。連結された電車のような接近戦を演じてくれました。


一方、クラブマンクラスの上位争いも白熱しました。ポールだった41号車の的場雅仁が失速してしまい、オープニングラップで3位までポジションをダウン。午前のレースで失格になった市原がトップで、さらに松田が2番手で戻ってきました。ただしクラブマンでは数多くの優勝経験を持つ的場だけに徐々にペースをアップ。3周目には市原をパスして2位に上がると、5周目には松田も抜き去って首位にカムバック。その後はリードを広げて堂々の優勝です。以下は市原が2位、松田が3位でポディウムに登壇。さらに4位に坂本、5位に佐野、6位には石坂がいずれも2戦連続での入賞となりました。


ジャパンツアーシリーズの最終結果ですが、ランキング2位には山田のチームメイトの橋本が100ポイントで滑り込みに成功。以下は3位に石谷、4位に三宅、5位に佐々木、6位に石塚という順位となり、ここまでが入賞です。3代目のチャンピオンとなった山田は「今日は自分が何か仕掛ける前にトップに立てたので、ラッキーでした。これもポールは逃したのですが、予選で頑張った結果だと思います。またチームとして活動しているので、橋本選手がシリーズ2位を獲得できたことが嬉しいです。今後は海外のGTレースや、最終目標としてのルマン挑戦に向けて活動していこうと思います」と語ってくれました。



Text by T.Ishida
Photos by B-Sports

MAZDA MOTORSPORTS ロードスター・パーティレースⅢ

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