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  • 2016/09/21

マツダのトップガン佐藤政宏、ついにIPS優勝!

2016年9月17~18日、静岡県の富士スピードウェイで富士チャンピオンレースシリーズ(FCR)の第5戦が行われました。今回のメインレースであるインタープロトシリーズ(IPS)の第3ラウンドで、マツダの社内実験ドライバーの佐藤政宏がついに表彰台の中央にあがりました。

IPSは1台のレース専用車をアマチュアとプロのふたりのドライバーが使って、それぞれのレースを戦います。しかも1ラウンドで各ドライバーの決勝が2回ずつ行われるので、この週末の2日間に第5戦と第6戦のダブルヘッダー=合計で4レースとなります。少ない参戦機会を最大限に活用して、アマチュアのレベルアップを図るために、各チームは大忙しの週末を送るのです。

すでにお伝えしているように、マツダは人材育成プロジェクトの一環として、このIPSに今シーズンから55号車「人馬一体ドライビングアカデミー」を参戦させています。ジェントルマンクラスと呼ばれるアマチュアは社内テストドライバーの頂点に位置するトップガンの佐藤政宏さん、プロフェッショナルクラスは広島在住の檜井保孝さんというコンビは、今回も変わりありません。

公式予選はアマチュア/プロともに、17日の午前中に行われました。週末の天気予報は今ひとつだったのですが、この日は終始ドライ路面での戦いです。佐藤さんは1分49秒870 で全体の6位。さらにアマチュアは経験などでエキスパートとジェントルマンの2クラスに分かれていますが、ジェントルマンでは2番手となりました。檜井さんは1分48秒465でプロの8番手。今回プロだけに導入された新スペックのタイヤとのマッチングにやや苦しんでいる様子です。

最初の決勝レースはジェントルマンの第5戦。これのみ予選と同じ17日に行われ、ほぼオンタイムの13時38分にスタートしました。佐藤さんもポジションを守って、無難に周回を重ねていきます。ところがジェントルマンクラスの予選トップ16号車が、反則スタートでドライビングスルーのペナルティと裁定されました。その16号車は6周を終了してピットインするとそのままリタイア。佐藤さんはクラストップに躍り出ます。実はこのレースで佐藤さんがバトルした相手は、エキスパートクラスのドライバーたちでした。スタートで出遅れた3号車のFLYING RATさんには3周近くも先行し、さらに8周目にコースアウトで大きく順位を落とした8号車の内田優大さんとも5周以上の接近戦を展開。いずれも格上の相手に最後はパッシングを許しますが、簡単には抜かせなかったところに成長を感じさせました。

佐藤さんは15周のレースを総合4位、かつジェントルマンクラスのトップでフィニッシュ。参戦初年度で、見事にポディウムの頂点まで上り詰めることに成功しました。「今回、以前にこのレースに参戦していたプロの山下健太さんにも55号車に乗っていただいて、そのアドバイスでセッティングを変えたのがフィットしました。(1分)54秒、さらに52秒というラップタイムの壁もクリアできて、今日の予選では50秒を切ることができました」とコメント。規定により、翌日の決勝はこの順位でスタートできるのも有利です。

しかし、18日の日曜日は朝からあいにくの雨模様。時おり風も強まり、霧も出る厳しいコンディションです。ジェントルマン第6戦の決勝は予定より15分遅れの9時45分から、セーフティカー(SC)が5ラップにわたって先導し、6周目から戦闘を開始。ところが7周目にエキスパートクラスの8号車がコカコーラ・コーナー手前でクラッシュして、再びSCがコースイン。そのまま(12周または)25分という規定によりチェッカーが振られました。

佐藤さんは総合4番手、クラス1位のグリッドからスタート。アクシデントでエキスパートクラスの2台が脱落したため、総合2位まで浮上したところでSC先導となり、そのまま走り切って順位が確定しました。つまり前日の第5戦に続いて、ジェントルマンクラスで2連勝を飾ったのです。「今日はタナボタですよね。でも、たった1周ちょっとの間で2回ほど大きく挙動を乱してしまいました。12月の最終戦では、今回予選でかなわなかった16号車の渡邊久和さんより速く走って優勝できるように、さらに努力していきたいです」と、あくまで謙虚な佐藤さんでした。

天候は回復せず、13時10分開始予定だったプロの決勝第5戦は30分ディレイ。もちろんSC先導で、4周目から事実上のバトルが始まりました。アマチュアのレースでダメージを受けたマシンもあって、55号車の檜井さんは5番手からスタートしますが、19号車の平手晃平さんと7号車の坪井翔さんにかわされて、7位でフィニッシュ。

さらに続いて行われた第6戦でも赤旗中断などのコンディションが厳しいなか、順位を上げるチャンスに恵まれることはありませんでした。「今日はすみませんとしか言えません。でも、この週末は佐藤さんが進化して、しかも結果を残してくれたことが何よりよかったと思います」と語っています。

富士スピードウェイを舞台に年間4ラウンドで行われるIPS。次なる最終第7戦と第8戦はFCRのシリーズ日程とは異なり、12月3日から4日にかけて開催されます。

【参考リンク】
>>> マツダのトップガンがインタープロトシリーズに出場
>>> インタープロトシリーズでマツダの佐藤政宏が3位入賞
>>> インタープロトシリーズ公式サイト www.interproto.jp

Photo by T. Ishida & IPS

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