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  • 2020/09/09
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参戦2年目の荒牧がPRⅢ東日本NDシリーズの開幕を制す!

9月5日、茨城県の筑波サーキットでロードスター・パーティレースⅢの東日本シリーズが開幕。NDクラブマンは74号車の井上雅貴、NCシリーズは5号車の入江直、NDシリーズは63号車の荒牧和敬がそれぞれ優勝しました。井上と荒牧は嬉しい初優勝です。

5月5日の「筑フェス(筑波フェスティバル)」で開幕予定だった東日本シリーズですが、ジャスト4カ月のディレイで今シーズンの戦いが始まりました。恒例の「第31回メディア対抗ロードスター4時間耐久レース」のサポートイベントとしての開催です。

エントリーは第1レースのNDクラブマン18台、第2レースのNCシリーズ16台、第3レースのNDシリーズ15台の合計49台。今年も多くの新しい仲間を迎えての開幕になりました。朝の天候は曇り時々晴れ。時おり吹く風が爽やかに感じられる、まずまずのコンディションです。

第1レースの公式予選は8時30分からの15分間、NDクラブマンの17台(欠場1台)によって争われました。ポールポジションは井上がアタック2周目の1分11秒792で獲得します。先日の北日本シリーズで開幕2連勝を果たした95号車の須藤利明が終了間際に1分11秒889で肉薄しますが、一歩及びません。このふたりだけが12秒を切りました。

これに66号車の関裕と197号車の根本智文というベテランコンビが続き、3列目からは初参戦の57号車・鈴木良雄と、198号車・山口聡が決勝をスタートします。予選11位までは1分12秒台のタイムなので、決勝でも混戦は必至な状況です。

8時50分からのNCシリーズの予選は、順位が目まぐるしく変わる激しい戦いとなりました。結局、1分10秒262でポールポジションを獲得したのは195号車の中島優太。先日の合同テストでも2番手タイムを記録した期待のルーキーです。同じく初参戦の69号車・相澤康介と、196号車の田口諭史が続きます。

一方、予選4位から6位までは15号車・亀山晃代、5号車・入江直、7号車・佐久間行雄という優勝経験者たちが並んでいます。果たして、決勝での挽回はなるでしょうか?

最後の予選はNDシリーズの15台(欠場2台)で、9時20分からの15分間です。最初にコースインした荒牧が先頭で戻ってきて、記録したのが1分10秒294。結局、このタイムを誰も上回れませんでした。2番手は昨年シリーズ2位の78号車・出来利弘で、タイムは1分10秒503。

昨年ポールを3回獲得した121号車の河村恭平は最初のアタックに失敗。気を取り直して8周目に猛チャージをかけますが1分11秒002で3番手まで。以下、デビュー戦の1号車・石谷豪志、16号車・上田純司、159号車・イシカワと続きます。イシカワのタイムが1分11秒029ですから、3位から6位までは本当に僅差です。

第1レースのNDクラブマン決勝は11時34分にスタート。 ポールの井上は先頭で1コーナーをクリアしますが、2番グリッドの須藤は出遅れてしまい、後続の関と根本に先行を許してしまいます。3周目までは関と根本の2位争いが一時激しくなりますが、そこから関が抜け出すと、今度は根本を先頭に須藤、そして8番グリッドからジャンプアップしてきた29号車の岩田洋二の3台による3位争いに焦点が移ります。

そうこうしているうちに、岩田の後方には6番グリッドからスタートした山口が追いついてきて、根本と須藤の3位争いと、岩田と山口の5位争いというふたつのグループに分かれての戦いに変化。結局、山口が7周目、須藤が9周目にひとつポジションを上げ、山口はファイナルラップに根本も抜き去ります。

井上は2位の関に対して8周目に2秒、11周目には4秒と徐々にリードを広げて、堂々の初優勝。2位には関、3位には須藤が順位をひとつ戻して表彰台に立ちました。以下は山口、根本、岩田の順で規定により入賞となりました。

参戦2戦目で初優勝の井上は「スタートは前を向いて走ることだけに集中しました。本当に嬉しいです」と笑顔で振り返りました。

12時11分にスタートした第2レースのNCシリーズは、オープニングラップに異変発生です。ポールの中島は先頭を守りますが、予選2位と3位の相澤と田口はクラッチミートに失敗。4番グリッドの亀山がアウト側から、5番グリッドの入江がイン側から抜きにかかります。

田口はここで順位を落とし、1コーナーではかろうじて2番手にとどまった相澤も第1ヘアピンでコントロールを失い、結局は中島→入江→相澤→亀山→佐久間→田口の順番でオープニングラップを終えます

さらに運も味方した2017年の全国NCチャンピオン、入江は2周目の最終コーナーで中島がわずかに失速したのを見逃しませんでした。3周目の第1コーナーでイン側から並びかけて、ここで先頭に立ちます。抜かれた中島もあきらめず、さらに相澤も直後を追走。トップ3台のバトルはファイナルラップまで続きました。

戦い終えた表彰台には中島と相澤を従えて、おなじみ入江ファミリーが一番高いところを独占。以下、最後までバトルした亀山と佐久間、田口までが入賞となります。

入江は「今日は田口さんと中島さんが自分にスペースを残してくれたので勝てました。あと、NCに新しい仲間が増えたことが嬉しいです」と、ライバルへの感謝を真っ先に語りました。

最終の第3レースは13時20分にスタート。2番グリッドの出来が出足鋭く、ポールの荒牧に第1コーナーで並びかけますが、逆転には至りません。逆にコース奥の第2ヘアピンで、河村が出来のインを差すと、そこに石谷も続いて前に出ます。さらに1周目はイシカワが上田を抜いて5位で戻ってきます。

先頭を追いかけたい河村でしたが、2周目以降は石谷の激しいプレッシャーと戦うことになりました。4周目と7周目はなんと同タイムでの通過で、次第に荒牧の姿は遠くなります。4位にドロップしてしまった出来も懸命にこの2台を追いかけますが、差は詰まりません。その後方では上田がイシカワを次第に追い詰め、12周目の1コーナーで珍しいアウト側からのパッシングを成功させます。

2位の河村に対して、5周目で3秒、8周目で5秒までリードを広げた荒牧が念願の初優勝。3位の石谷までが表彰台に上がり、4位以下は出来、上田、イシカワの順で入賞を果たしました。

参戦2年目の荒牧は「15周はとても長かったですが、なんとかミスなく走りきれました。まだまだ経験もノウハウも足りないので、学んでいきたいです」と謙虚に語りました。

ロードスター・パーティレースⅢの次の戦いもここ筑波で、9月20日の日曜日に東日本シリーズの第2戦が行われます。

Text & Photos by B-sports

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