ダイソンレーシングがKERSハイブリッドシステムをALMSマシンに搭載
アメリカンルマンシリーズにマツダパワーのローラP1マシンで出場しているダイソンレーシングは、9月14日・15日にヴァージニアインターナショナルレースウェイで開催されるALMS戦に運動エネルギー回生システム(KERS)を投入すると発表しました。英国フライブリッド社製KERSは#16ローラ・マツダのベルハウジング内に搭載される高回転・軽量のフライホイールで、ブレーキング時に発生するエネルギーを一時的に蓄え、加速時に活用するシステムです。
「昨シーズン末からフライブリッド社とKERSシステムの導入について探ってきました」とダイソンレーシングの副代表であり、競技ダイレクターを務めるクリス・ダイソンは語っています。「私たちは台上試験を重ね、既に車両走行テストも済ませています。その結果にチームは勇気づけられており、今週末のVIR戦と最終戦のプチルマンでその成果を期待しています。チームは現在トップ争いをしており、レーシングチームであれば常に最良のパフォーマンスを追求するものです」。
「アメリカンルマンシリーズは、グリーンテクノロジーへの先見性が高く、それをレース活用で広く知らしめていく格好の機会だと思われます」とダイソンは付け加えます。「エネルギー再生技術は、レギュレーションで認められていますが、しかしながら現地時点では全てのチームに有効なオプションとは言えません。フライブリッド社はその領域にチャレンジすることに大変意欲的で、私たちがこのプロジェクトのパートナーを探している際、最初に出会った時からお互いに自然にフィットすると感じたものです」。
KERSは、ブレーキング時のエネルギーを高回転のフライホイールで受け止めてそれを一時的に蓄え、次の加速時に駆動輪にそれを伝えるしくみです。カーボンファイバーとスチールでできたフライホイールユニットは僅か5kgしかなく、最大60,000回転してエネルギーをストレージに蓄えます。ブレーキング時の5秒以内に蓄えるエネルギーは135馬力(約100kW)にもなります。それを加速時のシャフトに伝達する装置を含め、システム全体の重量は40kgほどとなっています。
2012.9.14
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