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  • 2023/05/03
  • S-Tai

MAZDA SPIRIT RACING、また一歩前進

【S耐公式テスト】
4月28日(金)に富士スピードウェイにて、5月の24時間レースに向けたスーパー耐久シリーズの公式テストが行われ、MAZDA SPIRIT RACINGからはST-Qクラスの55号車MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept、120号車倶楽部MAZDA SPIRIT RACING ROADSTERが参加。両車とも走り込みを重ね、有意義な時間を過ごしました。

55号車MAZDA3 Bio conceptは、レギュラードライバーの寺川和紘、井尻薫、関豊、前田育男に加え、昨年のもてぎ戦に12号車ROADSTERでスポット参戦した阪口良平、2018年のGLOBAL MX-5 CUP JAPANチャンピオンの堤優威が参加。継続した車両の開発育成と共に、24時間レースでこのクルマをドライブするふたりのGTドライバーの慣熟を進めることとなりました。一方、120号車MAZDA ROADSTERは、24時間レースで使用することになった市販ラジアルタイヤであるブリヂストンPOTENZAタイヤのセットアップ合わせ込みおよびドライバー達のスキルアップトレーニングを目的として、杉野治彦、樋口紀行、織田祥平、箕輪卓也、上田純司、菊池崚斗の6名が入れ替わり立ち替わりステアリングを握りました。なお、前日27日にはシリーズ後半戦に出場予定の中島優太も練習に参加しています。

55号車MAZDA3 Bio conceptについてチーム監督の木田努は、「開幕戦の鈴鹿5時間レース以降、MAZDA3 Bio conceptは駆動系の信頼性確保とエンジンパフォーマンスの向上を狙ったモディファイを施しています。また、フロントバンパーを天然素材系のファイバー樹脂製に変更しており、フロントオーバーハングの重量減に貢献しています。その他の変更点は、主に夜間走行のための追加ランプの装着などですね。今週は水曜日(26日)からスポーツ走行枠を使って走り込みを重ねており、徐々にですが速さも身につけつつあります。また、24時間レースまでには、冷却性能の向上にも取り組む計画です」と話しています。また、エンジンの開発エンジニアである上杉康範は、「マツダSH型2.2Lディーゼルエンジン自体は、鈴鹿5時間レースを走り切った個体をそのまま継続使用しています。今回は、エンジンパフォーマンスを少し上げていますが、同時にディーゼルターボエンジンの強大なトルクを受け止めるトランスミッションへの負荷を低減するため、シフトチェンジする際、スロットル全開のままクラッチを踏むとトルクダウンしてギヤ変速ショックを和らげる制御を施しています。また、これまで標準車と同じ吸気経路を使っていましたが、吸入エアの圧力損失を減らすため、フロントグリルからダイレクトにエアボックスを経てタービンユニットに導風するようエンジンルーム内のレイアウト変更を行なっています。また、スムーズな吸気レイアウトとするため、バッテリーを小型化して位置も変更しています。この改良によって、少し勇ましい吸気サウンドが聞けるはずです」と語ってくれました。なお、今回の55号車は従来のハンコックタイヤを装着していますが、24時間レースには新たにブリヂストン製が供給されることになっており、レースウィークに改めてタイヤテストを実施し、レーススタートを待つことになります。

この日朝からランチタイムを除き、ほぼ連続走行してきた55号車ですが、午後2回目の公式テスト走行枠を走行中、トランスミッションにトラブルが発生。そのままピットインしてこの日は走行を切り上げています。水曜日から蓄積してきた走行マイレージは約11時間でした。ドライブしていた助っ人ドライバーの阪口は、「このクルマの進化量を感じる一日でした。僕は、かつて他のマシンで走行していてコースでは何度もこのクルマに出会っていますが、その時の印象と比べると、今回ドライブしてみて進化している量が大きいと感じました。直接的には、ディーゼルならではのトルクフルな走りが気持ちいいと感じました。24時間レースでは、チームのお役に立てるよう精一杯役割を果たしたいと思います」と語っています。木田監督は、「3速ギアに異常が発生したので、走行は中断しました。明日修理して残りのテスト日程をこなす予定です。今回はどちらかといえば攻めた仕様を持ち込んでいますが、得られたデータをもとに24時間レースまでに駆動系の信頼性をあげて臨みたいと思います。レースは多くのレースファン、マツダファンの方々が来場されると思うので、カッコいい走りをお見せしたいです」と話していました。

120号車ROADSTERは、新タイヤでのテストとなり、6人のドライバーがまずこのニュータイヤに慣れることと、タイヤウェア(摩耗)がどのように進むかを見極める必要がありました。こちらも前日の27日から6名のドライバーが交代で走り込みを続け、データ取りを続けています。28日は、朝10時過ぎから夜間2時間のナイトセッションの終了に至るまで、ぶっ通しの走行です。6名のドライバー達の肉体的負荷も相当だったはずです。一時突然エンジンが始動しなくなる電気系の怪現象に悩まされましたが、車両メンテナンスを担当するOVER DRIVEの武地孝幸代表は、「今回の電気系トラブルがどのような条件で発生するかが、ほぼつかめました。しっかり対策して24時間に臨むことができます。しかし、これが24時間レース中に起きていたら大打撃だったので、ある意味今日出てよかったです」とコメントしました。午後8時過ぎに全てのメニューを消化したコーチ役の桧井保孝は、「ドライバー達は、走るたびに大きくスキルを伸ばしており、もう指摘することが少なくなっています。以前話したことはインターバルの間に各自改善を果たしてきており、若手は大きく成長し、ベテラン組も彼らの進化に遅れまいと努力しています。とても良いチームに育ってきていると思います。今回は、溝つきのラジアルタイヤを使用することになったわけですが、心配したタイヤウェアも以前のタイヤとあまり変わらず、意外に保つなという印象です。耐久レースでのタイヤマネジメントに関しても得られるところが多く、良いテストになったと思います」、と今回の活動を総括しました。

スーパー耐久シリーズ第2戦富士24時間レースは、5月27日(土)にスタートします。

2023年S耐富士24時間公式テスト記録動画 (YouTube 3’02”)

Text & Photos by MZRacing

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