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  • 2014/11/28

67歳医師、ロータリークーペで長年憧れ続けたスパに挑戦

かつて欧州のツーリングカーレースで活躍したマツダ・ファミリア・ロータリークーペ(R100)を駆り、2015年のスパ・クラシックレース(ベルギー)に出場する準備をしている日本人愛好家がいます。その人は、愛知県で医療法人を経営する加藤仁さんです。21歳からファミリア・ロータリー・クーペでモータースポーツ活動をはじめた加藤さんは、その後1970年のスパ24時間レースでのマツダR100の活躍に感動し、そのスパ・フランコルシャンへの出場準備を続けてきました。来年、47年の歳月を超えて加藤さんの夢が実現することになります。

1970年、スパ・フランコルシャンで行われた24時間耐久レースに出場した4台のマツダ(当時は東洋工業)ワークスのロータリークーペは、BMWなど欧州の名車を追い回して会場を沸かしました。結果は、優勝を目の前にしながらエンジントラブルで敗退。残念な結果となりましたが、聞きなれないエキゾーストサウンドを残して力強く走る東洋の小さなレースカーの活躍の印象は強く、「リトルジャイアント」のニックネームがつけられ、欧州では大きな話題となりました。日本でもこの事実は広く報道され、当時23歳だった加藤青年の心にも深く刻まれることとなりました。「いつか自分もロータリークーペでスパを走ってみたい」。以来、加藤さんはこの夢を叶えることを励みに、医師として社会生活を送っていくことになります。30歳で再度ファミリア・ロータリー・クーペを入手。1984年より国内のヒストリックカーレースなどに参戦、レースカーを操るテクニックも磨いてきました。そしてコツコツと1970年スパ仕様への改造を進め、ついに夢を叶える準備が整いました。加藤さんは、2015年春にレースカーをベルギーに送り出し、9月に当地で行われるヒストリックカー(短距離)レースに出場します。現在のスパ・フランコルシャンは、ベルギーの首都ブリュッセルから東へ約200kmの森林地帯にある常設サーキットで、高低差100m以上・全長7kmの難易度の高いコースです。高速サーキットとして知られ、長くF1グランプリコースとして利用されてきました。なお、1970年当時は全長14kmの公道を含むコースでした。スパ・フランコルシャン24時間レースに出場したR100マツダ・ロータリークーペは、片山義美/武智俊憲組が一時トップを走ったもののリタイヤ。4台中3台が戦列を離れましたが、英国人ドライバーコンビの1台が総合5位に入賞しています。マツダ・ロータリークーペは、約200馬力を発生する排気量491cc x2ローターの10A型自然吸気エンジンを搭載しています。

加藤さんの「スパドリームプロジェクト」は、12月7日(日)に岡山国際サーキットで開催されるマツダファンフェスタ2014で正式にキックオフします。同イベントでは、加藤さんのほか、実際に1970年のスパ24時間レースに出場したマツダOBの片倉正美さんがステージに登壇する予定です。

Photo by MZRacing

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