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  • 2016/10/10

「ONE MAZDAになれる、それが4耐です」マツダ役員、日産の現役ドライバーが語る 第27回ロードスター・メディア4耐

9月3日「第27回 メディア対抗ロードスター4時間耐久レース」(通称:4耐)が、筑波サーキットで開催されました。
初代ロードスターが発売された1989年の初回から、毎年夏の終わりに開催される4耐。クルマの走る楽しさを伝えるべく、普段は取材する側のメディアが自らチームを組み、ロードスターで4時間の耐久レースに挑みます。

今年は2年連続優勝を果たしたピストン西沢さん率いる「J-WAVEポテンザロードスター」が、前年度の勝者に課されるハンデを背負いながら3連覇を目指して力走するも、トップでチェッカーフラッグを受けたのはドリキン(ドリフトキング)の愛称で知られる土屋圭市さんのチーム「ホットバージョンロードスター 土屋一家」!



12年ぶりの優勝を果たした「ホットバージョンロードスター 土屋一家」
チーム代表・ホットバージョン編集長の本田俊也さんは、「前回優勝した2004年は、土屋さんと僕もドライバーで参加しました。今年は若手ドライバーを育てたいという思いで、ドリフトの若手トップドライバーでチームを組みました。ナンバー付き車両で競えるドリフトからルマンに行った土屋さんの様に、第二、第三の土屋さんを育てたい。ナンバー付き車両とほぼ同じ仕様で競う4耐で、ドリフトメンバーで勝つ。モータースポーツの中心にいる僕らなりのやり方で、モータースポーツ、クルマ好きを増やしたい。そう思って真剣に勝負しました。12年ぶり、本当に嬉しいですね」と喜びを語りました。



チームメンバーの辻かずんどさんは「このレースにチーム一丸となって全身全霊を注いできたので、本当に嬉しいです。ドリフトと耐久レースは別ものですが“チャンピオン”という名のつくドライバーは流石です。その適応能力の高さに感動しました」と語りました。辻さんは同日併催競技として開催されたロードスター・パーティレースⅢ NCシリーズにも参加し優勝!W優勝となりました。




6回目の出場、マツダ藤原専務執行役員のラストラン
マツダ社員で構成されたチーム、「人馬一体ロードスター」も27年分の歴史があります。初回出場から社員によって代々ドライバー席が引き継がれ、専務執行役員の藤原清志さんは、6回目の出場となる今回がラストランとなりました。



「最後まで楽しく走ることができました。4耐は個人戦ではなく、チームで戦うもの。ドライバーやメカニック一人一人が、いかに自制心を保ちながらチームの為に最善を尽くすか。私が4耐に出て得た1番のものは“チームワーク”でした。

これは我々のチームに限らず、他のチームも同じで、全チームが同じクルマで同じ土俵で同じゴールに向かって走ります。いわば4耐全体、参加者全員がチームのようなレースです。

マツダの特徴である“ONE MAZDA(ワンマツダ)”になれる、それが4耐です。ドライバーは今日で卒業ですが、マツダはこれからも4耐を続けて行きます。皆で楽しんで、笑顔になって、クルマを楽しむということを伝えていきたいですね」と語りました。




4耐ドライバーデビュー、ロードスター開発主査の中山さん


今年ドライバーとして初出場した、ロードスター開発主査の中山雅さんは「今日は無事に走り終えて安心しました。27年前に初代NAを購入して一ロードスターオーナーとなり、27年後の今、自分が開発主査となってこの場に立つなんて想像もできませんでした。

開発ではなく、デザイナー出身の僕が主査になることは、皆さんのイメージに無かったと思います。でもそれが、ロードスターらしい。レース初心者の僕でも、ロードスターと出会って、レースに出られる。人生が変わる、人生とロードスターが重なるんですね。

レース初心者の新米主査が4耐に出る姿を見て、“あいつが出来るなら”、“あいつも変われるなら、自分も出来るんじゃないか”そんな風に思って、皆さんが変わるきっかけになれたら嬉しいです」 中山さんは“ロードスターは夢を叶えるクルマ”とも語っていました。


ピットクルーもマツダ社員「4耐でマツダ社員としてあるべき姿を学びました」
「人馬一体ロードスター」チームを支えるピットクルーもマツダ社員。メカニックとして参加した馬越唯さんは、普段の業務ではアクティブセーフティ系の実験を担当されています。



「以前ロードスターのイベントにスタッフで参加した際に、山本さんと中山さん(ロードスターアンバサダー/ロードスター開発主査)から“4耐はすごく楽しいし、感動するよ”と聞いて。昨年も参加を希望したのですが枠がなくて、今年ついに参加できました。

ピットでは泥臭い小さな作業も自ら進んで真剣にやっている役員の姿から、クルマや走ることへの情熱が伝わってきて、この会社で働いていて良かった。そう思いました。役職関係なく、メーカーや企業の壁を超えて協力し合う姿に、マツダ社員としてあるべき姿を学びました。

レースはもっとピリピリしたものかと思っていましたが、他のチームの方が物を貸してくれたり、クルマを一緒に押してくれたり、全てのチームが仲間という感じがして。4耐はマツダが単体でやっているのではなく、ここにいる皆さんと一緒に開催しているんだなと、本当に感動しました」と、来る前の想像を超えた体験ができたようです。




自動車メーカー5社「TEAM JAPAN」のアンカーを務めた、日産自動車株式会社 河本晃一さん
今年で2年目となる自動車メーカー5社で結成された「TEAM JAPAN」。
スバルテクニカインターナショナル株式会社、トヨタ自動車株式会社、日産自動車株式会社、株式会社本田技術研究所(五十音順)、マツダ株式会社からドライバーやメカニックが参加。日本の自動車産業やモータースポーツ界を盛り上げたいという共通の想いで繋がり、結成されたチームです。

日産自動車株式会社 車両実験部の河本晃一さんは、同社のテストドライバーであり、全日本ジムカーナのチャンピオン経験もある現役凄腕ドライバー。(写真中央)



「去年は日産からメカニックが3人参加したのですが、栃木に工場や試験場がある日産として、こんなに近い筑波でなぜ走らないのかと、ドライバーとして是非参加したいと申し出て初めて参加することができました。

ロードスターは人馬一体を究極の域まで仕上げたクルマだと、今日走って実感しました。これ程までにファンに愛されている理由が分かりましたね。NA、NB、NCとロードスターに乗ってきましたが、NDは先代のいいものを引き継いで、更に上を目指して、エンジニアが愚直にクルマに向き合ってきたことが乗っていて伝わってきます。

今日は色々ドラマがあったのですが、とにかく嬉しかったのはチェッカーフラッグを受けた後、日本を代表するエンジニアリングの皆さんと手を合わせて“お疲れ様!”と喜び合えたこと。嬉しかったですね。





日本にはこんなに楽しいクルマと楽しい仲間がいるんだと、このチームは体現できたと思います。オープンマインドで意思疎通し、一瞬でチームになれた。それはこのチームの中心に、ロードスターがいてくれたから。5人のドライバーとロードスターが一つのチームです。このロードスターを“1ラップでも多く走らせたい”、皆が同じ想いで4時間を走り切りました。終わるとこの5号車がかわいくて。“また来年もこいつと走りたい”、参加者の皆さんがそう思うから、27年も続いているんでしょうね。今日は本当に楽しかったです」と笑顔を見せて下さいました。




初めてのレース出場、MWIM2期生 久保川澄香さん
Mazda Women in Motorsport Project(略:MWIM)の二期生として、レースデビューした久保川澄香さん。「WIMSロードスター」は5名のドライバーがエントリーし、久保川さんは第三走者とアンカーを務めました。ロードスター・パーティレースシリーズで活躍する、MWIM一期生の小松さんが燃費計算を担当しました。



「すごく楽しかったです。特に日没後はタイヤが安定して、暗い中集中できました。燃費計算はロードスターのレース経験が豊富な小松さんが担当してくれたので、安心して走りに集中できました。他のチームの刺激を受けながら、ドライバーとピットクルー皆で一緒にゴールを目指すこのレース。やみつきになりそうです。耐久レースって面白いですね。

今日“久保川さんの走りって見ててワクワクするよね”って言われて、初めてのレースでそう言われたことが嬉しかったです」と語りました。久保川さんは元々ドリフトの世界で活躍していた実力者。レース終盤、燃料不足でペースを落とすチームもいる中、燃料に余裕があった「WIMSロードスター」はアンカー久保川さんでペースアップ。ピットからの応援を受け、ベストラップを何度も更新する久保川さんの走りは、ワクワクするような“走る歓び”が伝わってきました。




ロードスターアンバサダー山本 修弘さん「走る歓びを、本気で楽しんでいる姿を伝えたい」
今年、ロードスターの開発主査を中山さんに引継ぎ、新たにロードスターアンバサダーとなった山本 修弘さんは昨年に続き「TEAM JAPAN」のドライバーとして参加。ドライバーと走り終えた後も、ピットからチームをサポートします。





「27回目を迎えて益々このレースは盛り上がってきています。メーカーの垣根を超えた「TEAM JAPAN」も2年目を迎え、「WIMSロードスター」も新たなメンバーがどんどん出てきています。我々大人たちが、このロードスターで共に走り、共に喜び、走る歓びを本気で楽しんでいる姿を、皆さんに伝えていきたいですね」と語りました。




この日は4耐以外にも、ステージトークショーや、GLOBAL MX-5 CUP仕様車の展示、マツダモノづくり講座、マツダ人馬一体講座、タミヤRCカー体験コーナー、美味しいバーベキューが味わえるコーナー、戦隊ショーなど小さなお子様から大人まで楽しめるコンテンツが盛りだくさん。サーキットコースでは、ロードスター・パーティレースⅢ、マツダファン・サーキットトライアル、オールマツダ・ファミリー走行会、MZRacing Roadster Meetingといった、マツダ車で楽しめる参加型レース・イベントが開催され、朝から晩までマツダとサーキットを楽しめる1日となりました。
来年の4耐もぜひお楽しみに!

Photo by H.Miyakado, K.Miyamoto & MZRacing

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