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  • 2019/10/01
  • RPR

PRⅢ西日本第3戦で4冠王者、本多永一の連勝がストップ。ND優勝は杉野治彦!

9月29日、ロードスター・パーティレースⅢの西日本シリーズ第3戦が岡山国際サーキットで行われました。NDシリーズは61号車の杉野治彦、NDクラブマンは70号車の構井将文が、それぞれ予選クラス2位からの逆転優勝。ふたりとも西日本シリーズでは嬉しい初優勝です。

この日は全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦のサポートレースとしての開催で、朝早くから多くの観客がスタンドを埋めています。エントリーはNDシリーズに16台、NDクラブマンに7台の計23台。全車が8時ちょうどから15分間の公式予選に臨みました。天候は曇り、気温も路面温度も約20℃ですが、湿度は90%を超えるというコンディションです。今回は58号車の黒田行治がNDクラブマンで初参加。観光地としても知られる岡山県倉敷市在住の黒田はサーキット走行の経験はあるものの、JAF公認レースは今回が初めて。岡山市にあるガレージ山根のレンタルシステムを利用してのデビュー戦になります。

先頭でコースインした杉野が1分58秒209を出したところで、155号車の寺川和紘が1分57秒669と57秒台でリーダーボードのトップに躍り出ます。杉野はアタック2周目に1分57秒714まで刻みますが、わずかに及びません。2戦連続4位入賞中で前戦は予選トップだった46号車・長田茂久は徐々にペースアップ。実質1周目の1分58秒569から58秒321→58秒312→57秒858と毎周タイムを刻み、ここでアタック終了。昨年の4冠王者で今年も2連勝中の88号車・本多永一も最後までアタックを続けますが、1分57秒899を記録したところでチェッカーが振られました。これで2列目までのグリッドが決まりました。
6日前の富士の交流戦は腰の痛みで回避したマツダ最速の常務執行役員、30号車の前田育男は、元気な姿を見せました。ベストタイムの1分58秒130は走路外走行で抹消されますが、それでも1分58秒249で予選5番手につけます。予選6番手は26号車の末永晃正でタイムは1分58秒432と、ここまでが58秒台でした。7台で争うNDクラブマンは、1年ぶりに出場の6号車・松原敦志がトップでタイムは1分59秒265。これはシリーズの7番手となる110号車・末金孝夫の1分59秒041に続いて、総合でも8位となる好タイムです。
マツダの開発ドライバーを務めている寺川は、プライベートでも全日本ラリー優勝という輝かしいキャリアの持ち主。とはいえ、スプリントレースは前回の第2戦が初めて。予選は7位とまずまずだったものの、決勝ではコースアウトを喫して14位というほろ苦い結果でした。今回は期するものがあったのでしょう。「昨日の練習で感触がよかったユーズドのタイヤと、1周目狙いの内圧設定が当たりました。末金さんのスリップの恩恵もあって想定以上の結果となりました。でも、決勝はまだ何もイメージできていないので、頑張ります」と笑顔で振り返ります。

決勝はわずかに予定より遅れて10時13分にスタートが切られました。晴れて湿度も60%を切りますが、気温と路面は25℃を超えるコンディションでの戦いです。オールレッドのシグナルが消える前、クルマを動かしたように見えた3番グリッドの長田が少し出遅れ、4番グリッドの本多がかわしていきます。それ以外はポールの寺川、2番グリッドの杉野をはじめ、1コーナーでは上位陣の順位は変わりません。
2周目には杉野が本多の前に出ますが、さらに大きく順位が動いたのが3周目のヘアピンです。バックストレートで寺川をロックオンした杉野がスリップを外してインを取ると同時に、寺川との間にブレーキを遅らせた本多がズバッと飛び込み、2車身ほど前に出ます。遠回りした本多は先頭に立つことはできませんが、前を横切られたカタチで失速した寺川を余裕でパッシング。さらに動揺した寺川のインサイドには前田までノーズをねじ込んで勝負あり。3周目終了時点は杉野→本多→前田→寺川の順に変わります。
少し後方ではクラブマンクラスのトップ、松原がオープニングラップのアトウッドで先行していたマシンのブレーキミスを避けたことで4つ順位を落とします。さらに2周目にはモスS付近で自ら姿勢を乱して3台に抜かれましたが、この中には同じクラブマンの70号車・構井将文もいて先行を許してしまいます。中団グループ以降では時として5、6台が2列になってのサイドbyサイドの攻防になり、接触を避けるためにドライバーたちが必死の努力を必要とされる場面も見受けられました。
4周目以降、総合11位でクラブマンクラス首位の構井までの間の順位変動は1回のみ。7周目終了時点で7位だった82号車・兼原洋治と、同じく8位の89号車・竹内悠祐が最終ラップで逆転しただけでした。逃げる杉野と追う本多のギャップは終盤まで1秒以内の接近戦ですが、逆転の匂いがするまでには至りません。3位の前田も本多に1秒以内に迫ったものの及ばず、そのままひとかたまりでチェッカーを受けます。4位まで落ちた寺川は終盤タイヤが厳しくなりましたが、5位の末永、6位の末金との間は徐々に広がります。末金までが入賞です。

クラブマンクラスの2位は予選でトップだった松原、同クラス3位には192号車の湯川勲が滑り込み、規定によりここまでが入賞です。初参加の黒田は4位で惜しくも入賞のトロフィは逃してしまいましたが、次回に期待しましょう。
杉野は「パーティレースを始めて4年間、ずっと背中を追いかけていたのが同じ広島の本多さんでした。ひとつ念願がかないました」と本当に嬉しそうです。また構井は「じつは接触しないように走るのにけっこう必死で、クルマを降りるまで優勝したとは知りませんでした。ちょっとサプライズでしたね」と振り返りました。

ロードスター・パーティレースⅢの西日本シリーズ最終となる第4戦は、ここ岡山で11月23日の土曜日に開催されます。またパーティレースの次の戦いは10月13日の日曜日に、宮城県のスポーツランドSUGOで北日本シリーズの最終・第4戦が開催される予定です。

Photos by B-Sports

MAZDA MOTORSPORTS ロードスター・パーティレースⅢ

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