MZRacing マツダモータースポーツ情報サイト

ニュース

  • 2023/08/18
  • OTHER(日本)

マツ耐APラウンドはNCの森岡/小西組が総合優勝
デビュー戦の九州マツダ勢も試練を乗り越えて完走!

マツダファン・エンデュランス(マツ耐)の第5戦が8月13日、九州・大分のオートポリス(AP)で開催されました。ちょうど台風6号と7号の合間での開催となり、一部参加者の帰路のフェリーの欠航を除くと大会への影響はありませんでしたが、気まぐれな阿蘇地方の空模様には翻弄されました。総合優勝はクラス8(ロードスターNC TUNED)の23号車「ADR MOTULロードスター」の森岡秀樹/小西 岬組。S耐ではNOPROデミオSKY-Dに乗る期待の若手の小西が、セーフティカーラン解除後のスプリント決戦で怒涛の追い上げを披露。また今回初めて参加した九州マツダのDEデミオ2台も、トラブルに苦しみながらも完走を果たしました。

エントリーは34台・95名。2012年から始まったマツ耐ですが、大分では2015年が初開催。その後はスキップされたり、台風や大雨で2回の中止を余儀なくされましたが、今年は過去最多の台数が集結。9時50分から20分間、ドライ路面で行われた予選には33台が出走し、4クラスでコースレコードが更新されました。前述の23号車が総合ポールも獲得し、タイムはクラス8の新レコードともなる2分15秒657。さらにクラス6(ロードスターND TUNED)の11号車「☆iCraft☆ロードスター☆」、クラス2(MAZDA2&デミオ TUNED)の2号車「DXL黒猫団モティーズデミオ」とクラス5(ロードスターND NORMAL)の13号車「CP和光三差製作所ロードスター」もレコードを更新。ちなみに13号車のアタッカーはS耐でMAZDA SPIRIT RACINGのMAZDA3に乗るプロドライバーの関 豊です。

いつものように150分間・無給油の決勝レースは13時35分にスタート。気温30℃、路温60℃を超える厳しいコンディションです。ポールの23号車はペースを控えて、早々に最初のピットストップ。さらに決勝は小西がひとりで担当しますが、マシンを仕上げた森岡は同日のサーキットトライアル(MFCT)にダブルエントリーしてチェックを済ませるという、周到な作戦を立てていました。一方、序盤からトップ争いを展開したのは29号車「JRCパワースロードスター8号」と26号車「JRCパワースロードスター4号」というNA8の2台(いずれもクラス10のロードスターNA&NB TUNED)と、前述の11号車のND。予選の総合順位でも23号車に続く上位の3台でした。やはりドライ路面では、NORMALよりTUNED系のマシンがペースで上回ります。
5周目にトップに立ち、このレースで一番多くの周回を先頭で走り抜けたのが11号車。実は2019年のマツ耐でチャンピオンに輝いたあと、S耐にステップアップしたチームが復活してのスポット参戦。ドライバーも3名全員がS耐経験者という強力メンバーです。またスタートしてしばらく、一部でポツポツと降り始めていた雨が次第に激しくなり、路面もウエットに変わっていくに連れて、上位陣の顔ぶれにも変化が出てきました。つまり、パワーではやや劣るクラス5(ロードスターND NORMAL)の15号車「PLUM諏訪姫GIロードスター」や、予選では同じクラス2の2号車にわずかに及ばなかった7号車「OUAC HS DXLデミオ」など、過去にクラス優勝などの実績がある有力チームが上位に進出してきました。
そしてスタートして74分という、折り返しのハーフタイム寸前のタイミングで、AP名物の下りジェットコースター・ストレート先でコースアウトしたマシンが動けなくなりました。救出作業の安全を確保するためにセーフティカー(SC)が導入されます。さらにもう1台がグラベルにはまり、SC先導の時間が長くなります。結局およそ30分間、先頭のマシンが29周から35周を走っている間はペースが大幅にダウンします。残り約45分というタイミングで、ようやくSCがランプを消灯してピットロードへ。バトルが再開することになりました。ほとんどのチームが1回目のピットは終えた段階でのSC導入でしたが、上位を狙うチームは当然のように、残る2回のピットストップ義務をこの30分の間に済ませます。
再開後、トップに立ったのは11号車のND。さらにウエットの路面で追い上げてきた7号車のデミオが2位に浮上し、15号車の諏訪姫NDもトップ3圏内に入ってきました。ところがなんと、11号車と15号車がピットレーン走行区分違反を犯したということで、ドライブスルーペナルティの裁定。このペナルティを消化すると、40秒前後のタイムロスになります。このため、40周目を終えて全体のトップに立ったのは7号車。ここから逃げ切りを図りたいところですが、同じTUNED系クラスでも、やはり一発の速さではロードスターのTUNED系に分があります。その中でも俄然ペースを上げて迫ってきたのが、ポールシッターの23号車NC。
40周目には総合6位まで挽回し、43周目には一気に2台を抜いて4位へ。45周目に3位、47周目に2位に浮上すると、残り6分を切った51周目には7号車のデミオも捉えて、ついにトップの座を奪還します。この怒涛の追い上げには場内MCも大興奮。まだ路面は濡れていて、最終セクターには川も残っている状況でしたが、デミオに対して1周あたり6〜7秒も速いラップタイムを刻む小西は、明らかにゾーンに入っていました。広島出身の27歳。マツダ車をこよなく愛する好青年は、今後も注目していきたい逸材です。ただ、11.722秒差の2位でチェッカーを受けた7号車や、その後方30秒余りで3位に入賞した11号車にも拍手を送りましょう。この3チームが、総合のトップ3ということで暫定表彰式に登壇しました。
さらに序盤に輝いた29号車や26号車に代わって、同じJRC陣営でも上位に食い込んできたのが、NCの24号車「JRCパワースロードスター3号」とNA8の25号車「JRC PSオガタロードスター」。24号車は総合4位、そして25号車が総合6位となりました。改めてクラス別の優勝チームを紹介すると、総合優勝の23号車がクラス8(ロードスターNC TUNED)、同2位の7号車がクラス2(MAZDA2&デミオ TUNED)、同じく3位の11号車がクラス6(ロードスターND TUNED)で優勝。さらに15号車の諏訪姫NDはNORMAL系最上位の総合5位でクラス5(ロードスターND NORMAL)を制しています。クラス10(ロードスターNA&NB TUNED)は前述の25号車が制しています。

そして最後に紹介したいのが、今回初参戦した九州マツダです。実は後述する「ECOマツ耐」に、全国のマツダ販社に参加枠が設けられ、九州マツダもエントリーすることが決まっています。ならば、地元のオートポリスで行われる今回のレースにも参戦しようということで、2カ月前に急遽決定。9月の遠征が決まっている5号車のCVT仕様に加えて、ラリー参戦中のMT車も今回は6号車として2台体制で参戦しました。チームのまとめ役を務めた光延誠也さんは「サーキットはバイクで走ったことがあるくらいで、わからないことだらけでした。チーム全員の力を合わせて、なんとか完走できたことにホッとしています」と振り返りました。5号車に乗った川添幸保さんは「油温が上がって吹けなくなってしまいましたが、富士に向けてはいい経験になりました」。6号車の後藤章文さんは「1台ずつ走るラリーとは違いますね。怖かったですけど、この速度域は魅力でした」と感想を語りました。

次回は特別戦として組まれた9月17日の「ECOマツ耐」。静岡県の富士スピードウェイで開催される「MAZDA FAN FESTA 2023 at FUJI SPEEDWAY」の中で行われます。シリーズポイントは付与されませんが、いつもより30分長い180分を無給油で戦うというハードルの高さが話題です。また残るシリーズ戦の舞台は、今季最終となる第6戦の岡山国際サーキット。「MAZDA FAN FESTA 2023 in OKAYAMA」の中で11月4日にTUNED系クラス、11月5日にNORMAL系クラスの開催が予定されています。

マツダファン・エンデュランス(マツ耐)

Text & Photos by T.Ishida

PAGE TOP

©  MZRacing. All Right Reserved.

サイトマップ