寺田陽次郎、水素ロータリーRX-8でルマンを走る
本年のルマン24時間レースのスタート前に、新エネルギー車によるデモンストレーションランが行われ、ポルシェ・ハイブリッドやアウディ・eトロン、プジョー・ハイブリッド、フェラーリEV、テスラEV、水素BMW、フォルクスワーゲン・天然ガス車などと共に寺田陽次郎がドライブするマツダRX-8水素ロータリー車が走った。
ガソリンと高圧水素のいずれでも稼働する2ローターのマツダハイドロジェンREの出力は、109馬力。通常のRENESISエンジンと比較すると半分程度の出力だが、水素エネルギーで走行している時にエンジンから排出されるのは「水蒸気」だけ。まさにゼロエミッションである。今回は24時間レーススタート直前のデモンストレーションであり、13.6kmのフルコースを3周しただけだったが、今回のデモラン参加メーカーのうち日本メーカーはマツダのみ。ルマンを制した経験を持つマツダが、先端技術を搭載したロータリーエンジンでサルトサーキットに戻ってきたことは大変意義深い。
寺田は、「ルマンの主催者ACOが、今回のような近未来を見越したデモンストレーションを行ったことは賞賛に値することです。また、このクリーンな水素ロータリーをほぼ実用化し、このルマンに持ち込んだマツダにも敬意を表したいと思います。水素エネルギーを使うこと以外、クルマは全く量産車両そのもので、とっても現実的だと感じました。僕個人にとっても、はじめてここに来たときからマシンはロータリーだったし、1991年にマツダが優勝した時もロータリーでした。そして、今回またロータリーエンジンを積んだこの近未来カーでルマンを走れたことを誇りに思います」と語った。また、「前日の練習走行の際には、助手席にルマン市の副市長さんをお乗せしたんですが、とっても喜んでいただいて僕もうれしかったですね」と付け加えた。
水素ロータリーのサウンドについて尋ねてみた。「量産車となんら変わりませんよ。マフラーもついているので、ロードカーと同じです」とのこと。
2010.6.18
|