MZRacing マツダモータースポーツ情報サイト

ニュース

  • 2024/06/10
  • S-Tai

3年目のMAZDA SPIRIT RACING、3台とも完走

5月24日〜26日、富士スピードウェイでENEOS スーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE 第2戦 「NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース」が開催され、MAZDA SPIRIT RACINGから出場したST-Qクラスの12号車MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER(川田浩史/堤優威/阪口良平/箕輪卓也)、同55号車MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept(寺川和紘/関豊/井尻薫/前田育男/佐藤考洋)、およびST-5クラスの120号車倶楽部MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER(上田純司/織田祥平/本多永一/菊池峻斗/久米田昴/松原泰世)は、それぞれ完走を果たしました。

レースに先立って行われたトヨタ、スバル、ホンダ、日産、マツダ5社で推進している「共挑」グループの各社代表による活動報告会では、MAZDA SPIRIT RACING代表前田育男は、「2021年11月のチーム発足以来、富士24時間への挑戦は三度目となります。2022年の富士24時間はMAZDA2 Bio conceptで、2023年はデビューしたばかりのMAZDA3 Bio conceptでの出場でした。それぞれ色々なアクシデントやトラブルがあり、まともにライバルの皆さんと勝負するレベルにはありませんでしたが、3年目の今年はMAZDA3 Bio conceptも好調なので、なんとかノートラブルで完走させたいと思っています」、と語っています。また、それに先立って行われたプレゼンテーションでは、マツダ(株)カーボンニュートラル・資源循環戦略部長の木下浩志は、将来技術としながら、今後の技術戦略についての考え方を述べました。従来から継続している藻類由来バイオ燃料の研究を進めることでカーボンニュートラルを目指し、さらに、排気ガスからCO2を回収できる技術を開発し、カーボンネガティブ(カーボンニュートラルから前進し、燃料を燃やしても実質的なCO2排出量は燃焼前よりも少ない)を実現するための研究を進める、と語り、出席したジャーナリストからはどよめきが生まれました。続いて、ファクトリーモータースポーツ推進部マネージャーの上杉康範は、2024年シーズンの55号車・12号車の現状の折り込み技術を紹介。「MAZDA3 では排気系の改善で排気抵抗を下げると同時に重量配分の最適化、また昨年投入した300PS仕様エンジンの耐久性(耐熱性)向上で、ターボ、エグゾーストマニホールド、排気バルブなどに対策を講じています」、と語っています。 車両開発本部シャシー開発部主幹の奥山和宏からは、やはり「(MAZDA3は)開幕戦からロールセンターを適正化するメニューを盛り込んだことでハンドリングは飛躍的に向上しています。また、さらにカーボン再生ブッシュ(株式会社モルテンとの共同開発)や超ハイテン材を使ったロワアーム(株式会社ヨロズとの共同開発)など新技術を採用し、さらにシーズン後半に向けては再生カーボン技術を使って車体の軽量化や空力改善に挑む計画です」、と語りました。新採用のロワアームについては、現物を見せ、980MPa級超ハイテンション鋼材の採用で、従来品より23%軽量で剛性の高いロワアームに仕上がっていることを説明しました。

レースでは、55号車MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept」は、スタート以降快調なペースで周回を重ねました。予選総合33位からスタートした55号車は6時間後には24位、12時間後には20位につけるなど、上位車格のマシンに肩を並べるほどの走りを見せました。しかし、2日目の朝にオイル漏れが確認されたため、ピットインさせるとトランスミッション交換が必要と判断され、修復作業がしばらく続きました。その後コースに復帰しすると、最後はAドライバーの寺川がチェッカーを受けました。チーム代表の前田は、「クルマは格段に乗りやすく速くなりました。ここのところトラブルもなかったので、好調のままいけるかと思いましたが、まだ何かが足りなかったようです。メカニックの皆さんには、ご苦労を強いてしましましたが、この無念は来年晴らしたいと思います。ゲストドライバーの佐藤さんには安定した速さでチームに貢献していただきました。感謝しています」、と語っています。12号車「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept」は、開幕戦に続いて2戦目のニューカーながら、24時間をノートラブルで完走。堤は、「ニューカーなのに、何もトラブルもアクシデントもなく、もちろん性能低下もなく、快調に24時間を走り抜くことができました。これは快挙だと思います」、と語っていました。今回チャレンジプログラム120号ロードスターからステップアップしたドライバーの箕輪卓也もファクトリーチームの雰囲気に呑まれることなく、しっかりと役割をこなしています。

一方、ST-5クラスの120号車倶楽部MAZDA SPIRIT RACING ROADSTERは、スタートドライバーの織田が予選3位からスタートした直後にトップに躍り出て2位以下を離して交代しましたが、その後ドアキャッチが壊れて閉まらなくなるトラブルが発生。その後もエキゾーストハンガーがちぎれて修復するなど細かいトラブルが発生しましたが、最終的にはクラス9位で完走しています。チーム監督の檜井保孝は、「最初からクルマとチームはトップを走れる実力があると思っていました。朝までトップを走れていれば、クラス優勝も、と考えていましたが、まさかのトラブル発生で後退してしまいましたね。それでもパーティレーサ―出身の自分たちでもトップを走れる、それが続けば勝利も見える、といった希望をもつことができたのが最大の収穫だと思います」、と語っていました。ル―キーの久米田、松原も臆することなく上位クラス車に混じって力走し、初の24時間レース完走の感激に浸っていました。

Text and Photos by MZRacing

MAZDA MOTORSPORTS マツダモータースポーツ公式サイト

PAGE TOP

©  MZRacing. All Right Reserved.

サイトマップ