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  • 2023/04/15

MAZDA MX-30 e-SKYACTIV R-EV搭載の8C型REを本邦初公開

4月14日(金)、千葉県千葉市の幕張メッセ国際展示場にて恒例の「Automobile Council 2023」が16日までの日程で開幕。マツダスタンドでは、「ロータリーエンジンの可能性の追求と新しい価値への挑戦」をテーマとしており、11年ぶりに復活する8C型ロータリーエンジンを発電ユニットとして搭載する注目のMAZDA MX-30 e-SKYACTIV R-EV、排気ガス浄化に挑んだ1975年発売のコスモAP、水素燃料の活用にチャレンジした2005年のハイドロジェンRX-8などを展示スペースに展開しています。また、MX-30の源流とも言える1981年の東京モーターショーに出展されたコンセプトカー「MX-81」の完全レストア車が展示されています。

同日朝一番で行われたマツダプレスカンファレンスでは、青山裕大取締役専務執行役員が次のようにスピーチしました。「私自身、現職に移ってから、ロータリーエンジンファンの強力な情熱を感じる機会が多々ありました。2015年東京モーターショーでRX-Visionに寄せられた期待、2017年のロータリーエンジン生誕50周年イベントが台風で中止された中でも三次試験場に集まっていただいたファンの皆様の想いなど、例を挙ければ枚挙にいとまがありません。このような数々の体験を身近に感じている私たちとして、はじめに、MAZDA MX-30 e-SKYACTIV R-EVを日本でお披露目するにあたり、マツダを代表して、私たちの想いをお伝えします。それは、”私たちマツダは、ロータリーを諦めたくない。やっぱり作り続けたい”ということです。 私たちは2012年以降、ロータリーエンジンの量産をしばらくストップしていました。ロータリーの灯がここで消えてしまうのではないか、特にロータリーファンの皆さまには本当にご心配をおかけしてきました。しかし、ロータリーエンジンは、私たちマツダの”飽くなき挑戦”精神の象徴であり、マツダのアイデンティティとして、未来へ受け継がなければいけないものです。ロータリーにはまだまだ可能性があります。私たちマツダ全員の思いと情熱があります。どのような形でも、たくさんじゃなくても、作り続けることが大事であると考えています」

マツダはこれまで、ロータリーエンジン(RE)を使ってさまざまな環境課題に挑んできました。1975年のコスモAPでは、排気ガス浄化を目的にサーマルリアクターと呼ばれる熱処理装置を開発し、他メーカーが性能を落として排ガスを減らす対応を取ったのに対し、マツダREAPS(ロータリーエンジンアンチポリューションシステム)では出力を落とさず排ガス浄化に成功しています。2005年登場のハイドロジェン(水素)ロータリーを搭載したRX-8は、自治体やエネルギー会社などに供給され、脱炭素社会に向けた代替燃料の可能性を追求しています。これの国際的訴求を目的に、2010年のルマン24時間レース会場に持ち込まれ、サルトサーキットをデモランしたことはMZRacingでも報じた通りです。電動化技術としては、2014年にレンジエクステンダーREを搭載したデミオEVをメディア向けに公開しています。最近の中長期計画でも電動化技術にREを積極活用すると明言しており、その第一弾として今回のシングルローターRE「8C」が発電機として製品化されることに至っています。

今回のマツダスタンドには、1月にブリュッセルモーターショーで発表されたMX-30 e-SKYACTIV R-EVの直列モーター発電ユニットも展示されています。これを見れば、コンパクトな横置きFFパワーユニットの発電機ICE(内燃機エンジン)として、直列配置できるシングルローターREが理想的であることは一目瞭然です。しかも、初の直噴インジェクション、アルミサイドハウジング、1本スパークプラグなど、これまでの既存REとは異なる新しい試みが随所に取り入れられています。そして、かつて1991年のルマン24時間レースを制したR26B型4ローターエンジンの開発でもコアメンバーとして参加し、その後FD RX-7の性能開発、RX-8用の13B RENESISエンジンの設計・開発をリードしたエンジニアである清水律治さんが、この8Cエンジンの説明員として張り付いています。モーター発電ユニットは、スケルトンになっており、ローターが回転している様子を見ることができます。11年ぶりに復活するロータリーエンジンをぜひ間近にみていただき、再びパワーユニットとしてピュアスポーツカーの心臓部として復活する日を夢見てはいかがでしょうか。

MX-81コンセプトカーは、2020年にマツダイタリアの要請でレストアされた個体です。レストアプロジェクトのリーダーだった山本修弘さんが橋渡しし、その後イタリアに渡ったこのモデルは外板再塗装、内装の本革貼り替えなどを経て、再び日本に戻ってきました。ベルトーネデザインのスタイリングは、今見ても古さを感じさせないインパクトがありますね。

Text by MZRacing, Photos by MZRacing and MAZDA

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