- 2016/10/27
全日本ジムカーナ選手権第8戦 2016年シーズン最終戦レポート
全国のマツダ車ファンの皆さま、そしてモータースポーツファンの皆さまこんにちは。ジムカーナが3度の飯より好きな男、コマッタ小俣です。月日が流れるのがとても早いもので、2016年シーズンも最終戦のイオックスアローザラウンドを残すのみとなりました。
最終戦の舞台、イオックスアローザは富山県のスキー場イオックスアローザの駐車場を使用した俗にいうフルパイロンコースです。レースと異なりジムカーナの会場は多種多様です。大きい所は岡山国際サーキットの様なインターナショナルサーキット、中くらいの規模としてはミニサーキットやカートコース、そして今回のイオックスアローザ等の駐車場の広場にパイロンを並べたフルパイロンコースと様々なタイプのコースがあります。
フルパイロンコースの特徴は、まずコース設定が自由でどんなコースでも設定可能な事。もう一つの特徴はコースが小さいので一カ所から全て見渡すことが出来ます。そして全開で加速してきた車がフルブレーキングからサイドターンで横滑りするいわゆる「見せ場」を観客席から間近で観ることが出来ます。今回のイオックスアローザは主催者の努力もあり多数の一般来場の観客が来てくれていました。
WRCのビデオを見るのが好きだった若いころ、ブレーキングドリフトから振りっ返してサイドターンをパイロンすれすれで決めるジムカーナの映像を観て「カッコいいー!」と純粋に思い自分もジムカーナに嵌りました。コース設定にその様な「魅せる要素」を盛り込み、観客に楽しんでもらう事はとても大切なことだと思います。
今回のマツダ車の参加はPN1クラスに亀山伸一、久保敦嗣、片岡一司、難波眞、米澤匠、小林キュウテン、稲木亨、斉藤邦夫の8台のロードスター。なんか増えてきた!N2クラスに石森章太郎、安部洋一、上本昌彦、小俣洋平の4台のRX-7、SA2クラスに高橋陽介、大橋正培、上野健司、鰐部光二、葛西祐治、山田寛宣の6台のRX-7、SCクラスに藤井雅弘のRX-7と合計19台の参加となりました。
※来シーズンからNクラスとSAクラスは統合されよりシビアな戦いになります。
<PN1クラス>
決勝の日曜日は天候が不安定でした。このクラスは第1ヒートがウェット、第2ヒートはセミウェットとなり、後半スタートのマシンはほぼドライの状態となりました。FFのスイフトがライバルとなるロードスター勢は不安定な路面に苦しみ、タイムが伸び悩みました。最終走者斉藤もスイフト勢に食い込むタイムを刻みましたが、痛恨のパイロンタッチで上位入賞は叶いませんでした。今大会は天候に苦しんだロードスター勢ですが、参戦初年度で3勝という活躍により、2017年はロードスターが更に増えるのではないでしょうか。
私自身もロードスターに惹かれているひとりです。いずれにしろ来年はロードスター同士の熾烈なタイトル争いが繰り広げられることが予想されます。
<N2クラス>
前戦九州恋の浦Rdで初の年間王者を決めた私コマッタ小俣は、来シーズンへの第1歩、また今回イオックスアローザと似たコースの美川スポーツランドでの敗戦へのリトライという意味も込め、気合を入れて臨みました。事前テストで課題のドライビングとマシンセットアップを入念に行い、良い感触を持って決勝ウィークに臨みました。
金曜日は晴れで、10月初旬にしてはかなり暖かく路面も30℃オーバー。私の装着するダンロップ03GはソフトのS4コンパウンドとハードのM5コンパウンドの二つの種類がありますが、ハードの相性が抜群によい反面、ソフトとの相性がいまひとつといった感触でした。
土曜日は午前中がドライ、午後はウエットとなりましたが、タイヤは終日ソフトを装着して走行、ドライでのタイムはハードを装着したライバルNSX西森さんに1秒弱の遅れでした。日曜日は午前中ウエット、午後ドライとの予報でしたがので、このような場合は、午前中はソフト、午後はハードとタイヤを選択すれば良いのですが、規則上、第1ヒートと第2ヒートでタイヤ交換した場合は2秒加算されてしまうのでそれは出来ません。という事でタイヤ選択がとても難しい状況となりました。ジムカーナでは気象予報士を兼務する事も求められます!「うーん、胃が痛い!」
迎えた決勝の日曜日、朝から雨が降っていましたが、予報通り自分の走行する頃には雨が上がりました。路面はまだ濡れているものの午後はドライ路面が予想されたので、思い切ってハードを選択しました。 ウエット路面の第1ヒートは軽く肩慣らし程度の走行で終え、路面の回復を待ちます。昼頃には太陽も顔を出し路面温度も上昇、スキー場のザラザラした路面は瞬く間に乾きドライ路面へと変わりました。「作戦成功!」とニヤニヤしながらPN3クラスの走行を観ていたころ、また雨が降り始めました。そしてゲレンデの方から雨雲らしきものがこちらに向ってきます。こういう時の人間の心理は面白いもので、現実を受け入れられません。雨が降ってきても傘を取りに行く気が全くせず「すぐに止むハズ!」となかば意地になって走行を観ていました。が、土砂降りになり路面は完全ウエットに!万事休す、作戦失敗となりました。
完全ウエットとなった第2ヒート、2秒加算ペナルティを受けタイヤをソフトに変更し臨みましたが、ペナルティ無のタイムでも優勝のロータスエキシージ梅村さんのタイムに届かず、今季ワーストとなる4位で最終戦を終えました。RX-7勢は2位に上本、3位に安部が入賞しました。「まぁ、こんな事もあるさ」
<SA2クラス>
NSXの久保さんと渡辺さんのチャンピオン争いとなっているこのクラス、ウエットコンディションに苦しみながらもRX-7勢は葛西が3位表彰台、4位上野、5位高橋と3台が入賞しました。年間チャンピオンはNSX久保さんが初の獲得。来年からN2クラスと統合されるのでSA2の皆さんは私のライバルとなります。どうぞお手柔らかに!
<SCクラス>
RX-7の藤井は決勝の路面コンディションの影響もあり7位でフィニッシュ。金曜日土曜日とドライでは今シーズン一番の走りを見せていたのとても残念です。
あっという間に2016年シーズンが終了しました。終わり方は良くなかったものの、初のシリースチャンピオン獲得に成功したとても楽しく充実したシーズンでした。またMZRacingのサイトで参戦レポートを行うという新たな試みもさせて貰い、色々と刺激を受け同時に勉強にもなりました。
来シーズンもより面白い参戦レポートが出来るよう成長していきたいと思います。
一年間ありがとうございました。
そしてアマチュアレーシングドライバーのシーズンオフはとても多忙です。スポンサー獲得活動、メディアへの露出、車両製作及びテスト、フィジカルトレーニング、明け方まで終わらない飲み会!など仕事の合間にやる事は多岐にわたります。しかし、岡山国際で行われるマツダファンフェスタの様なイベントにドライバーとして呼んで貰える事はとても光栄ですし皆さんとお会いできるのは今からとても楽しみです。
今後とも小俣 a.k.a コマッタ洋平の応援の程ヨロシクお願いします。
https://fb.me/omatayohei
Text by 小俣洋平
Photo by CINQ
最終戦の舞台、イオックスアローザは富山県のスキー場イオックスアローザの駐車場を使用した俗にいうフルパイロンコースです。レースと異なりジムカーナの会場は多種多様です。大きい所は岡山国際サーキットの様なインターナショナルサーキット、中くらいの規模としてはミニサーキットやカートコース、そして今回のイオックスアローザ等の駐車場の広場にパイロンを並べたフルパイロンコースと様々なタイプのコースがあります。
フルパイロンコースの特徴は、まずコース設定が自由でどんなコースでも設定可能な事。もう一つの特徴はコースが小さいので一カ所から全て見渡すことが出来ます。そして全開で加速してきた車がフルブレーキングからサイドターンで横滑りするいわゆる「見せ場」を観客席から間近で観ることが出来ます。今回のイオックスアローザは主催者の努力もあり多数の一般来場の観客が来てくれていました。
WRCのビデオを見るのが好きだった若いころ、ブレーキングドリフトから振りっ返してサイドターンをパイロンすれすれで決めるジムカーナの映像を観て「カッコいいー!」と純粋に思い自分もジムカーナに嵌りました。コース設定にその様な「魅せる要素」を盛り込み、観客に楽しんでもらう事はとても大切なことだと思います。
今回のマツダ車の参加はPN1クラスに亀山伸一、久保敦嗣、片岡一司、難波眞、米澤匠、小林キュウテン、稲木亨、斉藤邦夫の8台のロードスター。なんか増えてきた!N2クラスに石森章太郎、安部洋一、上本昌彦、小俣洋平の4台のRX-7、SA2クラスに高橋陽介、大橋正培、上野健司、鰐部光二、葛西祐治、山田寛宣の6台のRX-7、SCクラスに藤井雅弘のRX-7と合計19台の参加となりました。
※来シーズンからNクラスとSAクラスは統合されよりシビアな戦いになります。
<PN1クラス>
決勝の日曜日は天候が不安定でした。このクラスは第1ヒートがウェット、第2ヒートはセミウェットとなり、後半スタートのマシンはほぼドライの状態となりました。FFのスイフトがライバルとなるロードスター勢は不安定な路面に苦しみ、タイムが伸び悩みました。最終走者斉藤もスイフト勢に食い込むタイムを刻みましたが、痛恨のパイロンタッチで上位入賞は叶いませんでした。今大会は天候に苦しんだロードスター勢ですが、参戦初年度で3勝という活躍により、2017年はロードスターが更に増えるのではないでしょうか。
私自身もロードスターに惹かれているひとりです。いずれにしろ来年はロードスター同士の熾烈なタイトル争いが繰り広げられることが予想されます。
<N2クラス>
前戦九州恋の浦Rdで初の年間王者を決めた私コマッタ小俣は、来シーズンへの第1歩、また今回イオックスアローザと似たコースの美川スポーツランドでの敗戦へのリトライという意味も込め、気合を入れて臨みました。事前テストで課題のドライビングとマシンセットアップを入念に行い、良い感触を持って決勝ウィークに臨みました。
金曜日は晴れで、10月初旬にしてはかなり暖かく路面も30℃オーバー。私の装着するダンロップ03GはソフトのS4コンパウンドとハードのM5コンパウンドの二つの種類がありますが、ハードの相性が抜群によい反面、ソフトとの相性がいまひとつといった感触でした。
土曜日は午前中がドライ、午後はウエットとなりましたが、タイヤは終日ソフトを装着して走行、ドライでのタイムはハードを装着したライバルNSX西森さんに1秒弱の遅れでした。日曜日は午前中ウエット、午後ドライとの予報でしたがので、このような場合は、午前中はソフト、午後はハードとタイヤを選択すれば良いのですが、規則上、第1ヒートと第2ヒートでタイヤ交換した場合は2秒加算されてしまうのでそれは出来ません。という事でタイヤ選択がとても難しい状況となりました。ジムカーナでは気象予報士を兼務する事も求められます!「うーん、胃が痛い!」
迎えた決勝の日曜日、朝から雨が降っていましたが、予報通り自分の走行する頃には雨が上がりました。路面はまだ濡れているものの午後はドライ路面が予想されたので、思い切ってハードを選択しました。 ウエット路面の第1ヒートは軽く肩慣らし程度の走行で終え、路面の回復を待ちます。昼頃には太陽も顔を出し路面温度も上昇、スキー場のザラザラした路面は瞬く間に乾きドライ路面へと変わりました。「作戦成功!」とニヤニヤしながらPN3クラスの走行を観ていたころ、また雨が降り始めました。そしてゲレンデの方から雨雲らしきものがこちらに向ってきます。こういう時の人間の心理は面白いもので、現実を受け入れられません。雨が降ってきても傘を取りに行く気が全くせず「すぐに止むハズ!」となかば意地になって走行を観ていました。が、土砂降りになり路面は完全ウエットに!万事休す、作戦失敗となりました。
完全ウエットとなった第2ヒート、2秒加算ペナルティを受けタイヤをソフトに変更し臨みましたが、ペナルティ無のタイムでも優勝のロータスエキシージ梅村さんのタイムに届かず、今季ワーストとなる4位で最終戦を終えました。RX-7勢は2位に上本、3位に安部が入賞しました。「まぁ、こんな事もあるさ」
<SA2クラス>
NSXの久保さんと渡辺さんのチャンピオン争いとなっているこのクラス、ウエットコンディションに苦しみながらもRX-7勢は葛西が3位表彰台、4位上野、5位高橋と3台が入賞しました。年間チャンピオンはNSX久保さんが初の獲得。来年からN2クラスと統合されるのでSA2の皆さんは私のライバルとなります。どうぞお手柔らかに!
<SCクラス>
RX-7の藤井は決勝の路面コンディションの影響もあり7位でフィニッシュ。金曜日土曜日とドライでは今シーズン一番の走りを見せていたのとても残念です。
あっという間に2016年シーズンが終了しました。終わり方は良くなかったものの、初のシリースチャンピオン獲得に成功したとても楽しく充実したシーズンでした。またMZRacingのサイトで参戦レポートを行うという新たな試みもさせて貰い、色々と刺激を受け同時に勉強にもなりました。
来シーズンもより面白い参戦レポートが出来るよう成長していきたいと思います。
一年間ありがとうございました。
そしてアマチュアレーシングドライバーのシーズンオフはとても多忙です。スポンサー獲得活動、メディアへの露出、車両製作及びテスト、フィジカルトレーニング、明け方まで終わらない飲み会!など仕事の合間にやる事は多岐にわたります。しかし、岡山国際で行われるマツダファンフェスタの様なイベントにドライバーとして呼んで貰える事はとても光栄ですし皆さんとお会いできるのは今からとても楽しみです。
今後とも小俣 a.k.a コマッタ洋平の応援の程ヨロシクお願いします。
https://fb.me/omatayohei
Text by 小俣洋平
Photo by CINQ
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