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日本国内レース

  • 2024/11/14
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JT第7戦、石谷豪志が今季3勝目の逃走劇で、逆転の可能性を残す!

岡山国際サーキットで11月9日、ロードスター・パーティレースⅢジャパンツアーシリーズ第7戦が西日本シリーズ最終戦とのダブルタイトルで行われました。ポールポジションから逃げ切ったのは117号車の石谷豪志で、今シーズン3勝目という韋駄天ぶりを発揮。この日も3位に入った35号車・加藤達彦の優位は揺るぎませんが、チャンピオン決定は最終戦までもつれる展開になりました。なお西日本シリーズの王者には、この日4位に入賞した56号車の小林太一が輝きました。


この週末は「MAZDA FAN FESTA 2024 IN OKAYAMA」というファン感謝イベントが開催されているため、朝早くから多くの来場者で賑わっています。エントリーはNDシリーズに30台、NDクラブマンに8台で合計38台。朝一番のブリーフィングではマツダのブランド体験推進本部ブランド体験ビジネス企画部モータースポーツ体験グループ主幹の後藤憲吾さんが登壇。「今日はファンフェスタということで、多くのお客様が来場されています。ぜひ皆さんがモータースポーツの魅力を発信してください」と挨拶されました。また今回もクラブマンクラスの100号車・藤川竜也が新しい仲間に加わりました。


本日は「晴れの国、岡山」のキャッチフレーズにふさわしい青空が広がるサーキットですが、かなりの冷え込みで、少し厚手の上着が欠かせません。8時55分から20分間の公式予選が始まりました。気温は6℃・湿度84%・路面温度12.1℃です。ジャパンツアーシリーズの上位ランカーの多くがピットで待機している中、序盤にラップモニターの上段を占めたのは西日本シリーズの実力者たち。110号車の末金孝夫の1分57秒461を筆頭に、99号車の藤井善豪、88号車の本多永一、37号車の菅田政宏が1分57秒台で続きます。

開始6分が経過したあたりから、先ほどの上位ランカーたちも続々とコースイン。そこで1分57秒111を記録したのが、今季のジャパンツアーで2勝してランキングも5位にいる117号車の石谷豪志。さらに1分56秒409というスーパーラップを叩き出してピットに戻ります。続いて57秒の壁を破ったのが、ランキング6位の186号車・勝木崇文でタイムは1分56秒897。ポイントリーダーの35号車・加藤達彦は最後までアタックを続けて、7周目に1分56秒993を記録しました。

予選4番手からは1分57秒台となり、西日本シリーズ第2戦で優勝した56号車の小林太一が1分57秒217、同じく第3戦のウイナーで西日本6度の王座を誇るマイスターの本多が1分57秒227、最後の最後に288号車の山根 涼が1分57秒246を記録して6番手に滑り込みます。さらにジャパンツアーでランキング2位の54号車・三宅陽大が7位で、西日本の開幕戦を制した82号車の有岡綾平が8位という状況を見ても、まさに上位陣は実力もタイムも紙一重。予選20位までが1分57秒台という接近戦となっています。


ジャパンツアーシリーズ第7戦の決勝はほぼオンタイム進行で、11時10分にスタートが切られました。朝は肌寒かったサーキットですが、陽が高くなるにつれて暖かくなり、直前に計測したコンディションは気温13℃・湿度60%・路面温度25.2℃となっていました。

パーティレースではジャパンツアーだけのローリング方式ですが、さすがにシーズンも後半戦となった上位の実力者たちは順当にスタートを決めます。ポールの石谷を先頭に勝木、加藤、小林の上位4台が少し5位以下を引き離してオープニングラップを戻ってきます。その5位には7番グリッドだった三宅がジャンプアップ。本多は6位にひとつポジションを落としてしまい、有岡は7位に浮上。山根は2ポジションダウンの8位で1周目を通過しました。

トップグループの4台の間隔は4周目まではそれぞれ1秒以内というダンゴ状態でした。とくに勝木は前半勝負の気配が濃厚で、一度ヘアピンで石谷のイン側に並びかけましたが、ここは石谷が予測していてクロスラインで防戦に成功。5周目に4位を走る小林がわずかに遅れだすと、6周目にはギャップがすべて1秒以上という少し離れた展開になります。さらに勝木の背後に加藤が迫ったために、トップの石谷にプレッシャーがかからなくなり、2位との差も徐々に広がる傾向になりました。

一方で5番手以降の集団では、さらに順位の変動が起こります。まずは山根が2周目に有岡を抜き返しました。また、小林より前でゴールしないと西日本シリーズのチャンピオン争いで逆転されてしまう本多も、ようやく5周目に三宅にお返し。これで小林に続く5位のポジションに戻って、徐々にですがその差を詰めていきます。ただ、本多の後方には山根がテールtoノーズ状態で張り付いているため、百戦錬磨のマイスターにとっても厳しい戦いになりました。

と、ここでクラブマンクラスの1台がリボルバーコーナーでコースアウトして動けなくなってしまい、先頭グループが10周目に入った段階でセーフティカーが導入されます。オフィシャルの皆さんの迅速な救出作業のおかげで、セーフティカーは11周目の途中でルーフのランプを消灯。つまり12周目のファイナルラップだけの超スプリント決戦が残されましたが、さすがに各クラスの上位グループでは順位変動は起こらずに、そのままの順位でチェッカーフラッグを受けることになりました。


整理すると、シリーズクラスは石谷が開幕戦と第4戦の十勝ラウンドに続くシーズン3勝目。勝木は第5戦の鈴鹿と同じく2位表彰台を獲得し、加藤が3位。以下は4位に小林が粘り切り、本多は一歩届かずの5位。さらに山根のマシンが最低重量違反で失格となったために、三宅が繰り上がっての6位入賞です。この結果、ジャパンツアーシリーズのポイントリーダーは加藤で変わりませんが、逆転の可能性が残ることになりました。具体的には石谷は優勝がマストで、その場合でも加藤が3位以内に入れば夢は叶いません。また西日本シリーズは小林が本多を逆転して、初めてのチャンピオンに決定しました。

クラブマンクラスは96号車の伊辺 剛が予選ではトップ。しかしながら決勝では51号車の松沢俊也が2周目のアトウッドで逆転し、その後の伊辺の猛追を振り切っての初優勝です。3位には216号車の高田 将が滑り込み、4位の25号車・遠藤健太郎までが規定により入賞となっています。

石谷は「たぶんジャパンツアーでは初めてポールから優勝できたので、今日は少し成長した戦いを見せられたかなと思います」と振り返りました。また4位となって西日本シリーズのチャンピオンに決定した小林は「予選で0.01秒だけ本多さんに勝てたのが、チャンピオンになれた勝因ですね。オーバードライブの武地さんはじめ、サポートしてくれた皆さんのおかげです」と感謝で締めくくりました。クラブマンで初優勝した松沢は「今日は伊辺さんのほうが速かったと思いますが、あの一瞬でパスできたのがラッキーでした。セーフティカーにも救われましたね」とコメントしました。


これで今年のパーティレースは12月8日の日曜日、大分県のオートポリスで行われるジャパンツアーシリーズの最終かつ第8戦を残すのみとなりました。マツダカップを手にする栄光のチャンピオンもここで決定します。



Text by T.Ishida, Photos by B Sports

MAZDA MOTORSPORTS ロードスター・パーティレースⅢ

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