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  • 2024/10/10
  • S-Tai

MAZDA SPIRIT RACING は3台揃って完走を果たす

9月27日(土)・28日(日)、三重県の鈴鹿サーキットにてENEOS スーパー耐久シリーズ 2024 Empowered by BRIDGESTONE第5戦「SUZUKA S耐」5時間レースが開催され、MAZDA SPIRIT RACINGからエントリーしたST-Qクラスの12号車「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER CNF concept」(川田浩史/阪口良平/堤優威)、55号車「MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept」(寺川和紘/関豊/井尻薫/前田育男)、ST-5クラスの120号車「倶楽部 MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER」(上田純司/箕輪卓也/織田祥平/松原奉世)は、それぞれ完走を果たしました。

決勝レースに先駆けて28日(土)にはメディアを集めたラウンドテーブルが開催され、ふたつのトピックを発表しました。ひとつ目は、MAZDA SPIRIT RACING代表の前田育男とファクトリMS推進部技術実証推進グループの上杉康範がSUBARUのエンジニアと共に登壇し、SUBARU航空宇宙カンパニーが開発した航空機廃材の再生炭素繊維で55号車MAZDA3の外装部品を成形し、最終戦富士5時間レースから投入することを発表しました。SUBARUの航空宇宙カンパニーは、大型旅客航空機の主翼部分などに炭素繊維を使っており、余った廃材を再加工して様々な強靭で軽量な素材を成形しているとのこと。MAZDA3では、ボンネットなどの大きな部品の置換を計画しており、さらに使用範囲の拡大を検討中。カーボンニュートラルに向けた取り組みと同時に軽量化を進めることでハンドリングへの好影響を期待しています。
ふたつ目はマツダ単独の会見で、鈴鹿に投入した車両の最新技術の紹介がありました。55車、12号車両車には、あらたにカーボンニュートラルに向けた植物由来の「サステナブル・エンジンオイル」を実証実験として採用、また、55号車では駆動力制御の改善によるトルクの向上、先ほどの再生カーボンパーツに加えて、最終戦で新しいエアロパーツの投入等が報告されました。12号車でも出力/トルクアップが報告されていますが、その手法は1992年のルマン24時間に参戦したMX-R01のV10エンジンにルーツをもつフラットピストン採用による燃焼の適正化など、マニアックなエピソードの紹介もありました。

28日に行われた公式予選では、55号車MAZDA3はAドライバー寺川とBドライバー井尻のタイム合算で総合39位、12号車ROADSTERはAドライバー川田とBドライバー阪口の合算タイムで総合37位につけています。寺川と井尻のタイム差は0.2秒差であり、川田もほぼ同タイムとなっており、社員ドライバーのドライビングがプロドライバーのアタックスキルに近づいてきていることを証明しています。なお、デビュー3戦目のSUBARU High Performance X Future conceptもほぼ同タイムの38位で予選を通過してきており、同35位の28号車GR86、同36位GRヤリスと合わせてST-Qクラスの5台がスターティンググリッドに並ぶことになります。決勝レースでのバトルも見ものとなることが予想されました。ST-5クラスの120号車ROADSTERは、Aドライバー上田+Bドライバー箕輪のアタックにより、クラス4位のスタート位置を得ています。

29日朝は、雨模様でスタートしました。9時50分からのピットウォーク前には雨脚が強くなり、ピットロードを流れる雨水が流れの速い川のようになっていましたが、その後雨雲は急速に消滅。各車がスターティンググリッドに並ぶ頃には雲間から青空が覗くほどに好転しています。しかし、コースではウェット状態が続いており、各車はレインタイヤでスタートするか、スリックタイヤを選ぶか、相当悩んだようです。比較的ウェット路面に強いFF構造の55号車はスリックタイヤを選び、車重の軽いFR車の12号車はウェットタイヤをセレクトしています。11時50分に水飛沫を上げながら決勝レースがスタートすると、最終コーナーでクラッシュする車両があり、早くも最初のFCY(フルコースイエロー)が発動されることに。しかし、路面は瞬く間に乾いていき、12号車同様ウェットタイヤを履いてスタートしたマシンは序盤のうちにスリックタイヤに換装しています。55号車はスタートドライバーの井尻が34周まで粘って2番手の関に29位で交代。関は上位クラスに混じって走り、64周目に前田にドライバーチェンジしています。その際、ピット作業にミスがありドライブスルーペナルティの裁定を受け61号車SUBARUに先行を許します。それでもレースペースは安定しており、82周目に前田からアンカーの寺川にバトンタッチすると、そのままゴールにマシンを運び総合31位フィニッシュとなりました。12号車は川田がスタートして8周目にスリックタイヤに交換するためにピットイン。一時的に52位まで後退するものの2番手の阪口が44周を走って35位にまで回復。再び川田にバトンを預け、最終ランナーの堤に繋ぎます。堤は交代直後にベストラップを記録するとハイペースのまま終盤まで走り続け、12号車を29位に押し上げてフィニッシュしました。ST-5クラスの120号車は、序盤はクラス8位を走りながら中盤に5位に上がるとその後一時的に3位を走る好走を見せました。上位人に食らいついて迎えた終盤もペースを落とさず最終走者の箕輪がクラス4位でチェッカーフラッグを受けました。

MAZDA SPIRIT RACING監督の木田努は、「まずは目標だった55号車と12号車の2台が無事完走し、120号車も4位入賞できたのでホッとしているところです。まだ細かいトラブルなりエラーが完全にないわけではないので、引き続き改善するように努めていきたいです。次の岡山は予定通り55号車がスキップしますので、ST-Qクラスは12号車のみとなります。岡山はロードスターにとって得意なコースなので、きちんと仕上げて上位陣に食い込めるよう頑張ります。どうぞ引き続き応援をお願いします」、と語っていました。
なお今回は、27日にロードスターパーティレース・ジャパンツアーシリーズ第5戦が鈴鹿サーキットで開催され、38台のNDロードスターが国際レーシングコースを走り、熱闘を展開しました。また、28日にはマツダドライビングアカデミー10周年記念イベントが鈴鹿サーキット・交通安全センターで開催され、これに参加するため全国から集まったマツダ車74台とオーナー・同乗者約90名が国際レーシングコースをパレード走行するなど、多くのマツダ車が日本の代表的サーキットである鈴鹿に集まる特別な週末となりました。

スーパー耐久シリーズ次戦は、岡山国際サーキットで10月26日(土)〜27日(日)に3時間レースが開催予定です。12号車と120号車が参戦します。

Text and Photos by MZRacing

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