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アメリカンレース

  • 2023/06/27
  • OTHER(海外)

マッドマイク、パイクスピークで記録更新の大活躍

6月25日(日)、コロラド州パイクスピークで開催された第101回パイクスピークインターナショナルヒルクライムにて、エキシビジョンクラスに出場した「マッドマイク」ことマイケル・ウィデット(ニュージーランド) は、レースウィーク最終日のファイナルトライアルでこれまでのマツダ車最速記録およびロータリーエンジン搭載車の最速記録を大幅に塗り替える10分34秒980をマーク。集まったレースファンだけでなく、他のエントラントからも称賛の言葉を集めました。マッドマイクの123号車MAZDA3ファストバックは、出走66台中21番手、名手揃いのエキシビジョンクラス5位でフィニッシュしています。

これまで3日間あったプラクティスデイで、それぞれロワセクション、ミドルセクション、トップセクションにおけるセットアップやコンディションチェックは済ませていましたが、最終日のファイナルトライアルは、標高2,860m地点にあるロワセクションから、中間地点のミドルセクション、最も標高の高いトップセクションまで、全長20km、高低差1,439kmのアップヒルを一気に駆け上がるもの。スタート地点とフィニッシュでは、空気中の酸素量が大きく異なります。しかも、通して20kmの同コースを走ったことがないTCPマジックチームには、正確な燃費データがなく、搭載している55.0Lの燃料タンク満タンのガソリンで走り切れるか否かの確証はなかったようです。これまでドリフト専用車を何台も組み上げてきたTCPマジックですが、大型タービンをふたつ装備した4ローターエンジンで20kmもの長距離を走らせたことはないからです。TCPマジック代表でチームオーナーの川戸泰介さんは、「ここまでは、クルマには何の問題もなく順調にきましたが、さすがにファイナルは未知数です。果たして55リットルの燃料で走り切れるのか。確証がないまま、ガソリンを満タンにして暖機を行い、再度燃料をギリギリまで詰め込みました。そこからスタート地点までの距離も燃料を使わないように、手押しでマシンを押して行ったくらいです。それでも少しでもロスがすくなくなるよう、ECUの水温補正やブースト補正もオフにし、あとは運を天に任せるしかありませんでした。マイクにも、”水温、ブーストのワーニングランプが点いても、躊躇せずスロットルを踏み抜いて欲しい”と伝えてありました。その結果、無事燃料はなんとかもち、水温も128℃まで上がり、ワーニングランプは点灯していましたが、エンジンはオーバーヒートせず耐えてくれました。そして、リザルトは過去のマツダ車最速記録、ロータリーエンジン車最速記録を大幅に塗り替えたとのことです。私たちも未知のことだらけのこのイベントで、ルーキーのマイクが新造のレースカーでここまで活躍してくれるとは想像できませんでした。また、TOYOタイヤのプロクセススリックタイヤにも多いに助けられました。今日は気温も路温も高く、スタート時間がこれまでの早朝から太陽が昇り切った昼頃となったため、空気圧をどうするか悩みました。しかし、サスペンション調整までできる時間がないので、内圧高めかも、という状態でスタートしてもらいました。しかし、どのセクションでも根を上げることなく、しっかりMAZDA3を支えてくれました」と語っています。このMAZDA3ファストバックは、フロントに最大1,400PSを発生するTCPマジック製ツインターボ4ロ―ターエンジンを縦置き搭載し、レース用ギアボックス、プロップシャフト、リアデフを配置したフロントエンジン・リア駆動(FR)車です。2022年秋に組み上がり、2023年初めにシェイクダウンしたばかりのブランニューレースカーです。

ドライバーのマッドマイクは、「短い間に多くの方々のサポートでクルマを仕上げることができ、ここパイクスピークで念願の記録更新が果たせてとても嬉しいです。TCPマジックの川戸さんやクルーたち、サプライヤーのみなさん、もちろん日本から声援を送ってくれたファンの皆さんの力がなければできなかった記録だと思います。本当にありがとうございました。とても楽しかったです」とコメントを残しました。

Text by MZRacing, Photos by Larry Chen foto

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