レンジエクステンダー用シングルローターエンジン開発中

12月第三週にマツダR&Dセンター横浜でメディアに対する技術説明会が行われ、RE技術を活用した開発中のレンジエクステンダー試作機が披露されました。

電気自動車(EV)の航続距離を拡大するレンジエクステンダー用として、ロータリーエンジンは以前から注目されており、今回の試作ユニットはそれを実証する形で紹介されました。ロータリーエンジンはコンパクトで静粛性が高いというメリットがあります。排気量330ccの小型シングルローターエンジンを横置きに搭載して発電機を駆動し、バッテリーに送電することでEVの航続距離を大幅に拡大することができ、わずかなスペースに搭載することが可能です。このエンジンの出力は22kW/4,500rpmで、試乗用に用意されたデミオEVのラゲッジルーム下のスペースにすっぽり入っていました。また、横置きとしてフレームからユニットをつり下げるレイアウトを採用することで、ロータリーエンジンが発生する元々少ない振動をさらに抑えることができます。まさに良いことずくめのREレンジエクステンダーは、近い将来に実現性の高い技術だと感じさせます。説明の中では、コジェネレーション発電機などへの活用も有効とのことです。かつて胸のすく加速感と高回転域のパワーが印象的だったREが、小型でも十分な出力が得られ、安定回転では好燃費も確保できると言ったもう一方の特徴を活かしてモビリティ社会に貢献することができれば、草葉の陰でヴァンケル博士も納得してくれることでしょう。

今回試乗したデミオEVに搭載された REレンジエクステンダーは、時速10km/h以上で始動します。運転席からは車体後方でシングルローターエンジンが回転している音がかすかに聞こえます。しかし、これは試作車なので消音までは着手していないはずです。これをさらに消していくこともできるでしょうが、できればサウンドクリエーターのような装置で増幅し、(加減速音はありませんが)ロータリーサウンドを楽しむこともできるのではないでしょうか。REレンジエクステンダーは、ロータリーファンの方なら心躍る技術だと言えます。

2013.12.22
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