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  • 2023/06/05
  • S-Tai

MAZDA SPIRIT RACING、2台共に富士24時間を完走

5月26日〜28日に富士スピードウェイで行われた「ENEOS スーパー耐久シリーズ2023第2戦NAPAC富士SUPER TEC 24時間レース」には、MAZDA SPIRIT RACINGからST-Qクラスに55号車「MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept」(寺川和紘/関豊/井尻薫/前田育男/阪口良平/堤優威)とST-5クラスに120号車、チャレンジプログラムメンバーの「倶楽部 MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER」 (杉野治彦/樋口紀行/ /織田祥平/箕輪卓也/上田純司/菊池崚斗)の2台が出走し、共に24時間レースを走り切ることができました。

開幕戦鈴鹿では、55号車MAZDA3は初完走を果たしたものの、駆動系を労る走りとなりましたが、富士24時間に向けて様々な検討と対策が取られてきました。HVOバイオディーゼル燃料を使うSH型2.2Lディーゼルターボエンジンは、4月の公式テスト以来吸気系を改良したため、24時間レースを前にパフォーマンスアップを果たしています。また、そのテストセッションで発生したギアボックスのトラブルは偶発的なもので、再発防止策を講じています。さらに、今回からブリヂストンタイヤを使うことになっており、それに合わせたサスペンションセッティングも事前テストで進められていました。木田努チーム監督は、「駆動系の心配事はほぼ解決済みです。パワーユニットも駆動系に優しい制御が機能しているので、今回の24時間レースは、トランスミッション交換などは想定に入れていません。また、新たに供給されることになったブリヂストンタイヤとの相性が良いようで、事前テストからとても好調です」と語っていました。120号車は、ロードスターパーティレースや富士チャンピオンレースなどグラスルーツカテゴリーで優秀な成績を収めているベテランやヤングドライバーを集めた急造チームであり、鈴鹿ではライバルの脱落もあって5位入賞でしたが、シリーズのハイライトである富士24時間ではライバルたちも周到に準備してきており、そう簡単に入賞を目指すとは言えない状況です。

このレースウィークは天候に恵まれ、5月26日(金)の公式予選も晴れのドライコンディションで進行しました。グループ1の公式予選が始まると、55号車MAZDA3が好タイムを連発します。これまで、ST-5クラスのトップよりも少し速い程度であり、開幕戦鈴鹿ではST-4クラスのトップから2秒落ち、カーボンニュートラル燃料を使うST-Qクラスのマシンからは4秒ほども離されていましたが、今回は28号車GR86や61号車BRZに迫るラップタイムで走行しています。Aドライバーの寺川は、「エンジンは前回の富士テストと同仕様です。吸気経路の改良で無理なくタービンにエアが送れています。鈴鹿レース以後材質を変えたフロントバンパーによる軽量化はありましたが、大きな変化点といえばブリヂストンタイヤへの変更でしょう。MAZDA3の挙動を熟知しているサスペンション専門エンジニアのアドバイスで、足回りをセッティングしているので、それらの要素の複合で本来の速さを発揮できるようになった、と言って良いでしょう」と語っています。Bドライバーの関がチームベストを記録していますが、寺川もCドライバーの井尻も同等タイムで走っています。また、助っ人ドライバーの堤は、「生まれて初めてFFレースカーで予選アタックしました。当初はフロントヘビーでアンダーステアがきついと感じましたが、だんだん慣れてきました」と語る通り、E・Fドライバー予選では前記3名のレギュラーに迫るタイムを記録しています。

一方、ST-5クラスの120号車ROADSTERは、Aドライバー杉野、Bドライバー樋口の合計により、総合46位クラス8位となっています。ちなみにチームベストはCドライバーの織田で、Dドライバー箕輪がそれに続きました。コーチの檜井保孝は、「我々は、ブリヂストン製ニュータイヤに対する知見が少なかったので、ニュー(フレッシュタイヤ)で走ったAドライバーとBドライバーには申し訳ないけど、外してしまったかなと。しかし、ではどうするかを検討した結果、Cドライバーは2番手タイムだったし、Cドライバーも良いタイムで回れましたよね。なので、今回は予選8番手からスタートなので序盤は焦らずゆっくり行こうと思います。でも、今後に向けては良い材料が仕入れられたので、SUGOではそれを活かしていきたいですね。前回の富士テストでは、このブリヂストン製溝付きタイヤがどれだけもつかを試したかったので、ロングを中心に走りました。なので、今回の予選は外したけれどレース中は全員そこそこ走れるはずなので、良いところまで行けると期待しています」と話しています。参戦メンバーの母体の一つである、富士チャンピオンシリーズのロードスターカップがサポートレースとして開催されており、過去最大のエントリー数であったことは、このチャレンジプログラムへの関心の高さともいえるでしょう。

5月27日(土)午後3時、1周のフォーメーションラップののち、24時間の決勝レースはスタートしました。寺川がスタートを担当し、約2時間後には2番手の前田に交代し、前田は29周を走りました。3時間後の順位は29位でした。3番手の関、4番手の井尻と順調にバトンをつなぎ、6時間後には総合26位に上がっています。しかし、5番手の阪口がコースインしたところ、右フロントのハブボルトが折損。荷重に耐えられなくなった他のボルトも相次いで折れて、ストップ。レッカー車でリペアエリアに運び込まれることとなりました。「ヘアピンで突然ガクンときました。その後300Rを惰性でやり過ごし、ダンロップコーナーを回ったところで動けなくなりました。フロントタイヤはほぼ外れかかっていました。しかし、メカニックさんたちがリペアエリアで待っていてくれたので、ピットまで戻ることができました」と阪口は話しています。サスペンション関係や駆動系には、見た目はダメージがないように見えますが、大事をとって部品総交換となり、修理は3時間半にも及びました。深夜に再度走り始めましたが、その後コース上で大きなクラッシュが発生したことで、デブリ回収およびクラッシュパッドの改修のため約1時間半の間レースは赤旗中断となり、朝5時から再開されることとなりました。

120号車は、スタート担当の樋口から上田へとつなぎ、その後杉野に交代しました。杉野がコカコーラコーナーにさしかかったところ、速いクルマに押し出される形でコースアウト。フロントスポイラーを失い、リヤ下部にダメージを負ってピットイン。脱落しかかっていたデフオイルクーラーの修理などを行いました。これによってわずかな時間をロスしましたが、その後杉野から菊池に交代し、さらに織田、箕輪へと繋いで一巡します。初のナイトレースセクションを終えた箕輪は、「初めてレースで夜間を経験しました。スピードには慣れてきたつもりですが、やはり速いクルマや上位車が迫ってくると、怖いしその避け方が難しいと感じました。それでもマツダの看板を背負っているので、良い意味で緊張しながらレース中もそうでない時も振る舞うよう心がけています」と話していました。その後、朝方に2スティントを連続して乗った織田は、「決勝レースでの安定した走りを目指してセットアップしてきたつもりですが、初期アンダーというのがなかなか消せず、タイヤグリップが厳しくなるとさらにそれが顕著となり、気を使って走らないといけない状況でした。次のレースまでには解決したいと思います」と語っています。120号車はその後も順調に周回を続け、午後3時には総周回数582周を走り抜き、クラス6位入賞。初挑戦ながら24時間レースを完走、入賞という目標を果たしました。

55号車MAZDA3は、レース再開後はトラブルもなく、堤から寺川、関、井尻、阪口、再び堤へと繋いで行きました。その後、レースフィニッシュが近づき、最終ランナーの前田にドライバー交代。安定した走りで前田はゴールを目指しますが、レースが残り10分という時点で異常が発生しました。「明らかにパワーダウンした」という前田の無線を聞き、ピットは騒然となりました。しかし、ピットインした車両をチェックしたところ、走り切れると判断。再度コースに戻り、その後チェッカーフラッグを受けました。パワーユニット担当のエンジニアによると、吸気系統に取り付けたセンサーが断線したことによる症状であり、エンジン本体には問題ないことがわかりました。途中修理によるロスはあったものの、なんとか24時間を走り切ることができ、長く問題の解決に関わった駆動系エンジニアからは安堵と感激による涙声が聞かれました。チーム代表の前田は、「みんなの力を合わせ、なんとかゴールできました。駆動系やパワーユニットの皆さん、24時間体制でクルマを整備してくれたメカニックの皆さん、お疲れ様でした。本当にありがとう。今後も力を合わせて次のステップを目指しましょう」と話しました。

Text and Photos by MZRacing

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