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  • 2025/04/12

Automobile Council 2025のマツダスタンドは「らしさ」満載

4月11日(金)、千葉市の幕張メッセ国際展示場9-11ホールにて、ヒストリックカーの祭典「Automobile Council 2025」が開幕しました。マツダを初めとする国内外の自動車メーカーやコンポーネントメーカー、ヒストリック/ビンテージカートレーダー、同専門ショップなどが出展。今回は、平日の特別公開日ながら多くのオールドカーファンが来場しました。第10回記念の今回は、イタリア人インダストリアルデザイナーであり日本にも馴染みの深いジョルジェット・ジウジアーロ氏がゲストとして来日し、トークショーなどに出演しています。ジウジアーロ氏は、いすず117クーペや同ピアッツァ、スズキフロンテクーペなどのほか、多くの欧州車のデザインを手がけたことで知られています。

会場のセンター付近に配置されたマツダスタンドの様子をお伝えします。今回のテーマは、「MAZDA DESIGN STORY 心を揺さぶる、モノづくりへの追求」となっており、本邦初公開のプロトタイプカー「Mazda S8P」(1964)を始め、「ときめきデザイン」の代表作のひとつである1992年発売の「ユーノス500」、2005年のコンセプトカー「マツダ先駆SENKU」、魂動デザイン哲学を表現した2017年のコンセプトカー「マツダ魁(かい)CONCEPT」、同じく「マツダVISION COUPE」の合計5台が展示されていました。「Mazda S8P」は、若きジョルジェット・ジウジアーロが手がけた初代ルーチェの試作車のひとつであり、現代人の目で見ても圧倒的存在感を放っており、「凄み」すら感じます。このプロトタイプをもとに1978年発売のルーチェセダン、1969年発売のルーチェ・ロータリークーペへとDNAが受け継がれています。このプロトタイプにはモックアップながら400cc x 2ローターの8A型ロータリーエンジンが縦置きFFレイアウトに搭載されており、ギアボックスや前輪駆動用ドライブシャフトなども装着されていました。まさに「RX87」ルーチェロータリークーペの試作車であることが明らかです。現在のマツダデザインを統括する前田育男シニアフェローは、「この個体は長らく倉庫の隅で埃被っていましたが、その歴史的価値が再評価され、このたび大幅に手を入れて完全リストアしました。今後は末長く大事に保管していこうと考えています。今日はジョルジェットさんにも完全な姿をお見せできてホッとしています」、と語っていました。

ブース中央に置かれた「マツダ先駆SENKU」は、2005年のフランクフルトショーおよび東京モーターショー用に作られたコンセプトカーです。フロントに2ローターエンジンとハイブリッドシステムを搭載したFRレイアウトで、長いホイールベースと流れるようなキャビンが特徴の次世代4ドアツアラーとして位置付けられていました。Zoom-Zoomデザインの進化系となるボディのシルバー塗色と相まって未来感抜群のアピアランスとなっています。フロントグリルのローターマークが刺激的ですよね。また、5台の展示車のうち、唯一生産車であるユーノス500は、このブースの中でやや異質な感があります。しかし、今回展示されることになった理由を尋ねると、発表された当時のこのクルマのフォルムを見たジウジアーロ氏がデザインを絶賛し、「小型クラスでは世界で最も美しいサルーン」というコメントを残したからとのこと。当時珍しかった1.8Lまたは2.0LのV6エンジンを搭載したこのクルマは、他にはない個性を発揮していたことを思い出しました。確か、CMなどのキャッチコピーは「10年変わらぬ価値」だったはずです。現行マツダ3のプロトタイプである「マツダ魁CONCEPT」、世界で最も美しい4ドアクーペと評された「マツダVISION COUPE」については、2017年発表であり、話題となったため説明の必要はないでしょう。

ブースの背面には、マツダデザインの変遷を解説したパネルが掲出されていました。初期のマツダ乗用車/商用車のデザインを一手に引き受けた小杉二郎(1915-1981)のご子息が会場に来られており、小杉氏の功績を称えた記述を読んで感激したとお話しされていました。小杉氏は、戦後のヒット作となったマツダT型三輪トラックやK360型軽トラックのデザインを担当したことで知られ、最初の乗用車R360クーペやクリフカットが特徴的なキャロルなども小杉氏のデザインとなっています。当時から「どこから見てもマツダだとわかる」デザインを心掛けたと言います。

Automobile Council 2025は、4月13日(日)まで開催されています。

マツダスタンドのダイジェスト動画はこちら(YouTube 1’11”)

Text and Photos by MZRacing

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