MZRacing マツダモータースポーツ情報サイト

特集

  • 2017/10/10
  • OTHER(日本)

小俣洋平の全日本ジムカーナ選手権参戦記 2017 Rd8

最近全然行っていないものの秋葉原DDRではとりあえず鈴鹿走っとこ♪っていう感じで鈴鹿本コースは好きだけど南コースははっきしいって超嫌いな男小俣洋平です。RX-7で全日本デビューした2013年はビリ、2015年はウエットで西森さんに2秒以上チギられたりといや~な思いしかない行きたくないコースNo1!

2017年のスケジュール表を見たときに、最終戦鈴鹿南と知って鈴鹿勝負はヤバいから恋の浦で仕留めて勝つしかないなぁなんて思ってました。ところが蓋を開ければ前半絶不調、対して西森さんは絶好調で大ピンチ。後半巻き返し3連勝で最終戦勝負の土俵にはたどり着きましたが、ここで落とせば全てがオジャン・・・ここまで来たら勝つしかない!ってことで悲観なんぞどこぞへすっ飛ばし過去の苦い経験から傾向と対策を考えました。

フロント大好きでいついかなる時もフロントタイヤがグリップしてるオーバーっぽい僕の基本セットが悪いというかそもそも合ってない→だからうまく乗れない→結果遅い。なので普段とは逆の方向に思い切って振ってみる→結構うまく走れる→ギリギリ勝つ。3分で作戦決定!

 

事前のテスト枠が鈴鹿サーキットのいわゆる普通のスポーツ走行枠しかなくしかも半日の枠しかありません。平日でしかも半日だし「どうせがらすき~でしょ~?」なんて思ってて会場に着いたらまぁ良く見るジムカーナ好きの方が沢山いらっしゃる事で、流石全日本トップドライバーの方々です。

 

肝心のテストですが時間もなく大きな変更は出来ません。とりあえず持ち込みセット+小変更である程度「やれそう」な感触は掴め方向性も間違ってなさそうな感じでした。

さらに地元の浅間台で鈴鹿南で感じた”もうちょっと欲しい所”を詰めたセットの確認も出来ました。いつもとは雰囲気大分違うけどこれはこれで良さそうな感じです。

 

そして長ーい遠征で疲れた僕のセブン君は、重作業を伴うメンテが必要でした。僕のメンテナンスガレージであるスーパーオートバックスかしわ沼南はいわゆる大型量販店なのですが競技系の車のノウハウを持っています、それもタンマリト!。ただ大型量販店の常で通常業務が忙しく競技車両をメンテナンスする時間の確保が難しいという問題があります。今回も僕のテストの都合を優先させて貰いタイトなスケジュールでセブン君の主治医内藤さんが生まれたての子供の顔を見る時間を削り夜なべしてきっちりと仕上げてくれました。

 

九州ラウンドを終え中3週間で、現地テスト1回、地元テスト1回(たまたま居合わせたRX-7大橋君ともう一人今年ライバルになる筈だった近所のセブン友達と僕とでセブン3台がたまたま浅間台に揃った、セブン同士の練習はなんか楽しい!)、部品の手配(ヤフオクとか色々・・・)、久々の旧友グループとの会食(皆順調に子育てしててグループ最年長の俺は未だ独身で洒落にならん・・・でも子供が友達にそっくりで癒された!)、スポンサーの㈱クニトモさん(社長は元全日本チャンプ!)との夜の会食、レボリューション高岡さん(僕の作戦参謀!)とのお喋りなど怒涛のスケジュールでしたが、今年ライバルになる筈だった例のセブン友達が部品を快く貸してくれたり、ダンロップさんから03GのニューコンパウンドS5デビューの嬉しいアナウンスがあったりととても良い感じで鈴鹿を迎える事ができました。

 

迎えた本番、先ずは金曜日、通常だと全日本選手権用の金曜練習会が常なのですが鈴鹿南は金曜日はいわゆる普通のスポーツ走行での走行です。コースは前半に8の字が追加された正廻り一周のコース。週末を通して晴天予報(雨じゃなくて良かった!)でしたがこの日はかなり暖かく路面温度も40度オーバー。そんな暖かいコンディションでもダンロップ03GのニューコンパウンドS5(ソフトコンパウンド)は絶好調、初めて鈴鹿南の正廻りをまとも走れる様になってきました。ターンで少し引っ掛かる感じはあるものの、先ず先ずの感触で宿敵NSXの西森さんを少し離してトップタイム。

「よし、嫌なイメージだった鈴鹿南だけどなんとかなりそう!」

金曜日H5 https://www.youtube.com/watch?v=99WMLPOII28&t=17s

 

そして公開練習の土曜日。僕のサービス兼マネージャで女房役のマサルさん登場、そしてコースも多分決勝を見据えたコーすが設定されました。序盤にショートカット部分を豪快に突っ切る区間はどうみてもここで明日がっつりテクニカルやるんでしょ!?的な感じです。

H1、全体的には良い感じですが、後半のターンでパイロンを引っ掛けてしまいました。浅間台でのテストから感じてはいたのですが鈴鹿南用に作ったセットはターンでリヤが引っ掛かる様です。おまけに後半のターン区間は登って下る山みたいな所にパイロンがおいてあり「何この傾斜?」みたいな感じでなかなか厄介です。「やべぇなここ、鬼門だ・・・」。色々とセット変更も頭をよぎったものの他の区間はいい感じだしタイムも良いし「まあ何とかなるっしょ!」精神で車は触らず(週末イチ迷ったけど頼りになる川北さんの大きな顔みながら相談して決定!)

H2、路面温度が上がった序盤の感触があまり良くなく後半のターン手前のGを貯め込んだブレーキングで突っ込み過ぎからの超絶怒涛のドアンダー!からの忙しい鬼門ターン、ドアンダーで2速なのにフルロックまで切っちゃっててどうしようもなく切なく忙しいアプローチだけどターンは無事クリアー!「なんとかなった」。

この日もお互いペナルティーですが生タイムは僕が西森さんを引き離して終了。ただ西森さんは午前と午後の温度に対してソフトとハードのタイヤを逆にして走っているので油断禁物です。

土曜日H1 https://www.youtube.com/watch?v=K8z6SHvaNjM

 

今回の最終戦鈴鹿南は土曜日の夕方に表彰式と決勝コースの完熟歩行がありました。そして、やっぱり出ましたショートカット区間でのテクニカルセクション。

いざ歩いてみて「ナンジャコリャー!!!」手前に規制があるのはよくありますが、規制の位置が次の360度に対して近くて難易度が高そう、ぱっとみ走り方が「ハテハテ・・・???」。序盤のテクニカルエリアはまさに行列の出来るラーメン屋さん状態。後の区間は大きな変更はありません。まぁでも今考えても仕方ないので「明日走るまでに走り方決めよっ♪」って事で楽しく夜ご飯を食べました。

 

因みに金曜日の夜はトンカツ屋でチキンカツ、そして土曜日の夜は中華料理屋でマーボー豆腐セット。これが両方とも中々のボリュームでした。一応レーシングドライバーらしく最高重量70kgというセルフ車両規則を遵守していますが、ジムカーナ本番ウィークは無視!チームタワシの頼もしい先輩たちと我慢せずに食べたいもの食べてお酒は飲み過ぎずに楽しく夜を過ごしました。

 

迎えた決勝の日曜日。ロードスターを始めとして同じFRを中心に前半クラスの走行を観察します。どうもテクニカルは皆それなりに普通にコナシテます。そして走行直後の川北さん(BRZ)からも為になるアドバイスを貰いました。「出来るよ、あんなんラクショー!」確かに完璧だったけど・・・。って事で保険も何も考えずビっタビタで入って行ったら、1個目の規制でリヤが引っ掛かり気味で2個目失敗!

何とか誤魔化しましたが、それ以外の区間もイマイチ調子が出ません。そして後半の鬼門ターンでやらかした・・・。全く回せずオフィシャル方とでお目目とお目目がバチコンコンタクト・・・。「サーセン、バックしまーす♪」本番で久方ぶりのバックギア発動、西森さんもやらかしていて、暫定トップは開幕戦ウィナーの実力者NSX渡辺さんです。

日曜日H1 https://www.youtube.com/watch?v=EindXslU9yA

 

2本目勝負です。西森さんは2本目の逆転勝ちが得意な人です。僕が全日本に出ようかどうしようかなぁなんて思っていて先輩の川北さん(当時はSAクラスのRX-7)にくっついていき2012年最終戦イオックスアローザを見学しました。僕の目の上のタンコブでタメで近所で20歳位のお互いビギナーの頃から仲が良くてだからこそ絶対に負けたくなかった最大のライバルで今は引退したRX-7(Nクラス)の小林辰郎と西森さんのイオックスアローザでのタイトル争いは壮絶でした。状況としては今年の僕と西森さんの状況に似ていて、後半追い上げてきた西森さんが土壇場の2本目に千分の幾つか差で逆転してタイトル獲得、当時掛け値なしに最速のRX-7だった小林辰郎を地獄の底に叩き落しました。そして僕はその小林辰郎に2015年最終戦本庄で勝てばチャンピオン獲得という状況で2本目百分の幾つか差で逆転され地獄の底に叩き落されました。そして2016年、2017年僕と西森さんとでタイトル争いをしています。

 

西森さんがH2クルのは間違いありません。とにかく自分の走りに集中するのみ。走行前は角岡家の子供と遊んでリラックス♪(結構緊張するタイプです)。そして車に乗り込みコース脇で待機中、SA2の同じダンロップの朝山パイセンがベストタイム更新で逆転優勝&タイトルゲット!「いいですねぇ♪アサヤン♡」。ダンロップ菅野さんと「イってきやーす♪」的にアイコンタクトをし準備完了。

前走の西森さんの走行は目を背けて排気音(なんかこの人レブリ気味でバーンバンバンバンってスタートしていって真後ろから見てると3リッターV6のミッドシップのトラクションが超絶怒涛のド迫力で飲みこまれちゃうから絶対に見ません、聞きません、気にしません!(あっ、でもファンの方には是非ライブで観て頂きたい迫力です)やアナウンスなどの余分な情報は自分の声でシャットアウト!

先ずはスタートのトラクションに全神経を集中し、良い感じの蹴り出しでスタート、一発目のテクニカルもさっきより少し大きく振り出し、2個目に対してラインと姿勢完璧!、だけどちょっとエネルギー足りてないかも!ってギリ振り出したけどやっぱプッシュアンダー出た、ハンドル忙しいけどアクセルで誤魔化してライン調整Okで立ち上がりトラクションもいい感じー、でS字1個目普通にこなして2個目もおっ、なんかいいぞー、縁石跨いでジャリジャリって言ってっけど大丈夫っしょ、H1より喰ってる!3個目もリズム良くこなしてドンつきのヘヤピンは立ち上がり重視で少しコンパクト気味&リズム的になんか仕掛け気味になったけど結果オーライで出口ふみっぱ決まった!やっぽーい♪。変な規制のあるヘヤピンのブレーキは普通に飛び込んでヘヤピンこなして左360度ターン、さっき振り出しが甘かった意識があってかちょっとエビりかけた(下手って事!)けど、最小限のロスでトラクション掛けて立ち上がり良いですよー、から2速にショートシフトして軽く転がしながら合わせて下りコークスクリュー縁石に沿うようにチョイ仕掛けして、うーん完璧!俺ってベッテルハミルトンより上手くね?からヘヤピン手前3速シフトアップしてしっかりボトム落としてきっちり曲げながら早めのアクセルONでリヤ出掛かったけどトラクションOK!いいぞー♪3速シフトアップして下りでG溜め込んだブレーキ、ここは頑張り過ぎず落ち着いてこなし鬼門のターン!。車速キープとラインに全神経集中!よっしゃクリア、トラクションも良い感じでスラロームも車速とラインに集中し良い感じの車速で踏み抜いてー・・・。

日曜日H2 https://www.youtube.com/watch?v=gjln8XLOcqM

 

 

言葉にすると長いですが1分10秒位の僕の内訳です。今年は良い結果を出すことが出来ました。

MZRacingさんにはこういう記事を書くという場を与えて頂き感謝しております。そして一年間お付き合い頂きありがとうございました。

昨年は大分猫かぶって記事書いてましたが今年は大分地がでてしまいました。

来シーズンもよりよい舞台に立てる様に、そしてより面白いレポートをお届け出来る様、これからのストーブリーグ全力で頑張ります。

 

Text by 小俣洋平
Photo by CINQ

PAGE TOP

©  MZRacing. All Right Reserved.

サイトマップ