- 2017/07/29
フライミュージムア探訪記
ドイツ・フライミュージアムは、マツダ車ファンのワンダーランド
5月上旬、ドイツ・アウクスブルクに「マツダ・クラシックオートモビル・ミュージアムフライ」がオープンしました。当地でマツダディーラーを営むフライさん一家が長年かけて収集したマツダ車コレクションを一箇所に集め、世界中のファンにお見せしよう、というのがこのミュージアム設立の理由だと言います。煉瓦造りのクラシックな外観は、元々この場所がアウクスブルク市電の倉庫であり、そびえ立つ煙突は市のアイコニック・シンボルのひとつだと言えるでしょう。建物の建立は1897年というから、130年もの歴史を刻んでいる歴史的建造物でもあります。そんな町の共有財産を私企業の、しかもエンスージアストのためのミュージアムに転嫁しようという発想は、お堅いドイツのこと、当局との交渉は困難を極めたことと想像できますね。
しかし、フライさんご一家の情熱は揺るぎがなく、2011年に市当局の許可を得て、ミュージアムへのリノベーション作業がスタートしました。不特定多数のお客様が訪れるミュージアムは、安全性やセキュリティなどあらゆるリスクに対応している必要があります。フライさん一家は辛抱強く、信念を持って施設のリニューアルを続け、施設の入手から6年が経とうとする本年、ついに一般公開の日の目をみることになったのです。
ミュージムアのエントランスを潜ると、目の前にコスモスポーツの巨大壁面写真が飛び込んで来ます。左側のレジストレーションを通過すると、いよいよミュージアムのホールにたどり着きます。展示フロアには、50台近い展示車が所狭しと並んでいます。戦後直後に発売して人気を博した三輪トラック、マツダ初の乗用車であるR360クーペに始まり、コスモスポーツ110S、R100ロータリークーペなど、初期のロータリースポーツが続きます。ステージには、当時最も美しいグランドクーペと言われたルーチェR130が乗せられており、現代のクルマと比べても決して引けを取らないまとまりの美しさに見とれてしまいますね。
この後には、1970年代のロータリーカーが続きます。マツダRX-2(カペラ)、RX-3(サバンナ)、RX-4(ビッグ・ルーチェ)、RX-5(コスモAP)などヒット車に続き、80年代のサバンナRX-7(SA22C、FC3S)にたどり着きます。その間には、アメリカ市場でのみ販売されたロータリーピックアップ(REPU=レプと呼ばれています)、ロードペーサー(大型サルーン)、ロータリーバスなど珍しいクルマが見えます。後半は、80年代のマツダ323シリーズ(ファミリア)、マツダ626(カペラ)などのFFシリーズ、B10計画で拡大したアンフィニ、ユーノス、オートザムブランドのクルマ達も並んでいます。その中でもNA、NBロードスターやAZ-1、コスモなどが目立ち、スポーツカーがマツダのストロングポイントだということがわかります。
マツダファンなら一度は訪れてほしいこのミュージアム。時々企画展示や、現在展示中のレギュラーに加えて珍しいマツダ車の展示もあるとのこと。なお、全展示車両の詳細は発売中のマツダファンブックvol.3(芸文社発刊)に掲載されていますので、ぜひそれらもご参照ください。
マツダファンブックvol.3のお求めはこちら >>> Mazda Fan Book vol.3(芸文社web)
Photos and Text by MZRacing
5月上旬、ドイツ・アウクスブルクに「マツダ・クラシックオートモビル・ミュージアムフライ」がオープンしました。当地でマツダディーラーを営むフライさん一家が長年かけて収集したマツダ車コレクションを一箇所に集め、世界中のファンにお見せしよう、というのがこのミュージアム設立の理由だと言います。煉瓦造りのクラシックな外観は、元々この場所がアウクスブルク市電の倉庫であり、そびえ立つ煙突は市のアイコニック・シンボルのひとつだと言えるでしょう。建物の建立は1897年というから、130年もの歴史を刻んでいる歴史的建造物でもあります。そんな町の共有財産を私企業の、しかもエンスージアストのためのミュージアムに転嫁しようという発想は、お堅いドイツのこと、当局との交渉は困難を極めたことと想像できますね。
しかし、フライさんご一家の情熱は揺るぎがなく、2011年に市当局の許可を得て、ミュージアムへのリノベーション作業がスタートしました。不特定多数のお客様が訪れるミュージアムは、安全性やセキュリティなどあらゆるリスクに対応している必要があります。フライさん一家は辛抱強く、信念を持って施設のリニューアルを続け、施設の入手から6年が経とうとする本年、ついに一般公開の日の目をみることになったのです。
ミュージムアのエントランスを潜ると、目の前にコスモスポーツの巨大壁面写真が飛び込んで来ます。左側のレジストレーションを通過すると、いよいよミュージアムのホールにたどり着きます。展示フロアには、50台近い展示車が所狭しと並んでいます。戦後直後に発売して人気を博した三輪トラック、マツダ初の乗用車であるR360クーペに始まり、コスモスポーツ110S、R100ロータリークーペなど、初期のロータリースポーツが続きます。ステージには、当時最も美しいグランドクーペと言われたルーチェR130が乗せられており、現代のクルマと比べても決して引けを取らないまとまりの美しさに見とれてしまいますね。
この後には、1970年代のロータリーカーが続きます。マツダRX-2(カペラ)、RX-3(サバンナ)、RX-4(ビッグ・ルーチェ)、RX-5(コスモAP)などヒット車に続き、80年代のサバンナRX-7(SA22C、FC3S)にたどり着きます。その間には、アメリカ市場でのみ販売されたロータリーピックアップ(REPU=レプと呼ばれています)、ロードペーサー(大型サルーン)、ロータリーバスなど珍しいクルマが見えます。後半は、80年代のマツダ323シリーズ(ファミリア)、マツダ626(カペラ)などのFFシリーズ、B10計画で拡大したアンフィニ、ユーノス、オートザムブランドのクルマ達も並んでいます。その中でもNA、NBロードスターやAZ-1、コスモなどが目立ち、スポーツカーがマツダのストロングポイントだということがわかります。
マツダファンなら一度は訪れてほしいこのミュージアム。時々企画展示や、現在展示中のレギュラーに加えて珍しいマツダ車の展示もあるとのこと。なお、全展示車両の詳細は発売中のマツダファンブックvol.3(芸文社発刊)に掲載されていますので、ぜひそれらもご参照ください。
マツダファンブックvol.3のお求めはこちら >>> Mazda Fan Book vol.3(芸文社web)
Photos and Text by MZRacing
アーカイブ
2024
2022
2021
2020
2019
- 11/07
エイトリアンのWTAC参戦記 クルマ好きたちの狂想曲 - 09/06
「REレジェンド片山義美のスピリットよ、いつまでも」 - 07/08
ROADSTER 30th Anniversary Meeting at FUJI SPEEDWAY
を開催
2018
- 07/28
最強のRE「R26Bエンジン」を作った男達 - 07/10
太田智喜の2018年全日本ダートトライアル第5戦 参戦記 - 05/16
太田智喜の2018年全日本ダートトライアル第2戦 参戦記 - 05/16
小俣洋平の全日本ジムカーナ選手権参戦記 2018 Rd3 - 04/16
小俣洋平の全日本ジムカーナ選手権参戦記 2018 Rd2 - 04/10
小俣洋平の全日本ジムカーナ選手権参戦記 2018 Rd1 - 03/27
太田智喜のダートトライアル奮戦記2017 その3 - 01/10
2017年ロータリー50周年イベント紀行
2017
- 12/30
追悼特集「RE開発リーダー山本健一さんを偲んで」 - 12/25
オーストラリアのREマイスター、PAC Performance - 12/13
太田智喜のダートトライアル奮戦記2017 その2 - 11/08
太田智喜のダートトライアル奮戦記2017 その1 - 10/10
小俣洋平の全日本ジムカーナ選手権参戦記 2017 Rd8 - 09/21
小俣洋平の全日本ジムカーナ選手権参戦記 2017 Rd7 - 09/14
小俣洋平の全日本ジムカーナ選手権参戦記 2017 Rd6 - 07/29
フライミュージムア探訪記 - 07/22
小俣洋平の全日本ジムカーナ選手権参戦記 2017 Rd5 - 07/22
小俣洋平の全日本ジムカーナ選手権参戦記 2017 Rd4 - 06/16
ロードスターがジムカーナで活躍できる“当然”の秘密 - 05/29
小俣洋平の全日本ジムカーナ選手権参戦記 2017 Rd2&3 - 04/10
小俣洋平の全日本ジムカーナ選手権参戦記 2017 Rd1 - 02/28
マッドマイクの最新モンスターマシン、マッドブルRX-7 Gen7.3
2016
- 10/27
全日本ジムカーナ選手権第8戦 2016年シーズン最終戦レポート - 10/10
「ONE MAZDAになれる、それが4耐です」マツダ役員、日産の現役ドライバーが語る 第27回ロードスター・メディア4耐 - 09/23
9月25日(日)富士スピードウェイで開催「Be a driver. Experience at FUJI SPEEDWAY」 - 09/20
全日本ジムカーナ選手権第7戦 N2クラス小俣 優勝しシリーズチャンピオン獲得 - 08/18
全日本ジムカーナ選手権第6戦 N2クラス小俣 第2ヒート共にトップタイムで優勝 - 08/02
マッド・マイクの4ローターND MX-5の実力はいかに - 08/01
全日本ジムカーナ選手権第5戦 N2クラスでRX-7小俣2位入賞 - 05/31
全日本ジムカーナ選手権第3戦 N2クラスでRX-7小俣が逃げ切り優勝 - 05/23
全日本ジムカーナ選手権第2戦 PN-1クラスで新型ロードスターがデビューウィン - 03/28
データロギングの勧め、ハイスピードドライビングを科学的に解析する
2015
- 11/08
ひろか〜と伊藤のラリーニッポンR100参戦記 2015 - 10/30
前田育男デザイン本部長にRX-VISIONのデザインを訊く - 07/28
谷川達也のLet’s enjoy!マツ耐参戦日記 – 九州ラウンド - 05/22
谷川達也のLet’s enjoy!マツ耐参戦日記 – 東北ラウンド - 02/25
新型NDロードスター、徐々にその運動性能の高さが明らかに
2014
- 12/29
いとうりなのマツ耐参戦日記【最終戦・岡山ラウンド編】 - 12/26
谷川達也のLet’s enjoy!マツ耐参戦日記【第3戦・筑波ラウンド編】 - 07/14
Support Our Kids 解散式が行われました - 07/11
Nurburgring ニュルブルクリンク24時間レース - 07/07
ロードスター・パーティレースⅡ 第2戦 参加者インタビュー - 06/22
マツダMX-5は、クラッシュしてリタイヤ - 06/21
マツダMX-5、公式予選はクラス4位 - 06/20
マツダMX-5、ニュルブルクリンク24時間レースにチャレンジ - 06/16
24時間スタート前にロードスター25周年パレードラップが実現 - 06/15
ルマン市内のロードスター25周年パレードは大盛況 - 06/13
輝け、子供達よ。マツダがルマンでSupport Our Kidsを支援。 - 06/01
加藤彬彰のLet’s enjoy! マツ耐参戦日記 宮城ラウンド① - 05/20
MAZDA Fan ENDURANCE(マツ耐)に参加しました! - 05/13
テールエンドをスポーティに演出するMZRacingテールフィニッシャーセット - 05/13
5月5日(祝・月)コカ・コーラ オールドナウ・カーフェスティバル「ロードスター・パーティレースⅡ」第1戦 開催 - 04/14
谷川達也のLet’s enjoy!マツ耐参戦日記【第1戦・千葉ラウンド編 – 決勝】 - 04/11
谷川達也のLet’s enjoy!マツ耐参戦日記【第1戦・千葉ラウンド編 – 予選】 - 04/09
谷川達也のLet’s enjoy!マツ耐参戦日記 - 01/18
東京オートサロン2013レビュー 1月11日(金)~13日(日) 幕張メッセ