リジッドカラーとは
今、自動車専門誌や「みんカラ」などwebメディアで話題となっている、リジッドカラー。新車から距離や車齢を重ねたクルマまで、そのクルマが本来持つ走りの能力を引き出し、操安性を「シャッキ」とさせる魔法のパーツです。
量産車両はその生産ライン上に、いかに短い時間で通過できるかが、生産性向上の柱となります。もちろん、メーカーや車種にもよって多少の違いはありますが、国内外を問わず、生産性の向上が各メーカーの課題となっています。
では、その生産ラインを思い浮かべてください。ロボットによる自動化が進んでいますが、まだまだ人の手作業による工程は多く、その重要な工程として、エンジンとトランスミッションをボディと結合する作業が有ります。特にFF車の場合、クロスメンバーに乗ったエンジン&トランスミッションを下部から持ち上げ、指定位置まで来たら複数のボルトを一気にインパクトレンチで締め込んで固定、となります。ここでボディ側のボルト穴位置はしっかりと決まっている一方で、クロスメンバー側のボルト穴はかなり余裕をもった大きさで開けられており、多少の位置ズレがあっても締める事ができる設計になっています。この部分をジャストサイズの設計にしてしまうと、位置決めがシビアになり、決められたライン速度内では作業が終了できず、生産効率が落ちてしまいます。
こうなるとユーザ側は納車まで何ヶ月も待たなくてはいけないということにつながります。
そこでリジッドカラーの登場です。こいつは大穴となっているクロスメンバーとボディの間に挟み込み、規定トルクで締めつけることで適度に潰れ、ガタが発生する隙間部分をくまなく埋めてしまうモノなのです。結果クルマ全体のセンター出しが可能となり、メーカーの設計者が狙ったとおりの、クルマの持つ本来の性能が発揮されるのです。
|