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  • 2022/12/06

仕事とモータースポーツを両立させるふたりのドライバー

「全日本スーパーフォーミュラ選手権」や「FIAインターナショナルシリーズ SUPER GT」をはじめ、各カテゴリーの全日本選手権など、その年の国内トップカテゴリーで優秀な成績を収めたチャンピオンや上位入賞者の栄誉を讃えて表彰される「JAFモータースポーツ表彰式」が、11月25日に東京都内で開催されました。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2020年はオンラインでの開催、21年は各カテゴリー各カテゴリーの各クラスチャンピオンのみの出席と縮小規模で開催されてきましたが、22年は3年ぶりに関係者全員が集っての表彰式となりました。

全日本ジムカーナ選手権の表彰式では、マツダ・ロードスターを駆りシリーズ通算6勝を獲得し、自身初となる全日本チャンピオンを獲得した小林規敏が登壇。JAFスピード競技ターマック部会の小西俊嗣部会長から、チャンピオントロフィーが授与されました。また、全日本ダートトライアル選手権の表彰式では、惜しくもMAZDA2でシリーズ2連覇を逃した2O21年JD9クラスチャンピオンの太田智喜が、シリーズ2位として表彰を受けました。

小林と太田は、ともにマツダE&Tに務める社員。マツダの関連会社であるマツダE&Tは、マツダ車の新車開発や設計のほか、実験や評価を行う一方で、福祉車両や自動車学校の教習車など特装車両の企画開発・製造を行っている会社です。
マツダE&Tで、現在はシートの設計に関わる業務を行っている小林は、「これまでジムカーナを続けてきて、少なからずともその経験をいまの業務に活かすことができていると思うし、逆に仕事への取り組みを、ジムカーナに活かすことができていると思います」といいます。
「シートを設計するうえでは、例えば乗り心地やシートポジションのほかに、シートの剛性、ホールド性、角度など、ドライバーがクルマの動きを感じ取れるシートを開発することが重要で、少なからずジムカーナの経験が活きていると感じています。もちろんそれはスポーツ性能だけではなく、疲れにくくて快適なドライビングポジション、クッション性など多岐に渡ります。その一方で、業務をひとつひとつ確実に進めていくプロセスは、競技に取り組む時にもすごく役立っています」と、「普段の業務とモータースポーツ活動はリンクする部分が多い」とのことです。
太田は、現在は主にMAZDA2やMAZDA3、ロードスターなどのパワートレイン制御設計に関わる部署に所属しています。太田も小林と同じく、競技で得た経験は、業務に活かすことができる点が多いと言います。 「速く走るためにクルマをどう動かすか。そのためには、例えばクルマを作るうえで抵抗を減らすなどいろいろな要素があると思います。ダートトライアルのD車両であれば、ブレーキランプを1個にして電力の消費を減らし、発電機の負担を減らすことで少しでも速さに繋げるといったように、単純かもしれませんが、そういったことを直感的に分かるようになったのは、モータースポーツを続けてきたからかなと思いますね。業務的なところからいえば、制御設計というのはけっこう理詰めの部分があるのですが、そういった部分は実際にモータースポーツで走る時に役立つ部分が多いと思います」と太田。
「言葉で言い表すのが難しいんですが、速く走れた時に、なぜ速く走れたのかということを理論付けて考えることで、次に繋げていくことができているんです。経験値を重ねるだけではなく、しっかりと理論付けて考えること、これは仕事から得ることができた考え方だと思います。考えて走るというメイク&トライは、普段の業務でもモータースポーツ活動でも、僕にとっては重要ですね」と言います。
開催場所によっては、木曜日から翌週の月曜日まで日数を要する全日本選手権参戦は、普段の業務に影響を与えることも考えられますが、小林も太田も「社内で自分だけではなく周囲にも影響が出ないよう、しっかりと自分の業務を管理して行っています」と口を揃えます。社内では社内報で全日本の活躍が報告されるなど、社内のモータースポーツへの理解度も高いとのことです。
「クルマ好きの社員が多いと思います」と小林。「本格的にモータースポーツに参戦する社員は少ないですが、社内に自動車部もあって年に3回ほど、サーキット走行会などを行っています」という。太田も、「最近は走行会に参加する若い社員も多く、そのなかからジムカーナやダートトライアルに興味を持つ社員が出てくると、自分としてもやりがいを感じますね」と、期待をかけています。

2023年は「もちろん連覇を狙います」と言う小林と、チャンピオン奪還を狙う太田。小林は全戦出場、太田は「長いスパンで競技を続けていくことを考えて、自分が集中できる範囲の有効戦数分だけ出場」とそれぞれスタンスは違いますが、どちらも2023年は「出場する大会は、しっかりと成績を残す」という大きな目標を掲げ、全日本選手権に挑みます。

株式会社マツダE&T

Text & Photo by CINQ LLC

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