- 2017/09/21
小俣洋平の全日本ジムカーナ選手権参戦記 2017 Rd7
マツダのお膝元、広島市スポーツランドTAMADAでの真夏のビッグファイトを制し、今回は得意な恋の浦ラウンドを迎えだいぶ
「グーーーッド ウィドゥム!!」©海南大附属高校バスケ部監督高頭力
になってきた男、小俣洋平です。今年になって世界遺産登録された宗像・沖ノ島と関連遺産群のエリアに位置する恋の浦ですが、その宗像市(ムナカタ市)を人前で堂々と「ムネゾウ、ムネゾウ!」と言い続けていた男、小俣洋平です。
今回も車は自宅には戻さず広島空港の駐車場に預けておき、恋の浦本番一週間前の事前テストの前日に広島空港に車両を取りに行き山陽自動車道を約300km自走して恋の浦に向かいました。初の関門海峡でしたが夜で景色がほとんど観れず淡々と通過してしまいました。
僕を含め全日本ジムカーナのドライバーはほとんどがプロドライバーではなく皆仕事をしながらその合間に全国を転戦しています。なのでどうしても、余裕を持ったスケジュールや移動方法が出来ずゆっくりと観光してみたいなぁと思う所でもただただ殺伐と通過してしまうのが常です。いつかゆっくりと四国、広島、そして今回の関門海峡や宗像・沖ノ島などを観光してみたいと思う今日この頃です。
さて恋の浦ですが玄界灘を見下ろすその景色はジムカーナ場にいる感がなく、いつかは玄界灘にダイブしたいと思ってしまう様な雄大なロケーションが特徴的です。そして肝心のコースは過去3回走っていて(直近の2回は2勝で相性抜群!)特徴は以下の通り。
その1:アップダウンが大きい
その2:道幅が狭くショートカット部での高い縁石
その3:荒れた路面
その4:ペナルティー要注意
トリッキーなコースで、回答性、縁石走破性に優れるマツダのFRが有利なコースです。なので車両セットの確認とドライバーのウォーミングアップが主なテーマと思って向かった事前テストでしたが、走る度に、異音が増えてきてなんか様子がオカシイ。そして走行中にシフトアップしたら
「ガラガラガラ・・・」
なかなかのボリュームの異音発生。
「ミッションいった!?」
と思ったらすぐに異音が消え普通になりました。
「???」
走行後ふとコースを見るとに黒い物体が落ちています。
「ん?、おやっ!?、俺が走ってた時あんなものなかったよな・・・???」
拾いに行くと、それはもうただのゴミ(人は産業廃棄物と言う!)にしか見えない見慣れたセブンのインナーフェンダーの残骸でした。結局フロントのインナーフェンダーは左右とも全て破壊というか外れてしまいました。そういえば昨年と同じロール剛性の筈なのに
「やけに柔らかく感じるなぁ・・・」
なんて思ってて、よく考えたら今年はピロボールを多用していて脚がよく動く様になっていた様です。って事で車高とロール剛性をちょこっと上げて後は順調にテストをこなしました。
迎えた、本番ウィーク。金曜日先ず先ずの調子でトップタイム。新品効果も大きく久々に秒単位で2位以下を引き離してののトップタイムです。その日の夜は上機嫌で宗像市(ムナゾウじゃないよ)の美味しいうどんを食べました。九州のうどんは四国のうどんと違って「クたぁー」としててこれはこれでとても美味しいです。例えるなら四国の「コシ」のあるうどんはハイパコ、九州の「クたぁー」っとしたうどんはスイフト、因みに関東によくある「コシ」を売りにしたチェーン店系のうどんはレングスが短か過ぎて突っ張りまくってるスプリングって印象です。ジムカーナ野郎がうどんを表現するとこういう事になる様です、ハイ。
※意味のワカラナイ方は株式会社MZRacingかhttps://fb.me.com/omatayoheiかそこら辺のクルマオタク迄!
そしてシリーズタイトル争いが佳境を迎えています。僕の走るSA3クラスは第6戦を終えた時点でNSXの西森さんが3勝で2位2回、僕は2勝で2位2回、全8戦中有効6戦で争われるシリーズタイトル争いは西森さんが優勝すればその時点で西森さんのタイトル確定、僕は第7戦恋の浦を優勝して最後の鈴鹿勝負に持ち込むしかありません。2連勝してるけど崖っぷちという状況です。
そして土曜日、コースレイアウトも変りリズムの悪い区間があったものの、この日もトップタイムで終えました。ライバルに対しいつもよりは大きいアドバンテージがあり少し余裕のある展開で迎えた本番の日曜日。コースレイアウトは序盤に一周ヘヤピン周りが追加され、後半のテクニカルセクションが増えました。増えたというか大分しつこいテクニカルセクションで、僕の場合サイドブレーキ7連発!(多い人は8連発)。一つ一つの難易度が高い訳ではありませんが、全体のリズムがとても大事な印象です。
そして第1ヒート、順調に走行し序盤の島回りで少しロスがあったもののそこ以外は先ず先ずの内容で最終のテクニカル区間で一瞬黒旗が見えたもののターンも順調に決めてゴールしました。ところがゴール後タイムを呼ばれることも無くベストタイム更新ィィィィーンも何も聞こえて来ません。
「何?何?どういう状況・・・???」
「そういえば、最終テクニカルで黒旗出てたぞ、それと変な位置にあるパイロンをオフィシャルが修正してるなぁ・・・なんなんだ???」
「そうか前走車がパイロン触ったのの修正が間に合わなくて、俺が走っちゃったから、俺再出走か?」
※一台ずつタイムトライアルするジムカーナは何かコース上に不具合があった場合は赤旗で再出走、ミスコースの場合は黒旗です。
「いや、それにしたらオフィシャルが駆け寄って来ないな、再出走は赤旗だよなぁ、黒旗だったぞ・・・、黒旗ってミスコースだよなぁ、俺ちゃんと走ったよなぁ・・・???」
「てか、なんなの!?完全アウェーのこの空気、何?何?何ヤラカシちゃったの???」
ゴール後、混乱しながらパドックに戻る途中に走行を振り帰ります。
「スタート先ず先ずのトラクションでS字普通に縁石またいで、島のブレーキがちょっとヌルくて島回りヘコッタけど、気持ち切り替えて外周出て3速にシフトアップしてヘヤピンの登りブレーキ先ず先ずで無難にヘヤピンしてゆるいシケインで少しリヤ出掛かったけどまあOKな感じで立ち上がって気持ちよく外周入って行って・・・、あぁ嗚呼ああぁぁぁぁぁ!!ショートカット入ってもう一周ヘヤピン行くの忘れてた!!!」
そうなんです、序盤のかなり早い段階でミスコースしていました。土曜日のコースから追加された部分をすっかり忘れてました。おまけに上手く決めたつもりのテクニカルも無意識でパイロン踏みつけ&吹っ飛ばしのペナルティー。
「玄界灘にダイブしたい・・・」
こうなったら切り替えです。ライバルもミスを犯しており第2ヒート勝負の展開になりました。勝負の第2ヒート、走行前のイメージトレーニングでミスコースした部分を入念に繰り返し落ち着いて走行しました。序盤の小さな島回りで少しアンダーステアが出てしまったものそこ以外は順調に走行を行い、ミスコースしたヘヤピンコーナーも当然通過!外周も気持ちよく通過し最終テクニカルセクションもイメージ通りきっちりとこなしてゴール!トップタイムでしたがタイムが今一つ伸びてません。後走の西森さんのタイムが気になりますがペナルティーを取られ、僕の優勝となりました。
「うーん・・・、スッキリしない」
反省する点が沢山あった恋の浦ラウンドでしたが、これで怒涛の3連勝、気持ちを切り替えて最終戦でタイトル掛けた大一番、鈴鹿勝負です。
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