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  • 2025/08/09
  • OTHER(日本)

[ GC RETURNS ] 富士GC、36年の歳月を経て復活

8月9日(日)、富士スピードウェイにかつてこの地の主要カテゴリーとして爆発的人気を誇ったGCカー達が集まりました。シリーズ初期は2.0Lエンジン搭載の2座席スポーツカーでししたが、第2世代の1979-1986年まではF2シャシーに2.0Lエンジンを搭載した単座席マシンとなり、1987年から3.0Lまでのエンジンによるシングルシーターで競われたのが第3世代となります。今回は、各世代から合計12台の可動車が揃いました。

富士グランチャンピオンシリーズが正式名称でしたが、”グラチャン”の愛称でレースファンに親しまれていました。1971年にスタートしたこのシリーズは、スポーツプロトタイプ耐久選手権(JSPC)やツーリングカー選手権(グループAレース)などの人気に押され、1989年に終了となっています。さて今回は、元レーシングドライバーの鮒子田寛(ふしだ・ひろし)さんが発起人となり、各地に点在するクラシックレーシングカーオーナーやレースカーコレクターに呼びかけ、また、往年のドライバー達によるレジェンドレーシングドライバーズクラブ後援の下、博物館やコレクションガレージの奥で眠っていたGCカー達をレストアし、場合によっては海外から多くのパーツを買い集めて元の姿に戻した現オーナーさん達に火をつけて実現したと言えるでしょう。また、レース開催のために鮒子田さんはスポンサー集めにも奔走し、未来型集音器(補聴器)のMIMI5well、東海・関東・東北に10店舗を持つ温泉施設の竜泉寺の湯ほかがスポンサーとしてサポートしているとのことです。

第1ジェネレーションは、3台のシェブロンB19/23+FORD/HARTエンジン車のほか、12Aロータリーを積んだMANA-09を藤井修二がドライブ、第2世代は13Bロータリーを載せたウルフMSCに関谷正徳自身が乗ることになりました。そのほか、BMW M12エンジンを乗せたマーチ822MCS V、BARDAHLカラーのリバリーに塗色されたMCSマツダ(13B)がエントリーしています。第3世代は、コスワースDFVを搭載したローラT87/50MCS8、同じくDFVを載せたマーチ88GCオカモトSPL、無限MF308エンジン搭載のローラT87/50/MCS9、ITO HAMリバリーのマツダ20B仕様ローラT88/50セルモ89G(従野孝司仕様)、同じく20B搭載のローラT88/40/東京R&D 88Q(エイエ・エルグ仕様)の12台です。ここまででお気付きだと思いますが、12台中5台がマツダロータリーエンジンなのです。安価で耐久性が高く、ランニングコストが抑えられるため、多くのユーザーを集めた一方、マツダものこのGCから多くを学び、のちのルマンプロジェクトのレーシングエンジン開発に活かしていたことがわかっています。

エキシビジョンレースの予選後には、長谷見昌弘、見崎清志、寺田陽次郎、桑島正美、関谷正徳、藤井修二らレジェンドドライバーが、GCカーに乗ってデモランを行いました。11時からの決勝レースは、グリッドに12台が整列した頃に小雨が降り出したものの、フォーメーションラップが始まる頃には上がり、ドライコンディションでスタートすることができました。レースは、第3世代が最も速く、続いて第2世代・第1世代が入り乱れる混戦となりましたが、関谷が駆るWalter Wolf仕様のMCS1が速さを見せ、ファンが集まるパドックを沸かせていました。

多くの方々の熱意で実現したGC RETURNSは、無事終了しました。まだまだ国内のガレージには、多くのGCカーが眠っていると思います。また、走ることによってマシンはコンディションを維持できるはずです。発起人の鮒子田さんに尋ねると、「来年は年に2回富士で開催し、さらに別のサーキットでもできないか、各方面に打診している最中です。多くの方々にこのレースを知ってもらい、日本の独自カテゴリーとして隆盛を誇ったGCレースの存在感を拡大していきたいですね」、とのことでした。

Text and Photos by MZRacing

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