MZRacing マツダモータースポーツ情報サイト

ニュース

  • 2023/02/27
  • S-Tai

MAZDA SPIRIT RACING、2台揃ってS耐富士テストに登場

2月23日に富士スピードウェイで「ENEOS スーパー耐久シリーズ2023 Powered by Hankook」公式テストが行われ、MAZDA SPIRIT RACINGからは、ST-Qクラスの55号車「MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept」及び、「S耐への道」チャレンジプログラムのST-5クラス:120号車「倶楽部MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER」の2台が出走し、テストプログラムを消化しました。

ST-Qクラスの55号車「MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept」は、昨シーズン最終戦で駆動系トラブルに悩まされましたが、オフシーズンの間に対策が施されたようです。公式テスト前日には、入念に出走準備を進め、確認走行を行っただけでガレージイン。公式テストの開始を待ちました。23日は、時折冷たい風が吹くものの、空は晴れ上がり、絶好のテスト日和となりました。最初のセッションを走り出したのは、マツダ開発ドライバーの寺川和紘。寺川は、富士スピードウェイで行われているインタープロトレースでジェントルマンクラスのチャンピオンとなった経験を持っています。順調に走り出しましたが、開始から15分ほどして他の車両のコースアウトによる赤旗中断が発生してピットイン。以後の約40分間は、チーム代表の前田育男がひとりでステアリンングを握りました。午後1本目のセッションは、井尻薫が走り出し、途中で関豊に交代。この4名で2時間をほぼフルに走り、合計51周約230kmを走破し、テストを終了しました。最後にマシンを降りた関は、「クルマは順調ですね。アンダーステアが出ると聞いていましたが、さほど大きな影響ではないと感じました。このままマイレージを重ねていってデータ蓄積が進めば、より速く走るための材料がみつかると思います」と語ってくれました。この55号車は、3月19日の開幕戦鈴鹿5時間レース前にプライベートテストを何回か走って準備を進める予定となっています。

ST-5クラスの120号車には、1月末の鈴鹿テストに参加した織田祥平、箕輪卓也、上田純司に加え、先輩格の杉野治彦、樋口紀行、2022年ロードスターパーティレース西日本シリーズ2位の本多永一(64歳)、ロードスターパーティレース東日本NCシリーズ2位(ちなみに1位はプロドライバーの井尻薫)の中島優太(26歳)、前回の鈴鹿テストには見学参加していた富士チャンピオンシリーズNDレース2位の菊池崚斗(26歳)がエントリー。合計8名が代わるがわる120号車をドライブしました。また広島出身のプロドライバー檜井保孝がコーチ役として、ルーキーたちの指導にあたっています。前日朝に現地入りした総勢9名は、マシンのメンテナンスを担当するOVER DRIVEチームの武地孝幸代表(120号監督兼務)らと合流。朝から精力的に走り込みを行いました。ドライバーは、計画された30分間の走行枠x5本をそれぞれ15分交代で走行することになっています。オンボードカメラでのリアルタイム指示や、走行データの分析などきめの細かい指導が行われます。檜井コーチの「スリックタイヤが初めての人も、富士には慣れているがS耐車は初体験という人もいますね。短い間ですが、まずは、クルマとコースに慣れることに集中しましょう。もちろん、前方に注意するのは当たり前ですが、特に後ろから速いクルマがバンバン来るので、早めにウィンカーを出して抜かさせるなどして彼らとの共存を頭に入れましょう。慣れてきたら、自分が後続車のオーバーテイクポイントをコントロールしてあげるくらいの気持ちを持つことが大事です」というアドバイスに、深くうなずいていました。この日は短い赤旗中断があったものの、120号車にはトラブルもアクシデントもなく、計画通りに走行を終えることができました。この日最後の走行枠は「希望者がいれば」ということで、ドライバーも未定となっていましたが、走りたい人を募ると全員が手をあげ、最終的にはあみだくじで選ばれた杉野と織田の2名が走ることとなりました。ベテランも新人もここでは平等です。

テスト二日目は、公式スケジュールで午前1時間、午後は1時間枠が2回、ナイトセッションと多くの走行時間が用意されていましたが、このチームは前日同様15分交代での走行です。15分間では、コース長の長い富士では計測ラップは5周がいいところです。それでも8名のドライバーたちは、走行データ解析による檜井コーチのアドバイスを思い出しながら、必死に走り続けます。陽が落ちるに従って周囲の気温は急激に下がっていきましたが、マシンを降りるドライバーたちのレーシングスーツからは湯気が立ち上がっていました。

慌ただしく交代を繰り返しながら、二日間の走行を終えた最年長の本多は、「私は背が高いし体が硬いので、乗り降りがしんどく、ロードスターってこんなにタイトだったかな、と思うくらいです。スリックタイヤで富士を走ったのは初めてですが、パーティレース車に比べるとやっぱり難しいな、と。私が乗るのは、7月下旬のオートポリスの予定なので、それまでにみんなに追いつけるよう頑張りたいと思います」と話し、富士チャンピオンレース出身の菊池は、「富士はホームトラックですし、S耐車には昨年のS耐もてぎ戦でOVER DRIVEのロードスターに乗せてもらっていますが、ナイトセッションで速いマシンと混走するのは初めてで、なかなか満足いく走りができなかったのが正直なところです」と語っていました。また、パーティレースNCシリーズ以外にJeGTで活躍するTCコルセチームの監督として、先日筑波サーキットで行われたeSportsドライバーのためのリアルドライビングレッスンでアドバイザー役を務めた中島は、「二日間走らせていただきましたが、自己採点で60点くらいでしょうか。まだまだ僕としてはクルマに慣れきれていないので、操作が忙しくなってしまい、耐久レースということはわかっていながらクルマを労る走りができていなかったので、そういうところを注意しなければ、と思っています」と語りました。ナイトセッションでは、「コーナーの先が見えづらくて、デイライトと違って目印を見失いがち」とか「昼間に覚えたブレーキングポイントやターンインのポイントが少しずれていると感じました。路温とタイヤとの関係があるかも」など、勝手の違いにドキマギする場面も見られました。それでもこのテストは、目一杯走ることができたようです。檜井コーチは、「それぞれまだ課題はあるものの、特に若手は素質も伸び代もあると思います。良いテストになりました。これからが楽しみですね」と笑顔で話していたのが印象的でした。

55号車も120号車も着々と準備進んでいます。3月19日に鈴鹿サーキットで開催されるスーパー耐久2023年シリーズ開幕戦鈴鹿5時間レースをお楽しみに。

Text and Photos by MZRacing

MAZDA MOTORSPORTS スーパー耐久シリーズ

PAGE TOP

©  MZRacing. All Right Reserved.

サイトマップ