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特集

  • 2017/09/14
  • OTHER(日本)

小俣洋平の全日本ジムカーナ選手権参戦記 2017 Rd6

前戦美川で随分と遅めの今シーズン初優勝を遂げ、やる気満々で広島ラウンドを迎えましたジムカーナ野郎小俣洋平です。人間単純なもので成績が悪いと精神的にも停滞してしまい、勝てばその逆!上昇気流に乗った天下無敵の昇り竜の様な気持ちになるので不思議なものです。まあ逆に言えば気持ちの切り替えがとても大切なのだと今改めて感じています。

 

さて今回の第6戦の広島市安佐北区にあるスポーツランドTAMADAは十数年ぶりの全日本イベント開催という事で僕も未経験のコース。過去の大会の映像をyoutubeでチェックして持ち込みセット(まあ変更するのはファイナル位なんだけど)を決めて、前日にマイカーで四国RSKまで部品を持ち込み作業して貰いました。RSKのある愛媛県松山市からスポーツランドTAMADAのある広島県広島市までの移動はRX-7で自走です。瀬戸大橋はジムカーナのお陰で何度も渡りその景色がとても好きになりましたが、広島県尾道市⇔愛媛県今治市をつなぐ瀬戸内しまなみ海道は今回が発体験!さぞや絶景な橋なんだろうと妄想して向かいましたが、車高の低いRX-7からは橋の歩道くらいしか観れず、ガックシ・・・。そして何よりも早朝の移動とはいえ8月の広島はとにかく暑い!ただでさえ暑いRX-7の車内はもう蒸し風呂状態、自走だけでダイエットになる気がした8月の暑い朝でした。

 

さて肝心のスポーツランドTAMADA、レイアウト自体はオーソドックスな昔ながらのカートコースで、縁石、バンク、緩やかな勾配、路面のグリップが判断しにくい印象があるものの、走ってみると楽しいコースです。低速コーナーの回答性と中速コーナーのバランスが求められる印象でRX-7としては得意科目なコースで一安心。真夏の猛暑の中、みっちりと二日間走りこみました。

そして迎えた大会ウィーク。金曜日は順調にメニューをこなしライバルのNSX西森さんを少し引き離しトップタイム。僕はニュータイヤ、西森さんは中古タイヤでの走行なので油断は出来ませんがこのところ接戦続きだったので、金曜日の晩は久しぶりにニッコリしながら広島焼きを美味しく頂きました。

土曜日はコースレイアウトもがらりと変わりました。第1ヒート色々と内容が悪く特に下りのコークスクリューは大オーバーで大失敗・・・、トップ西森さんに大きく遅れてしまいます。車両セットやコース攻略を練り直しての第2ヒート、大分良い走りが出来たものの、第1ヒートの西森さんのタイムにコンマ1秒届かず2番手で終了。特に下りのコークスクリューがしっくり来ません。そして路面のラバーの影響か第2ヒートはタイムが伸びにくい様です。

 

話が少しそれますが今回から全日本ジムカーナ選手会(All Japan Gymkhana Association略してAJGA)が発足されました。AJGAの趣旨としては、ざっくり言うとジムカーナの発展の為にそのトップの全日本選手として色々と前向きに取り組んで行きましょうというものです。今回はギャラリーの為にパドックウォークでのサービスの徹底、開会式でのレーシングスーツ着用を行いました。レースやドリフトなどと違いジムカーナは一見地味な競技ですが、その地味な中に色々なものが凝縮された競技です。1分強の間に、タイヤの運動性能がフルに発揮される競技だからこそのタイヤメーカーの威信をかけた戦いがそこにはあります。またミッドシップvsFR、FFvs4WD、などの駆動方式での優劣、ワンメイク車両での熾烈なバトル、極めつけは仲が良いんだか悪いんだか判らないドライバー同士の意地ぶつかり合い、そしてそれらを盛り上げる絶妙なアナウンスなどと色々なドラマがそこにはあります。そして今回のTAMADAラウンドは主催者の努力がとても感じられる大会でした。2014年の集中豪雨による土砂災害から復興を遂げたスポーツランドTAMADA、イベントを盛り上げる努力が端々に感じられ、協賛のブースなどもとても充実していてギャラリーも多くドライバーとしてはテンションが「ア ガ ル」とても良い大会でした。こういった良い要素が沢山あるジムカーナという競技ですが魅せるという事に関しては努力が足りていないのが現状、AJGAとしての課題です。

またマツダのお膝元の本大会は地元ディーラーの広島マツダさんの協賛により広島マツダカップという大会名で、RX-7の僕としては絶対に負けられない大会でもありました。

 

※MX5カップカーが展示してあり、とってもとってもとっても乗ってみたいなぁと思ったり、来年エントリーしちゃったりできたらいいなぁなんて思った次第です。

 

さあ、肝心の日曜日。前半の区間は土曜日のコースと変更がなく最終のテクニカルセクションが少し追加されました。前半のコース区間はタイヤの新品効果もあり気持ちよく走れ、土曜日に失敗していた下りコークスクリューも上手く纏りました。良い感じで最終のテクニカルセクションに入り、イメージ通り1コ、2コとこなし最後の3コめで

「あぁっっっ・・・!」

普通ミスしないような所で大失敗!。第2ヒートのタイムアップが厳しい事を予想していただけに、久しぶりにヘルメットごとでハンドルをヘッドバット連発・・・。

「最悪・・・、やっちまったぁ・・・」

と思っていたら、なんと西森さんも僕と全く同じところで同じミスをしており0.04秒差で僕がトップで折り返しです。二人そろって仲のよろしい事です。

 

こうなると第2ヒート勝負です。他のクラスでは軒並みタイムダウンが続きしかも落ち幅がかなり大きい状況でしたが、大きなミスをした僕と西森さんはタイムアップ出来るはずと思いスタート。少し路面状況が悪く感じる部分はありましたが、先ず先ずの内容で走行し、下りコーススクリューは

「オォォ!、決まった、俺って天才!」

ってな具合で第1ヒート失敗したターンセクションも落ち着いて決めゴール、ジムカーナで一番気持ちの良い

「ベストタイム更新ィィィィーン」

のアナウンスを聞きましたが後走の西森さんが僕の中間タイムをコンマ1更新して来ました!こうなると、もう神頼みです・・・。

「頼むぞー、抜くなよー!」

と念じながら、西森さんのタイムが読まれるまでの数十秒が永遠に感じられる程長い!

僕のタイムは1分11秒652です。そして聞こえてきた西森さんのタイムは

「1分11秒ロク ハチ ナナ」

0.03秒差で逃げ切りで僕の勝ち。それにしてもなんとも仲の良い事です。

「はぁ、もう心臓に悪いよ・・・」

 

これで西森さん3勝、僕が2勝、残り2戦僕が2コ勝てば僕の年間王者、一回でも西森さんに負けたら西森さんの年間王者、まあ崖っぷちは変わらずですが、また乗り切りました。次は得意な恋の浦、気を引き締めて勝ちに行きたいと思います。

 

※AJGA(全日本ジムカーナ選手会)でもギャラリーに楽しんでもらえるように様々な工夫を考えています。九州の玄界灘を見下ろせる気持ちの良いコースの恋の浦ラウンド、是非観戦の程お願いいたします。

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