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日本国内レース

  • 2024/03/21
  • JGC

JGC Rd.1 PN2はSHUN、PN3は大多和健人が逆転優勝

2024年の全日本ジムカーナ選手権開幕戦となる「もてぎスーパースラローム2024」が3月16日(土)に栃木県のモビリティリゾートもてぎ南コースで開催されました。事実上のロードスターワンメイクとなっているPN2クラスは、第2ヒートの逆転劇でSHUNが今季初優勝を獲得。昨年のPN2クラスチャンピオンの川北忠が参入してきたPN3クラスは、第1ヒートをミスコースで終えた大多和健人が、こちらも第2ヒートで逆転優勝を飾りました。

今年は全10戦で戦われる全日本ジムカーナ選手権は、今回の第1戦&第2戦、6月に北海道のオートスポーツランドスナガワジムカーナコースで開催される第5戦&第6戦、8月に宮後県のスポーツランドSUGO国際西コースで開催される第8戦&第9戦の計6戦が、土曜日と日曜日の両日に決勝が行われるダブルヘッダーとして開催されます。

第1戦の舞台となるモビリティリゾートもてぎ南コースは、広大なサーキットの駐車場を利用したフルパイロンコースで、1〜2速主体のテクニカルなパイロンセクションと、3速全開の外周区間で構成されるハイスピード&テクニカルコースです。コース全体は複雑な傾斜があるため、パイロンが設置される位置によっては緩やかな逆バンク状のコーナーになる区間もあり、攻略が難しいコースのひとつに挙げられています。第1戦は、90度〜270度のタイトなパイロンターンを各所に盛り込みながらも、常に左右どちらかにGがかかった状態でアクセルを踏んでいかなければならないハイスピード区間を組み合わせた、難易度の高いコース設定となりました。エントリー台数は全クラス合わせて134台。そのうちマツダ車は30台が出場しています。

昨年のチャンピオンを獲得した川北忠がPN3クラスへ移り、本命不在となったPN2クラスは、出場した14台すべてがロードスターで、事実上のワンメイククラスとなっています。第1ヒートは、今シーズンは装着するタイヤのメーカーを変えてシーズンに挑む箕輪雄介がクラス唯一の1分20秒台をマークし、中田匠、若林隼人、SHUNの3台が1分21秒台で箕輪を追いかけます。

第2ヒートは、第1ヒートトップの箕輪がタイムダウンに終わるなか、第1ヒート4番手のSHUNがベストタイム0.311秒更新する1分20秒530のタイムをマークし、トップに浮上。その後1分20秒台に突入するドライバーは現れず、第2ヒートの逆転劇でSHUNが2018年の第10戦鈴鹿ラウンド以来となる全日本優勝を飾りました。2位に箕輪、3位には中田がそれぞれ入賞しています。


PN3クラスは、このクラスで3年連続チャンピオンを獲得しているユウが、第1ヒートでクラス唯一となる1分19秒台のタイムをマークし、トップに立ちます。第2ヒートに入ると、第1ヒートはミスコースでタイムを残すことができなかった大多和健人が、ベストタイムを0.049秒更新。クラス最終ゼッケンのユウも再逆転を狙い果敢にコースを攻めますが、ゴール前のパイロンセクションでパイロンをかわしきれずにミスコースの判定。第2ヒートの逆転劇で、大多和が開幕戦を制しました。2位にユウ、3位にはPN1クラスチャンピオンの川北忠が入賞し、PN3クラスの表彰台はロードスターRFが独占しました。


その他、昨年にダブルヘッダーとして開催された第4戦&第5戦スナガワラウンド以来のクラス成立となったPE2クラスは、AT仕様のロードスターRFを駆る河本晃一が3位に入賞。BC2クラスでは、RX-7の藤井雅裕が第1ヒートから順位をひとつ上げ、3位に入賞しました。


PN2クラス優勝/SHUNコメント

「午後の路面温度が上がってくれたので、コンディションに助けられたなという感じです。タイヤのグリップ感が良く、自分が行きたい方向にクルマが動いてくれました。勝てるとは思っていなかったので、(優勝した)実感はあまりありません。最近は練習する時間をうまく作れなかったのですが、短時間で集中して走る練習方法が、良かったのかもしれません。今回も、平常心で走ることができました」


PN2クラス2位/箕輪雄介コメント

「第1ヒートはトップタイムでしたが、自分自身では失敗しているところもありました。それを第2ヒートで修正しようと思ったのですが、結果的に第2ヒートも違うセクションで失敗してしまって、自分自身の走りに納得がいっていないですね。タイヤの良いところを引き出せるよう、第2戦も頑張ります」


PN2クラス3位/中田匠コメント

「両ヒートとも予想より路面温度が上がっていたので、それに対応していく部分で難しさがありました。前日の練習走行とはコンディションが変わっていて、その部分を合わせ切れなかったのが、優勝できなかった理由だと思います。今日の反省を明日(第2戦)に活かしたいと思います」


PN3クラス優勝/大多和健人コメント

「第1ヒートのミスコースは、シーズン開幕の1本目だったので緊張していたんですかね(笑)!? 第2ヒートは、第1ヒートでミスコースしてしまったので走り切れなかった部分もあり、僕自身もミスした部分はあったのですが、うまく走り切れたと思います」


PN3クラス2位/ユウコメント

「第2ヒートでパイロンをかわしきれずミスコースの判定となったのは、自分が下手だったということです。明日(第2戦)は自分の走りができるよう、頑張ります」


PN3クラス3位/川北忠コメント

「順位というよりは、走りの内容的に不完全燃焼に終わりました。細かい部分で攻め切れないところがあって、自分が想定していたところ以外でのことに対処し切れていなかったですね」


PE2クラス3位/河本晃一コメント

「第2ヒートは、ちょっと悔やまれる部分もありました。逆転を狙っていったんですけど、一瞬緊張の糸が切れてしまった部分もあって、そこからリズムを崩してしまったという感じです。特に前半区間でタイムを稼げなかったのが、順位にも響いたと思います」


BC2クラス3位/藤井雅裕コメント

「僕が使っているタイヤは、今までもてぎのコースとあまり相性が良くなかったんですけど、今回は第2ヒートでしっかりタイムアップすることができて良かったです。天候が良かったこと、サスペンションを2024年バージョンに一新してきたことなどがうまく噛み合ったと思います」


挑み続けるチャンピオン

2021年にロードスターRFで当時のJG6クラス(現在のPN3クラス)に参戦以来、昨年まで3年連続チャンピオンを獲得してきているユウ。その内訳も、コロナ禍で行われた21年は4戦に限定出場して全戦全勝、全8戦で行われた22年は8戦全勝、昨年は8戦に出場して5勝と、このクラスでは“負ければニュース”と言われるほど、圧倒的な強さを誇っています。

この結果についてユウは、「もちろん、1戦1戦勝つことに集中して走っていて、その結果がチャンピオンに結び付いているとは思うんですが、この勝つという意味はライバルに勝つというのとはちょっと違って、クルマをセットアップしていって、それの結果発表の場が大会であって、実際に自分の中では良い出来だと思っているけど、世の中的にはどうなんだ!? みたいなことを確かめることが結果的に勝ったり負けたりみたいなことだと思っています」と、分析しています。そのなかでユウはロードスターで4シーズン目に挑みますが、それも「まだ自分のなかで納得がいっていない部分がある」という理由から。これまで、ロードスターRFで圧倒的な結果を残してきているユウですが、それでもまだ「やりきっていない」と感じているとのことでした。

「PN車両の場合、改造範囲が狭いこともあってサスペンションを中心にセットアップを重ねていくのですが、このセッティングにも難しさがあって、例えば少しずつ蓄積するというかアップデートしていくこともあるし、逆に一度全部リセットして、イチからまた積み重ねていくこともあります。僕の経験上、例えばあともう少しこういう場面でこういう動きをしてくれたらいいのにと思った時に、これまで積み重ねてきてきたものをさらにブラッシュアップしていっても、なかなか正解が見つからないことが多い。そういう時は一度リセットしてまた最初からやり直すということになるんですけど、今まさにそういった状況で結構大変です(笑)。逆に、ロードスターRFだから、そういったことができる。ロードスターRFで3回チャンピオンを獲得してはいますが、そういう意味ではまだまだやりがいのあるクルマだと思います」とユウ。チャンピオンドライバーの飽くなき挑戦はまだまだ続きます。



Text&Photo by CINQ LLC

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