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  • 2022/07/06
  • OTHER(海外)

マツダ787BのREサウンドに20万人が酔う

フランス・ルマン市のサルトサーキットで開催された「第10回ルマンクラシック2022」は、6月30日(木)のGALAディナーでスタートしました。数百台ものヒストリック車両を操るレーシングドライバーをはじめ、主催者、スポンサーや競技・イベント関係者は全員ブラックタイやロングドレスなどの正装での出席が求められます。この席でACOのピエール・フィヨン会長は、来年2023年がルマン24時間レース100周年記念の年であり、24時間レースとルマンクラシックを一体化し、3週間にわたってイベントを展開すると発表しました。

7月1日(金)と2日(土)の二日間のプログラムに組み込まれたグループCレースには、1980年代にルマン24時間をはじめとする世界耐久選手権(WEC)を席巻したポルシェ956/962CやジャガーXJR-9/12、1991年のプジョー905やジャガーXJR-14など多彩なグループC車両が集まっています。その中には、マツダ787Bと共に南仏サンブックのスパーク社所有のプライベートサーキット「グランサンブック」にてテスト走行を行ったトムス85Cトヨタの姿もあります。このクルマには、かつてマツダワークスに名を連ねたことがある関谷正徳さんおよびトヨタGAZOOレーシングヨーロッパ副会長の中嶋一貴さんがドライブすることになっています。中嶋さんの父親である中嶋悟氏もかつては、マツダRX-3でレースデビューしたRE使いでした。なお、スパーク社は、南仏を拠点とするモデルカーメーカーのトップブランドで、今回マツダ787Bは同社の招聘によって渡仏およびイベント参加が実現しています。マツダ787Bの役割は、これらのグループCレースの各走行セッションの前に各1周ずつデモンストレーションランを行うことでした。フォードシケイン内側に設けられた仮設ガレージで787Bがエンジン暖機を始めると瞬く間に黒だかりの人垣ができ、暖機のブリッピングが完了しエンジンを停止すると歓声が上がり拍手がなりやみません。こんなことは、他のグループCカーのピットでは見られない光景です。地元フランスのマツダファンクラブや英国からのRE車愛好家達、1991年のレースを観戦したという初老の紳士、このクルマを見るためにポーランドから自走で駆けつけた人など多くの熱心なファンが集まってきていました。中には1991年当時に生まれてもいないにもかかわらず、このクルマの勇姿に感動して夢だったRX-7を購入したという若者や、モデルカーの塗装のためどうしてもわからなかったエンジン周辺の色を確認するために写真を撮りまくるベルキーの青年などが現れ、いかにマツダ787Bが多くの人々に愛され続けているかが伝わります。トムス85Cをドライブするためにドイツ・ケルンからやってきた中嶋一貴さんも、「僕も初めてこのクルマの暖機シーンを見ましたが、シビれますよね」といささか興奮気味に語り、787Bをドライブする寺田陽次郎さんに促されてコクピットに座り満面の笑顔を見せました。

20万人を越すと言われる大観衆が見守る中、寺田さんのドライブする787Bがコースインすると、それまでマシンのメンテナンスに余念のなかったクラッシックカーメカニックのみなさんもスパナを置いてコースを覗いていました。また、ヒストリックレースの競技運営を担当するオフィシャル達も4ローターサウンドに吸い寄せられるようにピットに集まってきました。デモランは、それぞれたった1周ではありましたが、マツダ787BとR26B型4ローターエンジンのパフォーマンスは健在で、サルトサーキットに独特の甲高い4ローターサウンドが響き渡りました。ドライバーの寺田さんは、「今回は、当初グループCカーレースの先導車としてフォーメーションラップを1周走る予定でしたが、それでは良い4ローターサウンドを奏でることができないので、お願いして単独で1周フリーランさせてもらえることになりました。タイヤも十分に温まらない状態でしたが、グランドスタンド前を駆け抜ける時にはグッドサウンドが聞けたはずです。多くのファンの皆さんが手を振り、歓声を上げていただいているのがよくわかりました。このような素晴らしいイベントでマツダ787Bを走らせることができ、とても光栄です」と語っています。7月2日(土)午後には合計3回の走行を終え、広島に戻るためトレーラーに積み込まれました。

Text ans Photos by MZRacing

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