- 2016/08/02
マッド・マイクの4ローターND MX-5の実力はいかに
5月にエビスサーキットで開催されたフォーミュラ・ドリフト(FD)世界選手権第3戦にFD3S型RX-7を4ローター+ツインターボ化した「HUMBUL RX7」で出場し、総合優勝を飾った「マッド・マイク」ことマイク・ウィデット(ニュージーランド)。その後、6戦を終えてなお彼はFD世界選手権のポイントリーダーに君臨しています。そのマイクの愛機には、優勝した「HUMBUL」のほか、マツダMX-5をベースとした「RADBUL」があります。この「RADBUL」は、今年になって最新のND型MX-5のルックスを持つ異色のマシンとしてデビューしましたが、実はこれまでFD世界選手権を戦ってきたNC型MX-5をベースとしており、ノーズやリアエンドパネルを始めとするルックスをND化したもののため「RADBUL GEN2」と呼ばれることになりました。そのRADBUL GEN2に今回はフォーカスを絞り、紹介していきます。
このRADBUL GEN2についてマイクは、「プラットフォームの下は、NCの最初の開発の年であった昨年とほぼ同じスペックそのままです。私たちは昨年、大量のデータを収集することができ、マシンの開発を大幅に進めることができました。そしてこのシャシーである程度成果をおさめられることがわかりました。これは先行して開発していたもう一台のマシン、「BADBUL RX-8」が既に開発が進んでいたことも要因のひとつです。なにしろサブフレームが似ていますから。ですから今回は、大きなモディファンをする必要がなかったのです。搭載している4ローター・ツインターボのロータリーエンジンに関しても昨年のものとだいたい同じです。昨年、私たちは1,000馬力以上のエンジンパワーで競技を走っていました。この馬力は、わずか19psi(約1.3kg/cm2)の最大ブーストで発揮できたので、馬力だけみると大出力に思えますが、かなり信頼性の高いセットアップだったのです」と語っています。
マイクは、このエンジンの信頼性はかなり高いとみているようで、「私たちは、オーランド(フロリダ)やテキサスのような地域の高い気温と湿度がどう影響するのか心配していました。なぜなら、それをニュージーランドでテストすることができなかったからです。エンジンには本当に厳しい使用環境だったはずですが、シーズンの終わりにエンジンを分解するとまだ新品のように見えました」と語っています。昨年は高温によるトラブルがあったため、「今年も私たちは同じサイズのラジエター、インタークーラー、オイルクーラーを使っていますが、昨年よりも効果的な導風ルートを確保し、アウトレットで強制的に排出するようにしたため、熱対策は万全となりました。エンジンセッティングは、昨年とほとんど同じです。しかし、コンディションを見た結果、シーズンを通して少しブーストを上げられることがわかったので、第2戦のアトランタでは実際にブーストを上げて使っています」と語りました。
ND型MX-5のルックスを採用しながら、そのモノコック・シャシーを使用しない理由について「マツダがND型のプラットフォームをリリースしたばかりですので、このタイミングで最初から全く新しいマシンを作るのは、私たちにとって理想的ではなかったのです。もしそれをやるとなると、サスペンション部品やアームなど、新しくなったパーツをいちから設計しセットアップしなければならず、またしても開発の年になってしまいます。ですから、今年はND型MX-5のフロントとリアのボディをNC型のモノコックにドッキングすることを選択しました。でもそれは、実は簡単な作業ではありませんでした。NC型とND型のドア位置は大幅に異なり、またフロントセクションはND型の方がかなり長くなっています。コンバートは大変な作業でしたが、このマシンを製作するにあたって有意義な時間を過ごしました」。マイクはこのモディファイに特に誇りを持っているようで、「私は選手権で出走している時間はもちろんのこと、マシンを決めてカラーリングやボディキットを決め、マシンを仕上げていく過程も楽しんでいるのです」と語りました。
この新しいRADBUL GEN 2でマイクは、FD世界選手権の2016年シーズンの開幕2ラウンドでよいスタートを切ることができ、そして先述のとおり現在も選手権のポイントリーダーとなっています。
FD世界選手権は、8月20日(土)、21日(日)に岡山国際サーキットにて開催されます。マイクと4ローターマシンの活躍をぜひ会場にてご覧下さい。
【関連リンク】
>>> マッド・マイクのHUMBUL RX-7、FDエビス戦で優勝
>>> マッドマイクのマツダMX5 「RADBUL」、灼熱のオーランドで戦う
>>> 【特集】マッド・マイクの4ローターND MX-5の実力はいかに
>>> フォーミュラドリフト岡山ラウンド、マッドマイクとHUMBUL RX-7は9位
【関連動画】
>>> Mad Mike Formula Drift Round 3 Orlando, FL 2016
Photo by © Red Bull Media House
このRADBUL GEN2についてマイクは、「プラットフォームの下は、NCの最初の開発の年であった昨年とほぼ同じスペックそのままです。私たちは昨年、大量のデータを収集することができ、マシンの開発を大幅に進めることができました。そしてこのシャシーである程度成果をおさめられることがわかりました。これは先行して開発していたもう一台のマシン、「BADBUL RX-8」が既に開発が進んでいたことも要因のひとつです。なにしろサブフレームが似ていますから。ですから今回は、大きなモディファンをする必要がなかったのです。搭載している4ローター・ツインターボのロータリーエンジンに関しても昨年のものとだいたい同じです。昨年、私たちは1,000馬力以上のエンジンパワーで競技を走っていました。この馬力は、わずか19psi(約1.3kg/cm2)の最大ブーストで発揮できたので、馬力だけみると大出力に思えますが、かなり信頼性の高いセットアップだったのです」と語っています。
マイクは、このエンジンの信頼性はかなり高いとみているようで、「私たちは、オーランド(フロリダ)やテキサスのような地域の高い気温と湿度がどう影響するのか心配していました。なぜなら、それをニュージーランドでテストすることができなかったからです。エンジンには本当に厳しい使用環境だったはずですが、シーズンの終わりにエンジンを分解するとまだ新品のように見えました」と語っています。昨年は高温によるトラブルがあったため、「今年も私たちは同じサイズのラジエター、インタークーラー、オイルクーラーを使っていますが、昨年よりも効果的な導風ルートを確保し、アウトレットで強制的に排出するようにしたため、熱対策は万全となりました。エンジンセッティングは、昨年とほとんど同じです。しかし、コンディションを見た結果、シーズンを通して少しブーストを上げられることがわかったので、第2戦のアトランタでは実際にブーストを上げて使っています」と語りました。
ND型MX-5のルックスを採用しながら、そのモノコック・シャシーを使用しない理由について「マツダがND型のプラットフォームをリリースしたばかりですので、このタイミングで最初から全く新しいマシンを作るのは、私たちにとって理想的ではなかったのです。もしそれをやるとなると、サスペンション部品やアームなど、新しくなったパーツをいちから設計しセットアップしなければならず、またしても開発の年になってしまいます。ですから、今年はND型MX-5のフロントとリアのボディをNC型のモノコックにドッキングすることを選択しました。でもそれは、実は簡単な作業ではありませんでした。NC型とND型のドア位置は大幅に異なり、またフロントセクションはND型の方がかなり長くなっています。コンバートは大変な作業でしたが、このマシンを製作するにあたって有意義な時間を過ごしました」。マイクはこのモディファイに特に誇りを持っているようで、「私は選手権で出走している時間はもちろんのこと、マシンを決めてカラーリングやボディキットを決め、マシンを仕上げていく過程も楽しんでいるのです」と語りました。
この新しいRADBUL GEN 2でマイクは、FD世界選手権の2016年シーズンの開幕2ラウンドでよいスタートを切ることができ、そして先述のとおり現在も選手権のポイントリーダーとなっています。
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