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  • 2024/09/27

フォーミュラジムカーナ決勝は長岡技術科学大学がシリーズ優勝

9月22日(日)、滋賀県奥伊吹モーターランドにてフォーミュラジムカーナ決勝ラウンドが開催され、時折強い雨が降る難しいコンディションの中、2回のトライアルヒートで上位3名が好成績を収めた長岡技術科学大学(新潟県)がシリーズ優勝の栄誉を勝ち取りました。

多くの自動車関連企業の協賛によって成立し、各地の大学公認自動車部の学生は参加費無料で出場できるフォーミュラジムカーナは、4月の鈴鹿ツインサーキット大会(三重県)、7月のエビスサーキット大会(福島県)、8月のタカタサーキット大会(広島県)に出場した各10校の学生が同一条件の車両(トヨタ自動車提供トヨタビッツGRMN)でジムカーナの腕とチームの総合力を競い合い、各大会の上位3校と特別枠の1校の合計10校によって9月の決勝奥伊吹モーターパーク大会(滋賀県)でシリーズ優勝が決まります。今回は、全車がブリヂストン提供のポテンザRE71タイヤを装着しています。タイヤメーカーやパフォーマンスパーツメーカーなどに加え、自動車メーカーとしては、トヨタ自動車、日産自動車とならびマツダも協賛企業に名を連ねています。ドライバーとメカニックは地元からの交通費・宿泊費・食費は全額が主催者負担となり、駆けつけた応援学生にもランチが提供されるなど、学生が競技に集中できる環境となっています。今年は、鈴鹿大会から3校(近畿大学、大阪大学、大同大学)、エビス大会から3校(長岡技術科学大学、中央大学、拓殖大学)、タカタ大会から4校(広島大学、横浜国立大学、鹿児島大学、兵庫県立大学)が決勝ラウンドに進出。21日の練習日はドライコンデイションで練習できたものの、決勝の2ヒートは不安定な天気に見舞われ、1ヒートはほぼウェット、2ヒートはドライという路面コンディションで行われました。その結果、各校代表で走行したそれぞれ3名のベストタイム合計が最も少なかった長岡技術科学大学がシリーズ優勝を勝ち取りました。

好成績の秘訣について、長岡技術科学大学の小田英人さん(機械工学専攻・大学院2年生)は、「チームのサポート体制が勝因だと思います。昨日の練習走行の結果をドライバーとメカニックがそれぞれ走りの映像を分析し、改善点を導いたことにより、3名が揃って良いタイムを記録できました。まさにチーム力の勝利だと思っています。僕はベアリングメーカーに就職が決まっており、個人的には今回は引退試合のようなものでした。普段は初代NAロードスターでドライビングの基本を身につけているので、それも良かったのかもしれませんね」、と満面の笑顔で語ってくれました。一方、昨年の優勝校のエースであり、個人成績でもトップタイムを記録していた中央大学(7位)の野村飛美樹さんは、「ウェットでは調子良く走れたのですが、走り方を修正して臨んだドライではどうもうまく走れず、まさかのタイムダウンでした。連覇は簡単ではないですね。僕は3年生なのですが、来年の大会は後輩にチャンスを譲り、僕は育成側にまわれたら、と考えています」、と語ってくれました。

地元鹿児島から15時間をかけて自走してきた鹿児島大学(6位)の中村聡吾さん(工学部2年目)は、「せっかく決勝大会に進出できたのに、あまり納得できる走りができませんでした。普段はこのような広場で練習する機会がなく、予選のタカタはサーキットだったので戸惑うことなく走れたというのもありましたが、いずれにしても経験と練習不足ですね。この大会は自動車関連企業の方と語れるのがとても良いです。工学部だと就職希望先は自動車メーカーというのが一般的かと思いますが、僕はアフターパーツメーカーも魅力的だと思いました。いずれにしても鹿児島に戻って訓練し、またここに戻ってきたいと思います」、と話しています。

また、チーム競技と同じレイアウトで途中一時停止区間が追加されたコースを使い、規定時間内にフィニッシュする女子学生部門では、日産自動車提供の日産オーラNISMOを使い、9名の大学代表選手が正確性を競いました。2本目でターゲットタイムに対して-0.26秒差というリザルトを残した法政大学の吉川萌衣さんが優勝しています。吉川さんは、「入部した時には運転免許も持っていませんでしたが、先輩に運転を教えてもらい、この世界に入ってきました。高校生まではスポーツはなんでもそつなくこなせる方だったので、クルマの運転なんて簡単と思っていましたが、全くうまくいかないのが悔しくてやめずに4年間がんばってきました。本当は総合成績を競う大学対抗戦に出場したかったのですが、そこでは男子学生に追いつけませんでした。それでも優勝は嬉しいです」、と語っていました。吉川さんは現在同大学の自動車部主将を務めているそうです。また、全日本ジムカーナ選手権ではロードトスターRFのAT車で出場している異色の存在でもあります。

マツダのブランド体験推進本部モータースポーツ体験グループの藤井雅裕さんは、「せっかく今シーズンご縁ができたので、来シーズンについてはこれからの検討となりますが、このプログラムには積極的に参加していきたいですね。今後もモータースポーツを頑張る学生のみなさんを応援し、将来の私たちの仲間を増やしていきたいと考えています」、と語っています。

プロのドライバーがコンマ何秒の世界で競うメジャーモータースポーツはもちろん魅力的ですが、若い力をぶつけ合うこの学生ジムカーナも見ていて楽しいと感じさせるものでした。また、自動車をはじめとするモビリティ産業に興味を持つ学生はまだまだ多いと実感しました。来シーズンは、今年以上に盛り上がることを期待したいですね。

Text & Photos by MZRacing

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