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  • 2014/08/20

F5スピリット・ロータリーMX-5、聖地より無念の帰還

LA近郊在住の岡本サム澄人さんが進めていた本年のボンネビルスピードチャレンジ計画は、結果的に実行されることなく終わってしまいました。直前に舞台となるボンネビルソルトフラットに雨が降り、イベントそのものが中止となってしまったからです。

初代マツダMX-5ミアータシャシーにFC3C型RX-7カブリオレのNA仕様13Bロータリーエンジンを搭載したマシンは8月6日に完成し、カリフォルニア州ハーバーシティからユタ州ボンネビルに向けて片道1000kmの旅に出て行きました。レースに出場するためにはいくつかの作業を残したままの出発でしたが、現地でも十分対応する時間はあります。イベントは8月9日(土)に開会セレモニーを行ったあと、15日までの毎日、朝から夕方まで指定のコースで何度もチャレンジしてよいという気の長いイベントです。しかし、到着前夜に激しい雨が降り、塩湖が乾いて出来るソルトフラットが水浸しとなってしまいました。主催者SCTAは「会期を三日間延期する」と各エントラントに通知しました。岡本さん達チームは現地で残った作業を続けていましたが、追い討ちをかけるように再び降雨があり、不安な空気が流れました。 ソルトフラットを確認に行くと、水深が30センチぐらいで「数日待って競技ができる状態になるとは思えない」(岡本さん)状態だったようです。翌朝、先を見越して帰還を決意した岡本さん達チームが帰り支度をしている時に、SCTAから本年度のスピードウィーク開催中止が正式にアナウンスされました。「戦わずして帰るのは断腸の思いでしたが、記録更新のためには経験を積んでから来い、という意味だととらえて戻ってきました」と岡本さんは語っています。「今後、カリフォルニア近辺でテストランを何度か行い、クルマを熟成してから来年は、このクラスの記録である200.240マイル(約320km/h)を更新したいと思います。F-5(500km/h)はまだまだ先の夢です」と笑っていました。

ロータリーMX-5がチャレンジするF/GMSクラスとは、排気量2リットル以上3リットル未満の量産スポーツカーをベースとした改造車で、エンジンの換装も認められています。初代MX-5のシャシーは非常にコンパクトで、同様にコンパクトなNA仕様13Bロータリーをフロントに搭載し、ギアボックスはMX-5のオリジナルを使っています。珍しいところでは、エンジンに付属するウォーターポンプを外し、電動モーターで強制的に水を循環するシステムを採用しています。走行する時間が短いためこれで十分な冷却が得られるとのことですが、ラジエターは装備が義務付けとなっているようです。燃料供給システムはウェーバー製ダウンドラフトキャブレターを採用しており、直線を駆け抜けるだけなのでフロントブレーキは外してよいことになっているというのもユニークです。

岡本さんのプロジェクトは、有志のサポートによって成り立っています。ロータリーファン、マツダファンの皆さんも彼らのチャレンジに注目し、記録チャレンジの夢を皆で共有してみませんか。

Photo by Sam Okamoto & MZRacing

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