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  • 2024/04/27
  • S-Tai

新体制のMAZDA SPIRIT RACING、発進

4月20日(土)、ENEOS スーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONEの開幕戦が宮城県のスポーツランドSUGOにて行われ、新体制となったMAZDA SPIRIT RACINGからは、ST-Qクラスに55号「MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept」(寺川和紘/関豊/井尻薫)、12号「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept」(川田浩史/阪口良平/堤優威)、ST-5クラスに120号車「倶楽部MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER」(上田純司/箕輪卓也/織田祥平/久米田昴)が出場。4時間決勝レースでは、12号車が総合10位、55号車は総合11位で共に完走しています。一方、120号車は攻めの戦略を貫いた結果、ファイナルラップの最終コーナー手前でガス欠停車となり、チェッカーフラッグを受けられず、クラス5位認定となりました。

今シーズン開幕となるこのレースでは、55号車、12号車は外観デザインを一新。グレー基調にオレンジのアクセントストストライプの新リバリーを採用しています。レースウィークにはマツダの広島本社からパワートレイン、車体などそれぞれの開発エンジニアが集結し、ドライバー、メカニックたちと一体となってシーズン開幕の準備が始まりました。

昨年に引き続き、欧州最大のバイオ燃料メーカーであるNESTE社(フィンランド)のバイオディーゼル燃料 HVO(水素化食物油)を継続して使用する55号車。通常のディーゼル燃料に比べ93%のCO₂が削減される削減されるHVOは欧州市場でも存在感を強めており、カーボンニュートラルの課題に向け、ディーゼルエンジンの大きな可能性を立証するためにST-Qクラスに参戦し続けています。300PSをキープしたままキャタリスト(排気触媒装置)のレイアウト変更で車体前部の軽量化を図られています。さらに、広島地場メーカーの株式会社モルテンとの共同開発のサスペンションブッシュにもカーボンニュートラルに貢献する素材を使用するなど、様々な角度から改善されています。また、ハンドリングの改善を目的とし、サスペンションの一部に変更が加えられています。金曜の占有走行時の55号車クラッシュを受け、急遽スペアカーで開幕戦に挑むことになりました。予選では電気系のトラブルでAドライバーの出走がかなわず、最後尾からのスタートとなったものの、レース序盤で先行する12号車を抜くとその後も順調に周回を重ねます。レースが折り返しに突入したころ発生した他車のクラッシュにより、セーフティカー(SC)が導入されます。長いSCが解除された直後、SPコーナーで大混走の中、Bドライバーの井尻がST-5の車両と接触してスピンアウト。大きなダメージはなかったものの走りに違和感を覚えた井尻はピットイン、応急処置と早めのドライバーチェンジを行い、そのままCドライバーの関が144周を走り切り、チェッカーフラッグを受けました。

今シーズンよりファクトリーレース活動をより成熟させるため、12号車は車両メンテナンス、レース運営をプロチーム「FLAT OUT WORKS」と連携。また入社後一貫して操安性開発に携わりNDロードスターなども担当している開発ドライバーの川田浩史を加え、体制を強化しています。先日の合同テストでシェイクダウンしたばかりのニューマシンで開幕戦に臨みました。スタートドライバーをつとめた川田は、高い路面温度でタイヤが影響を受け、後半戦苦戦しますが、ノートラブルでバトンをつなぐと、その後阪口、堤が安定したラップタイムで145周を完走しました。川田は、「初めてのS耐ですがリラックスして臨めました。走り始めは多様な車種、それぞれのドライバーがどんなコーナリングなのか、ブレーキングなのかが分からず、気にしながら走りましたが、途中からは慣れました。路面温度のせいかタイヤが厳しかったのですが、全体的には想定内のことでした。新チームはまだ始まったばかりですが、集まった初日からメーカー、レース運営、ドライバーのプロが集まり、それぞれの立場で腹を割って話すことでどんどん良くなっていることを実感しています。新しいリバリーのロードスターもカッコいいし、これからに期待してほしいです」と語りました。

2年目に突入した「チャレンジプログラム~倶楽部MAZDA SPIRIT RACING スーパー耐久レースへの道~」。グラスルーツレーサーのトップとして、将来のモータースポーツ文化をけん引出来る人材育成を目指し、パーティーレース各シリーズ、富士チャンピオンシリーズ、ロードスターカップなどのチャンピオンが集いチームを形成しています。昨年に引き続き、パーティレースのチャンピオンを獲得した、本多永一、上田純司、織田祥平、箕輪卓也の4選手に加え、新たに久米田昴、松原泰世の若手2名が加わるチームを率いるのは、チーム監督に就任した檜井保孝。ST-5参加車両の中でもトップクラスの速さを持つ各ドライバーと「共に挑む、共に品格を上げる、全戦完走、全戦ノーペナルティ、全戦を楽しもう」をテーマに掲げての参戦となりました。昨年の反省を踏まえ、練習メニューも改善。予選では3番手からの決勝スタートでしたが、強豪の88号車ロードスターや昨年の120号車チームのOBによって構成された27号車ロードスターは手強く、箕輪はわずかに順位を落とし、SC時の上田のピットインタイミングによりさらに順位を落とすことに。その後4~6位を行き来しながら周回を重ねます。初参戦ながらパーティレース北日本シリーズ2023年チャンピオンとしてDドライバーを任された久米田から6位でバトンを受けると、織田が猛烈な追い上げを見せ4位を争う激しバトルを展開しかし、最終ラップの最終コーナー直前にガス欠となり、チェッカーフラッグを受けることは出来ませんでしたが5位認定となりました。

波乱も多い開幕戦となりましたがチーム代表の前田育男は、「(55号車、12号車は)安定した走りで完走でき、支援をいただいている多くの皆様にチームの成長を見て頂けたことはなにより嬉しいです。次に控える富士24時間をはじめ、チーム全員で一年をかけて成長していきましょう」、と締めくくりました。

シリーズのハイライトとなる次回第2戦富士SUPER TEC 24時間レースは、5月24日(金)~26日(日)に、静岡県の富士スピードウェイで開催されます。

Text and photos by MZRacing

MAZDA MOTORSPORTS スーパー耐久シリーズ

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