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アメリカンレース

  • 2019/08/31
  • OTHER(海外)

REミアータの2019年ボンネビルは、「緩塩」に苦しむ

ユタ州の高地に広がる巨大な塩湖で繰り広げられるスピードチャレンジ、「ボンネビルスピードウィーク」が本年も8月9日からスタート、カリフォルニア州LA近郊在住のサムオカモトこと岡本澄人さんは自作のボンネビルチャレンジマシンを例年通り会場に持ち込みました。

 北米仕様のFC RX-7に搭載されていた13B自然吸気エンジンをNA型MX-5ミアータにスワップしたボンネビルチャレンジマシンは、昨年のボンネビルで時速174.756マイル(280.2km/h)を出しながら、ギア比が合わないためフラストレーションを残していたことから、6速が0.87となるRX-8用6MTに交換。長いハイウェイ走行を前提にセットされていたRX-7の標準5MTは、4速と5速のギア比が離れすぎており、クロスレシオの6MTであればさらに加速が期待でき、目標としている時速188マイル(約300km/h)の突破は計算上可能であると目されていました。参加するのは、排気量2リッター以上3リッター未満の自然吸気ガソリンエンジンを積んだ改造スポーツカーが参加できるF/GMSクラスです。

 カリフォルニア在住の友人や日本から手弁当で参加している助っ人スタッフとともに、岡本さんは8月8日にロサンゼルスを出発。トレーラーに乗ったREミアータは、マツダUSAから貸し出されたCX-9に引かれ、約650マイル(1,040km)の距離を13時間かけて移動。ユタ州とネバダ州の州境にあるウェンドーバーに到着したのち、一行は競技トラックの具合を確認するためソルトフラッツに向かいました。前日に降った雨によって、予想通りピットエリアの塩の状態は最悪で、ところどころに大きな水たまりができていました。一行は開会式に参加しましたが、塩の状態が悪いため、週末の好天に期待してコースオープンは12日月曜からになると主催者からアナウンスがあり、一行は途方にくれます。この時点で諦めて帰ってしまったエントラントも多かったようです。岡本さん一行は、REミアータの安全チェックを担当したオフィシャルの指摘によって、いくつかのポイントを改善することになり、週末をこの対応に当てることになりました。

 昨年の成績により、REミアータは今回から5マイルのロングースが走れることになっていました。しかし、月曜になっても塩の状態は芳しくなく、13日火曜日までコースはオープンされないことになりました。翌日になってみると、オープンしたロングコースには朝早くからエントラントが集中し、長蛇の列ができていました。すると、モーターサイクルがロングコースの塩が緩い箇所で転倒する事故があり、早くもコースはクローズされてしまいます。岡本さんチームは、ピットエリアから10kmほど離れたショートコースに移動。ひたすら出走の順番を待ちました。そして、いざ出走の順番が回ってきたため、スタートラインにつくと、オフィシャルから「エンジンを切れ」の合図が。オイルクーラーのクランプが緩み、そこからオイルを塩の上にぶちまけていました。その修理をしているうちに夕方5時となり、この日の走行は終了となってしまいした。 チームの予定では14日水曜日がソルトチャレンジ最終日で、助っ人たちはそれぞれ帰宅しなければなりません。そのため早朝からスタートラインに赴き、なんとかREミアータは走行をスタートします。しかし、通常のショートコースは、1マイルの助走を経て計測マイルが2マイルあるのですが、塩の具合により今回は計測マイルがスタートから1.25マイル(約2km)しかありません。この距離で188mphを突破するのは不可能に近そうです。しかし、6MTとエンジン、車体のマッチングをテストするために走ることにしました。その結果、長く待たされた最初の計測走行は、たった40秒で終了。記録は140mph(225km/h)です。準備に数ヶ月かけ、またLAを出発してから5日間、延々と待たされたのちの挑戦ランはあっと言うまでした。この1本のランをもって、岡本さんとチームの今年のボンネビルチャレンジは終了となりました。

 岡本さんは、「今年は塩の具合がダメで、運が悪かったですね。しかし、走れた区間の印象では、6MTはローギアから5速までが5MTに比べるとクロスレシオなので、ギアのつながりがよく、コースコンディションが良い状態で3マイルまで走れば188mphは達成できたのではないかと思います」とコメントしています。

 今年は残念な結果となりましたが、「塩に取り憑かれた男たち」の挑戦は来年も続きそうです。

Text and Photos by Sam Okamoto

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