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日本国内レース

  • 2024/10/31
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東第4戦、佐々木光が2連勝を飾るも、2位の座を守った深谷 諄がNDSチャンピオンに

10月27日、茨城県の筑波サーキットでロードスター・パーティレースⅢ東日本シリーズの最終となる第4戦が開催されました。24台のエントリーを集めたNDシリーズでは161号車の佐々木光がポールtoウインで、第3戦に続いて2連勝を達成。そして終盤の激アツな2位争いを守り抜いた105号車の深谷 諄がチャンピオンを獲得。さらにこの日をもって、3代目ロードスターによるNCシリーズのバトルに幕が降りることになりました。


この日は東日本のND/NCともにシリーズチャンピオンが決まる最終戦ですが、とくに2006年に始まったNCシリーズは今回が最後のレースで、19年の歴史に幕を閉じることになりました。ファイナルとなるNCシリーズには10台、NDクラブマンには27台、NDシリーズには24台の計61台がエントリーしました。

朝一番のブリーフィングではマツダのブランド体験推進本部・ファクトリーモータースポーツ推進部の小早川隆浩さんが、「NCは今回で最後となりましたが、すべての参戦ドライバーに心から御礼申し上げます。NDの皆さんも今日はシリーズの最終戦になるので、ぜひクリーンなレースを見せてください」とエールを送りました。また、新たにパーティレースの仲間に加わったNDクラブマンクラスの46号車・RYUZABUROも紹介され、先輩ドライバーたちから歓迎を受けました。


10月下旬になっても夏日が続いていましたが、本日の筑波サーキットは長袖の羽織りが欲しくなるような気候で、秋らしいコンディションのもとで3クラスの予選が実施されました。9時の段階での気象条件は気温19.3℃・湿度82%・路面温度24.8℃。パーティレースでは最後となったNDシリーズの公式予選は9時45分からの15分間で、序盤からアタック合戦となります。

計測2周目には第3戦で初優勝を飾った161号車の佐々木光が1分10秒940をマークします。2番手にはランキングトップの105号車の深谷 諄が1分11秒037で続いて、さらに逆転ポールを狙ってアタックを継続。ところが1分11秒285から11秒136と、惜しくも更新はなりませんでした。これに38号車の宮應政宗が1分11秒069で肉薄しています。

この日は予選の後半に入っても順位変動が起こりました。133号車の辻田佳典が長めの待機をしてからアタックを開始。いきなり1分11秒056から11秒051、さらに11秒152と3周連続で好タイムを記録して、宮應を上回る3番手に浮上します。そして最後にもう一度、見せ場を作ったのが佐々木。残りわずかとなったタイミングで1分10秒888までタイムを削って、2戦連続のポールポジションをさらに盤石なものにしました。

整理すると、ポールの佐々木とポイントリーダーの深谷が最前列で決勝をスタート。グリッド2列目は辻田と宮應の順で、予選5番手はランキング2位で最終戦を迎えた168号車の森本進一で、タイムは1分11秒133。さらに予選6位には177号車の稲垣知博が1分11秒171で続きました。佐々木こそ少し抜け出した感がありますが、上位陣のタイム差はごくわずかで、決勝でも接近したバトルに期待が持てそうです。


決勝レースは他のクラスと同様に15周で競われました。NDクラブマン決勝の激戦が繰り広げられていた12時20分過ぎには青空も見えていたのですが、NDシリーズの決勝レースが始まるころには分厚い雲がサーキットを覆います。そのため気温は23.3℃、路面温度も28.5℃まで下がりました。

24台のマシンはほぼ予定通りの13時26分にスタートします。1コーナーをトップで通過したのは、ポールの佐々木光で、2番手は深谷、3番手は辻田と、スターティンググリッドからの順位変動はありません。2周目になると、トップ3が後続を引き離しにかかります。3番手の辻田と4番手の宮應の差は徐々に開いていき、5周目には3.5秒のギャップとなります。逆に宮應の背後には森本がピタリと張り付き、さらに少し後方では5号車のイシカワを先頭とする大集団が時にサイドbyサイドになりながら追走します。

この中団グループでの争いは、黒いボディの宮應と森本と、イシカワ以下のホワイトが多数派の集団に分かれていましたが、順位変動が起こったのは前者の方。5周目の最終コーナーで森本がインを奪うと、すぐ先の6周目の1コーナーで宮應がお返し。さらに8周目の1コーナーで森本が横並びから前に出るという、激アツながらもフェアなバトルを披露してくれました。逆にイシカワはベテランの味を存分に発揮して、後続の26号車・田宮 駿をはじめとするライバルの先行を最後まで許しません。

トップ3台の差はほぼ均等だったのですが、後半に入ってペースを上げていったのが辻田。最大で1秒ほどあった差は8周目に0.3秒、9周目には0.2秒となり、深谷とテールtoノーズの接近戦となります。この2台がバトルしたために佐々木にとっては有利な展開となり、2番手以降とのギャップが広がります。最終的には後続に5秒の差を付けて、佐々木がポールtoウイン。前戦からの2連勝を果たしました。

一方で2番手争いはテールtoノーズのまま最終盤に入ります。2番手の深谷はこのポジションを守ればチャンピオンが決定するので、是が非でも現状を死守しなければいけません。中盤からペースが鈍る中でも要所を押さえ、15周目に2位でチェッカーを受けました。惜しくも届かなかった辻田が3位。佐々木と深谷は2戦連続ですが、辻田は昨年の第2戦(2位)以来のポディウム登壇です。以下、4位は森本、5位は宮應、6位はイシカワとなり、ここまでが規定により入賞となりました。

2連勝となった佐々木は、「決勝は中盤から後続を離すことができたのが嬉しいし、これで前回の優勝がマグレじゃないことが証明できたかなと(苦笑)。未経験で挑んだパーティレースだったのですが、チームのサポートもあって結果が出せました」とコメントしました。またチャンピオンとなった深谷は、「JAF戦のシリーズを追いたくて、TCコルセにマシンを用意してもらいました。結果的にはチャンピオンが獲れて出来すぎのシーズンだったと思います。チャンピオンになる条件は一応頭に入れていましたが、自分の走りをしたいと考えていました。決勝は防戦になりましたが、ミスなく2位を守り切れたことは良かったです」と振り返りました。


なお、NDクラブマンクラスはポールシッターの129号車・島崎 徹が先頭でゴールするも、スタート進行中の手順違反を取られて5秒のタイムペナルティで3位に後退。デビュー2戦目の2号車・佐藤雅士が嬉しい初優勝を飾り、2位にもベテランの41号車・的場雅仁が繰り上がりました。以下、4位に169号車の國井宏樹、 5位に28号車の能勢健一朗、6位に42号車の小林浩暢が入賞。さらに74号車の黒木寿成が74歳6カ月という同クラス出場の最高齢記録を更新しています。


また、今回がファイナルとなったNCシリーズは、86号車の井尻 薫が予選からライバルを圧倒。決勝も一人旅で通算21勝という最多勝利記録の更新で締め括りました。2位には163号車の石浜一樹が自己最高順位でポディウムに初登壇。そして3位の195号車・中島優太が最後のシリーズチャンピオンの座を射止めています。以下、4位の62号車・松浦俊一と5位の7号車・佐久間行雄までが規定により入賞。さらに最終戦のメンバーは166号車の荒川智弘、13号車の横溝正明、48号車の藤沢卓也、104号車の内海由多加、64号車の古田健二の合計10名です。佐久間はこの日、NB時代を含めて通算の最多出場回数を87戦まで更新しています。正式表彰式では各クラスの入賞者にトロフィーなどが授与されたあと、小早川さんよりマツダとMAZDA SPIRIT RACING代表からの感謝状がNCシリーズ出場者全員に贈られました。さらに筑波サーキットのホームストレートに10台のNCマシンが並べられ、ファイナルを戦った10名のパーティレーサーたちとの記念撮影に臨みました。


今年のパーティレースも残すのは2ラウンドのみとなりました。まずは11月9日の土曜日に、ジャパンツアーシリーズの第7戦が西日本シリーズの第4戦とダブルタイトルで、岡山国際サーキットにて開催されます。さらに12月8日の日曜日に大分県のオートポリスで、ジャパンツアーシリーズの今季最終となる第8戦が予定されています。



Text by H.Manabe/T.Ishida, Photos by B Sports

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