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アメリカンレース

  • 2014/07/23

マツダSKYACTIV-Dレーシングエンジン

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 マツダCX-5に搭載されてデビューし、その後アテンザ、アクセラ用も設定されて日本に「スポーティディーゼル」という新しいカテゴリーを築き上げたマツダSKYACTIV-Dエンジン。このプロダクションエンジンと同じ2.2リットル4気筒DOHCディーゼル・2ステージターボのSKYACTIV-Dレーシングエンジンの開発は、2012年1月にスタートしています。同年2月に市場導入されたCX-5用量産エンジンがラインオフすると同時に一台がフロリダ州のスピードソース・エンジニアリング社に送られ、現実的な開発が一気に加速していきました。レーシングエンジンを開発するにあたり、エンジンブロックは量産品を使い、構成部品についても材質置換はなるべく避けながら出力向上にともなう強化は行い、バルブトレインシステムなどは量産パーツがそのまま使われることになりました。コンロッドやクランクシャフトは材質置換をおこなっていますが、ピストンは最初のディーゼルレーサーとなったマツダ6 GX用にはアルミ製を使っています。レースエンジンのベース設計は固まり、エンジンベンチでは50時間連続運転しても壊れることがないことがわかり、加減速を含めたデイトナモードで何度もテスト運転が繰り返されました。

 しかし、デビュー戦となった2013年のデイトナ24時間レースでは、トラブルが続出し、スタートから3時間で3台のSKYACTIV-Dレーシングエンジンを搭載したマツダ6 GXは停止してしまいます。その原因が、エンジン本体のバイブレーションにあり、それがもとで燃料ラインが折れてフューエルリークをたびたび起こしていました。また、1台は異常燃焼によりエンジン内部が損傷しています。レースシーズンはすでにスタートしていたため、レース準備をしながらエンジンの開発を同時進行するのはかなり重いミッションだったと言えます。そのため、急遽広島のマツダ本社とカリフォルニアのマツダUSA R&Dセンターから解析と材質の専門家およびディーゼルエンジンのスペシャリストが開発の前戦拠点となっているスピードソース社に送り込まれ、解決策を探りました。その結果、デトネーションはピストンの燃焼室形状の設計変更で解決し、バイブレーションの解消のために数々のアイディアがエンジン側とシャシー側の双方に盛り込まれることとなりました。これが功を奏し、デイトナから約1ヶ月後のグランダム第2戦オースチンラウンドでは1台が完走を果たすことになります。その後、より安定した性能を発揮するための改良が次々に導入され、GXクラスで9連勝を達成。マツダは、2013年の同クラスマニュファクチャラーチャンピオンに輝きました。

 2013年シーズンが終了した9月には、プロトタイプカーへの搭載プログラムがスタートし、エンジン本体はそれに合わせたモディファイが盛り込きれていきます。まずは潤滑方式を改め、GXマシンよりさらに低い位置にエンジン本体をマウントできるようにしました。また、エンジンをミッドシップマウントすることで必要になる十分な冷却のため、ウォータージャケットに追加ピースを取り付け、クーリング容量を増やしています。それでも2014年のデイトナ24時間レースでは、エンジンの温度が下がらずオーバーヒートを招いています。プロトタイプ用SKYACTIV-Dエンジンは、GX用の380馬力から450馬力へパワーアップされています。この出力向上は、主にボッシュが提供する燃料供給システムによってそれが達成されています。デイトナ以降つきまとっていたオーバーヒートは、導風の工夫などによって徐々に解決に向かっています。このあとは、さらに出力向上を目指しており、そうなると強化したシリンダーヘッドが必要であり、その信頼性が確認されるまでにはまたしてもメイクアンドトライが繰り返されることになるでしょう。現在の450馬力仕様では予選ではトップグループから4〜5秒ほど離されていますが、決勝レースではそれが2〜3秒差に縮まります。低回転で大トルクを発生するディーゼルターボエンジンのため、燃費はV8マシンよりも優れており、マツダLMP2 SKYACTIV-Dレーシングは今後競争力を付けていくことでしょう。

 CX-5やアテンザ、アクセラのディーゼル車オーナーの皆さんは、同じSKYACTIV-Dエンジンが世界の強豪に立ち向かっていることを誇りに思って良いでしょう。

Photo by MZRacing

メイン画像:プロトタイプ車のエンジンベイ

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